トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
旧 URL は、http://diary.aol.com/yzuc9ww/258.html
文字列の一括置換をかけた都合上、旧ブログのコメント欄および2ちゃんねるのスレからの引用の中の URL も全部新 URL に置き換わっていますことを、あらかじめご了承ください
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/ で続きの Blog をやっています
   
 

2008/3/8  1:02

貯金より 同族結婚 ロスチャイルド (字余り)  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編

『トンデモ一行知識の世界』 P.126 (表題)
ロスチャイルド家の家訓は「一に貯金、二に貯金、三に貯金」である。

さらに本文はこう続く。
 この一行知識には続きがある。この家訓を残したのは初代の
マイヤー・アンセルム・ロスチャイルドであるが、これを聞いて
息子が質問をしたそうだ。
 「で、四番目は?」
 すると初代はニッコリして答えた。
 「いい質問じゃ。第四は……貯金じゃ!」

『ロスチャイルド家―ユダヤ国際財閥の興亡 (講談社現代新書)』 の紹介文によると、
>紋章に刻まれた言葉は協調・完全・勤勉。家訓は「語るなかれ」。徹底した秘密保持と、
>一族の結束と連係で国際金融を制覇し、今なお世界を牛耳る巨大財閥の実像を描く。
( http://www.amazon.co.jp/dp/4061492527/ )

『ロスチャイルド自伝―実り豊かな人生』では、
>英国ロスチャイルド家第五代、N・M・ロスチャイルド・アンド・サンズ元会長が、「語る
>なかれ」の家訓を超えて、初めて自ら明らかにする、格別の人生。

( http://www.amazon.co.jp/dp/4120029476/ )

家訓は「語るなかれ」で、「徹底した秘密保持」で、紋章には「協調・完全・勤勉」。
一に貯金、二に貯金、三に貯金」だの「第四は……貯金じゃ!」だの言って喜んでいる
ような、ほのぼのした家風にはとても思えないんだけど。このネタを2ちゃんで指摘した
人の言っているように「世界的な大富豪とは思えぬ安っぽい言葉」でもあるし。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1204420325/668


で、「語るなかれ」以外の家訓について、東洋経済オンラインマガジンの連載 (池内紀) より:

http://www.toyokeizai.net/online/magazine/story04/index.php?kiji_no=39
>家訓に従ってヨーロッパ各地にちらばるロスチャイルド支店で銀行実務の見習いをした。

> 二十二歳のとき、これもロスチャイルド家訓の命ずるとおり、一族の女性を妻にして
>本拠地にもどってきた。

>長じてのち、〈略〉二人は家訓を無視してキリスト者と結婚した。


http://www.toyokeizai.net/online/magazine/story04/index.php?kiji_no=32
>ロスチャイルドの家訓では、女と義理の息子は銀行業務にたずさわれない。これまで
>の同族結婚の弊害か、三代目からは男子の誕生が少なく、息子たちが払底していた。
>動物学の兄弟が、わざと閑職を選んでまで銀行マンをつとめたのは、直系が少なく、
>形だけでも勤めていることを強いられたせいではあるまいか。


http://www.toyokeizai.net/online/magazine/story04/index.php?kiji_no=34
>ロスチャイルド家訓は女性の商業活動を認めていなかった。銀行業務にたずさわるのは
>血をわけた息子のみ。だが教育は平等だった。

http://www.toyokeizai.net/online/magazine/story04/index.php?kiji_no=29
>ロスチャイルド家の家訓の一つだが、一族の経営によらない分野は、決して表だって
>登場しない。


直系の息子は銀行業務が義務、女性および義理の息子は銀行業務にたずさわれない、
女性は商業活動自体ダメ、結婚は同族相手、キリスト者との結婚禁止、一族以外による
経営の分野は表立って登場させない等々あるようだが、「一に貯金」はない。



   
 
HOME

 

 

inserted by FC2 system