トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/10/17  9:08

「最後の挨拶」でホームズは特に最後の挨拶の言葉はいってない  その他の雑学本 パクリ探し編

『pronto pronto?』 Vol.9 「唐沢俊一のビジネス課外授業。」 P.17
実在の人物ではないが、かの名探偵シャーロック・ホームズは探偵業で
ためた貯金をもとに49歳という、案外早い時期に探偵業を辞め、養蜂業
者に転職している。もっとも、そこは世界一の名探偵で、警察では手に
負えない難事件が起こったときには探偵に戻って手伝ったりしていた。
ちなみに、何に対しても凝り性のホームズはその分野についても 『実用
養蜂便覧/付・女王蜂の分封に関する諸観察』 という本を書いている
とか。さすがですな。

その分野」が養蜂業をさすというのは、わかりにくい悪文と思うが、おいといて。

2ちゃんねるのスレ (Read More 参照) で、パクリ元と目されているのはこれ↓

http://www2.tba.t-com.ne.jp/lovely-day/holmes1.html
> その後も次々と事件を解決したホームズですが、1903年10月、49歳で引退
>します。
> サセックス丘陵の南斜面、イーストボーンから5マイル行ったところの、「フルワー
>ス」(カックミア・ヘイブン)の別荘でミツバチの養殖をしながらそれについての著作、
>『実用養蜂便覧/付・女王蜂の分封に関する諸観察』を著したり、『探偵学の全て』と
>いう著作を書き上げることをライフワークとしていました。
> 引退後も、『ライオンのたてがみ』事件やシカゴでアルタモントというアメリカ人に
>成り済ましての活動を経て、ドイツ人スパイを捕まえる『最後の挨拶』事件を手掛け
>ます。

まあ、パクリとして批判の対象にするかどうかは別にして、興味深いのは架空の書物、
実用養蜂便覧/付・女王蜂の分封に関する諸観察』という題名の完全一致。

ググってみたら、『実用養蜂便覧(付女王蜂分離関連所見)』、『養蜂の実用便覧』、
『実用養蜂便覧 女王蜂の分封に対する観察を含む』、『実用養蜂便覧、付・女王蜂の
分封に関する緒観察』など、いろいろ。「付・」の前の「/」まで一致しているのは、
ひとつだけみたい。

http://sanjuro.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_1dff.html
>1903年サセックス州イーストボーン近辺の農園に引退し養蜂と哲学に専念。
〈略〉
>著作--白面の兵士、獅子のたてがみ(事件記録)、実用養蜂便覧(付女王蜂分離
>関連所見)、犯罪学、音楽、科学に関する専門論文多数。


http://homepage3.nifty.com/221b/intro.html
>彼はその研究成果を「養蜂の実用便覧」に著しています

http://www.freeenglish.jp/holmes/mb/last-c-025.html
>Practical Handbook of Bee Culture, (実用養蜂便覧) with Some Observations upon
>the Segregation of the Queen. (女王蜂の分封に対する観察を含む)


http://www.geocities.jp/nokibasouichi01/page087.html
>『実用養蜂便覧、付・女王蜂の分封に関する緒観察』―最後の挨拶より

ちなみに、新潮文庫の『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』では、“実用養蜂便覧、
付・女王蜂の分封に関する緒観察”。「付・」の前の「/」はなし。

『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』 「最後の挨拶」 P.298
>「だって君は隠退していたはずだろう? サウス・ダウンの小さな農園で、養蜂と
>読書に隠退生活を送っていると聞いていたがねえ」
>「その通りさ。暇にあかせて書いた晩年の最大著作がこれだ」といってホームズは
>テープルにあった本をとりあげ、その表題を読みあげた。
>「“実用養蜂便覧、付・女王蜂の分封に関する緒観察” 独力でやったのだ。その昔
>ロンドンで悪人社会を監視したのと同じに、働き蜂の群れを観察したりして、昼は
>忙しく働き、夜は夜で深く考えたりした結果がこれなんだ。よく見てくれたまえ」


唐沢俊一のオリジナルの記述は「探偵業でためた貯金をもとに」や「養蜂業者に転職
だけど、前者は根拠が不明だし、後者の表現も微妙。上で引用した本の記述では、
養蜂業を生活の糧としてやっているというより、趣味で蜂を観察している趣が強い気が
するのと、他の資料で「養蜂業者」といった表現は見あたらないので。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ライオンのたてがみ
>シャーロック・ホームズが探偵業を引退し、蜂と書物に囲まれた静かな生活を送って
>いる。1907年7月末の暴風雨のあと、事件が向こうから飛び込んでくる形で発生する。



その他参考 URL:
- http://ja.wikipedia.org/wiki/シャーロック・ホームズ
- http://ja.wikipedia.org/wiki/最後の挨拶
- http://www.areab.co.jp/221b/top221b.htm




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1223714076/180-

180 :無名草子さん:2008/10/13(月) 21:33:31
『pronto pronto?』Vol.9「唐沢俊一のビジネス課外授業。」p.17
>実在の人物ではないが、かの名探偵シャーロック・ホームズは
>探偵業でためた貯金をもとに49歳という、
>案外早い時期に探偵業を辞め、養蜂業者に転職している。
>もっとも、そこは世界一の名探偵で、
>警察では手に負えない難事件が起こったときには
>探偵に戻って手伝ったりしていた。
>ちなみに、何に対しても凝り性のホームズはその分野についても
>『実用養蜂便覧/付・女王蜂の分封に関する諸観察』
>という本を書いているとか。さすがですな。

これのパクリ元、ココ↓

http://www2.tba.t-com.ne.jp/lovely-day/holmes1.html
>その後も次々と事件を解決したホームズですが、
>1903年10月、49歳で引退します。
>サセックス丘陵の南斜面、イーストボーンから5マイル行ったところの、
>「フルワース」(カックミア・ヘイブン)の別荘で
>ミツバチの養殖をしながらそれについての著作、
>『実用養蜂便覧/付・女王蜂の分封に関する諸観察』を著したり、
>『探偵学の全て』という著作を書き上げることを
>ライフワークとしていました。
>引退後も、『ライオンのたてがみ』事件や
>シカゴでアルタモントというアメリカ人に成り済ましての活動を経て、
>ドイツ人スパイを捕まえる『最後の挨拶』事件を手掛けます。



2008/10/18  9:04

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

1903 年 49 歳というのは、 Wikipedia を含む複数サイトで出ていた
ので特に疑問は抱きませんでしたが、よく見ると Wikipedia の方にも
「これとは異なる経歴を支持するシャーロキアンも多いことを付け加
えておく」とか書いてありますね。「ただ、生年月日は1854年[注釈
1]1月6日とする説が有力である」とも書いてあって、つまり生年さえ
も作品中には明記されていないと。

で、シャーロキアンの人からみても「養蜂業者に転職」は変ですか。
本文に引用した新潮文庫の訳では「隠退生活」になっていて、単に探
偵を引退しただけではなく、田舎に引きこもって静かな生活という感
じで、「転職」にはかなり違和感があったのでした。まあ、「唐沢俊
一のビジネス課外授業。」って連載なので、無理矢理「ビジネス」に
結びつけようとしたのかもしれません。

「探偵業でためた貯金」(馬から落馬っぽい言い方) については……唐
沢俊一の貯金ネタ好き体質がここででてしまっただけと推測。しかも
貯金ネタのガセ率は、かなり高いような。
http://tondemonai2.web.fc2.com/254.html
http://tondemonai2.web.fc2.com/258.html
http://tondemonai2.web.fc2.com/627.html

>ワトソンがその傷病年金の半分を競馬につぎ込んでいるギャンブル
>狂い

これとか?↓ ワトソンについてのあれこれも何か面白そうですね。

http://homepage3.nifty.com/221b/bbs03.html
>自分の傷病年金の半分も競馬につぎ込んでいる(「ショスコム
荘」)

2008/10/17  23:16

投稿者:個人投資家

シャーロキアンなので、少々言いたい。
聖典では年代がはっきりと書かれていることが少ないため、ホームズが1903年末か1904年初頭に引退したことは推測できるが、1903年と決めることは出来ない。
引退時に49歳と断定する根拠もない。
また、引退であって、養蜂家への転職ではない。
探偵業でためた貯金というのも根拠がない。聖典にはそんな記述はないし、それを伺わせる表現もない。

どうせなら傷痍軍人であるワトソンがその傷病年金の半分を競馬につぎ込んでいるギャンブル狂いであるとか、もっとおもしろいエピソードを拾えばよいのに。


   
 
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