2008/4/13 16:20
カン違いじゃない「恋愛による興奮」ってのも難しいかも その他の雑学本 間違い探し編
『唐沢俊一の雑学王』 P.156
「快感順の高い」は原文ママ。
いわゆる「吊り橋効果」「吊り橋理論」のことをいっているようなので、
×医学的には ○心理学的には
×脳の「錯誤」 ○錯誤帰属
ただし、吊り橋効果の錯誤帰属としても、「不安によるドキドキ」を「『恋愛による興奮』と
カン違い」することの「証明がなされている」――というほどのものではない。
吊り橋効果の根拠とされるダットンとアロンの研究は、女性インタビューアに後日電話を
かけてくる確率が、いっしょに吊り橋を渡った方が揺れない橋のときよりずっと高かった
というもの。[1]
「電話をかけるだけで恋愛感情と見なすのが,深読みのしすぎ」[2] という意見には頷ける
ものがある。よりによって揺れる吊り橋でアンケートを求められたことを奇異に思い、結果を
尋ねる電話をしてきた者もいるかもしれないのだ。
また、2ちゃんねるの元の書き込み (Read More 参照) では、今回に限って封印している
「テストステロン」の出番では――という指摘もされている。
実際、「テストステロンをテストする検査」でも引用したが、浮気のような「不安定な興奮」は
テストステロンを分泌させる [3] し、恋愛のきっかけとして引き合いに出されることの多い
吊り橋効果もどきの説明をするよりは、こちらの方がよかったんじゃないかと思う。不倫で
あっても恋愛中には変わらないだろうに、「『恋愛による興奮』とカン違い」だとか、どうして
「カン違い」と判断できるのかという、ややこしい話にならなくて済むし。
[1] http://ja.wikipedia.org/wiki/吊り橋理論
>実験は、18~35才までの独身男性を集め、渓谷に架かる揺れる吊り橋と揺れない橋の
>2ヶ所で行われた。男性にはそれぞれ橋を渡ってもらい、橋の中央で同じ若い女性が
>突然アンケートを求め話しかけた。その際「結果などに関心があるなら後日電話を下さ
>い」と電話番号を教えるという事を行った。結果、吊り橋の方の男性からはほとんど電話
>があったのに対し揺れない橋の方からはわずか一割くらいであったというものである。
>揺れる橋での緊張感を共有した事が恋愛感情に発展する場合があるという事になる。
[2] http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112168791
>まず,この「吊り橋効果」・「吊り橋理論」の根拠としては,
>ダットンとアロンの研究が挙げられるわけですが,
>原著)Dutton & Aron(1974)
>http://www.fpce.uc.pt/niips/novoplano/ps1/documentos/dutton&aron1974.pdf
>この研究で言える最低限のことは,吊り橋での恐怖・不安によるドキドキの原因が,
>橋を渡った後に(途中で?)アンケート調査を依頼してきた女性の(性的)魅力の
>ためだと
>勘違いをして(錯誤帰属),電話をかけるという行動をする確率を高めた,
>ということだと思われます。
>つまり,この中で扱われているのは橋を渡るときの恐怖・不安とインタビューアの魅力
>だけであり,
>恋愛感情は含まれていません。
>電話をかけるだけで恋愛感情と見なすのが,深読みのしすぎであることは,
>専門知識がなくてもお分かりいただけると思います。
>
>その後,恋愛感情と恐怖・不安の関係を検討した研究があるのならば話は別ですが,
>この研究だけから,恐怖によるドキドキを勘違いして恋愛感情がうまれやすい,
>と考えるのは,
>拡大解釈,言いすぎであると思われます。
[3] http://ja.wikipedia.org/wiki/テストステロン
>テストステロンはやる気を促し快楽をもたらす。そのため鬱病の治療薬としても使用
>されている。 筋力トレーニングや不安定な興奮(例えば闘争や浮気など)によって
>テストステロンの分泌が促される。
追記 : 唐沢俊一検証blogの「唐沢俊一が『給与明細』に出演していた。」にあるように、
こちらについてもガセビアの使い回しをしてくれた。『唐沢俊一の雑学王』は 2007 年に
出版の本だが、1998 年刊の『トンデモ一行知識の世界』にも類似のネタがあるし
(「スリルがあっていいよね」でいいじゃん、万引き犯みたいだけど)、こちらでも 10 年
変わらず同じようなガセビアを飽きもせず繰り返し語っているのだなあと感慨にふける
ことができる。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1207837791/10
10 :最近のガセ検証より:2008/04/10(木) 23:47:21
『唐沢俊一の雑学王』 P156
>不倫がなぜ普通の恋愛より燃えるのか。それは医学的には証明がなされている。
>要するに脳の「錯誤」という現象が根本にあり、「夫や妻にバレたらどうしよう」
>という不安によるドキドキや血圧の上昇を、脳は「恋愛による興奮」とカン違いし、
>なにやら快感順の高いものとして認識してしまうのだ。
「普通の恋愛」より燃える理由が「恋愛による興奮」だなどと書いていて変だとは思
わないのか、なんてレベルの本じゃないが、何でもかんでもセックスに結びつけ「ド
ーパミン」とか「エストロゲン」とか嘘を書きなぐっている唐沢にしては珍しく「ホ
ルモン」ネタを封印している。ここが唐沢の凄い所だな。だってこれこそ、 性ホルモ
ン「テストステロン」 の登場すべきところなんだから。
テストステロンWikipedia
>テストステロンはやる気を促し快楽をもたらす。そのため鬱病の治療薬としても使用されている。
> 筋力トレーニングや不安定な興奮(例えば闘争や 浮気 など)によってテストステロンの分泌が促される。
>イリノイ州ノックス大学の心理学者、ティム・カッサーの研究では大学の学生らに15分間銃を扱わせたところ
>唾液から普段の100倍近いテストステロン値を記録したという。
>この事から危険物、あるいは危険な行為が更なる分泌を促すと言える。
おいしいネタはスルーする唐沢流。
不倫がなぜ普通の恋愛より燃えるのか。それは医学的には証明が
なされている。 要するに脳の「錯誤」という現象が根本にあり、「夫や
妻にバレたらどうしよう」 という不安によるドキドキや血圧の上昇を、
脳は「恋愛による興奮」とカン違いし、なにやら快感順の高いものとして
認識してしまうのだ。
「快感順の高い」は原文ママ。
いわゆる「吊り橋効果」「吊り橋理論」のことをいっているようなので、
×医学的には ○心理学的には
×脳の「錯誤」 ○錯誤帰属
ただし、吊り橋効果の錯誤帰属としても、「不安によるドキドキ」を「『恋愛による興奮』と
カン違い」することの「証明がなされている」――というほどのものではない。
吊り橋効果の根拠とされるダットンとアロンの研究は、女性インタビューアに後日電話を
かけてくる確率が、いっしょに吊り橋を渡った方が揺れない橋のときよりずっと高かった
というもの。[1]
「電話をかけるだけで恋愛感情と見なすのが,深読みのしすぎ」[2] という意見には頷ける
ものがある。よりによって揺れる吊り橋でアンケートを求められたことを奇異に思い、結果を
尋ねる電話をしてきた者もいるかもしれないのだ。
また、2ちゃんねるの元の書き込み (Read More 参照) では、今回に限って封印している
「テストステロン」の出番では――という指摘もされている。
実際、「テストステロンをテストする検査」でも引用したが、浮気のような「不安定な興奮」は
テストステロンを分泌させる [3] し、恋愛のきっかけとして引き合いに出されることの多い
吊り橋効果もどきの説明をするよりは、こちらの方がよかったんじゃないかと思う。不倫で
あっても恋愛中には変わらないだろうに、「『恋愛による興奮』とカン違い」だとか、どうして
「カン違い」と判断できるのかという、ややこしい話にならなくて済むし。
[1] http://ja.wikipedia.org/wiki/吊り橋理論
>実験は、18~35才までの独身男性を集め、渓谷に架かる揺れる吊り橋と揺れない橋の
>2ヶ所で行われた。男性にはそれぞれ橋を渡ってもらい、橋の中央で同じ若い女性が
>突然アンケートを求め話しかけた。その際「結果などに関心があるなら後日電話を下さ
>い」と電話番号を教えるという事を行った。結果、吊り橋の方の男性からはほとんど電話
>があったのに対し揺れない橋の方からはわずか一割くらいであったというものである。
>揺れる橋での緊張感を共有した事が恋愛感情に発展する場合があるという事になる。
[2] http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112168791
>まず,この「吊り橋効果」・「吊り橋理論」の根拠としては,
>ダットンとアロンの研究が挙げられるわけですが,
>原著)Dutton & Aron(1974)
>http://www.fpce.uc.pt/niips/novoplano/ps1/documentos/dutton&aron1974.pdf
>この研究で言える最低限のことは,吊り橋での恐怖・不安によるドキドキの原因が,
>橋を渡った後に(途中で?)アンケート調査を依頼してきた女性の(性的)魅力の
>ためだと
>勘違いをして(錯誤帰属),電話をかけるという行動をする確率を高めた,
>ということだと思われます。
>つまり,この中で扱われているのは橋を渡るときの恐怖・不安とインタビューアの魅力
>だけであり,
>恋愛感情は含まれていません。
>電話をかけるだけで恋愛感情と見なすのが,深読みのしすぎであることは,
>専門知識がなくてもお分かりいただけると思います。
>
>その後,恋愛感情と恐怖・不安の関係を検討した研究があるのならば話は別ですが,
>この研究だけから,恐怖によるドキドキを勘違いして恋愛感情がうまれやすい,
>と考えるのは,
>拡大解釈,言いすぎであると思われます。
[3] http://ja.wikipedia.org/wiki/テストステロン
>テストステロンはやる気を促し快楽をもたらす。そのため鬱病の治療薬としても使用
>されている。 筋力トレーニングや不安定な興奮(例えば闘争や浮気など)によって
>テストステロンの分泌が促される。
追記 : 唐沢俊一検証blogの「唐沢俊一が『給与明細』に出演していた。」にあるように、
こちらについてもガセビアの使い回しをしてくれた。『唐沢俊一の雑学王』は 2007 年に
出版の本だが、1998 年刊の『トンデモ一行知識の世界』にも類似のネタがあるし
(「スリルがあっていいよね」でいいじゃん、万引き犯みたいだけど)、こちらでも 10 年
変わらず同じようなガセビアを飽きもせず繰り返し語っているのだなあと感慨にふける
ことができる。
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1207837791/10
10 :最近のガセ検証より:2008/04/10(木) 23:47:21
『唐沢俊一の雑学王』 P156
>不倫がなぜ普通の恋愛より燃えるのか。それは医学的には証明がなされている。
>要するに脳の「錯誤」という現象が根本にあり、「夫や妻にバレたらどうしよう」
>という不安によるドキドキや血圧の上昇を、脳は「恋愛による興奮」とカン違いし、
>なにやら快感順の高いものとして認識してしまうのだ。
「普通の恋愛」より燃える理由が「恋愛による興奮」だなどと書いていて変だとは思
わないのか、なんてレベルの本じゃないが、何でもかんでもセックスに結びつけ「ド
ーパミン」とか「エストロゲン」とか嘘を書きなぐっている唐沢にしては珍しく「ホ
ルモン」ネタを封印している。ここが唐沢の凄い所だな。だってこれこそ、 性ホルモ
ン「テストステロン」 の登場すべきところなんだから。
テストステロンWikipedia
>テストステロンはやる気を促し快楽をもたらす。そのため鬱病の治療薬としても使用されている。
> 筋力トレーニングや不安定な興奮(例えば闘争や 浮気 など)によってテストステロンの分泌が促される。
>イリノイ州ノックス大学の心理学者、ティム・カッサーの研究では大学の学生らに15分間銃を扱わせたところ
>唾液から普段の100倍近いテストステロン値を記録したという。
>この事から危険物、あるいは危険な行為が更なる分泌を促すと言える。
おいしいネタはスルーする唐沢流。
2008/4/13 21:24
投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/
http://tondemonai2.web.fc2.com/
2008/4/13 17:24
投稿者:藤岡真
浮気による「ドキドキ」を恋愛感情による「ドキドキ」と勘違いしたために、普通の恋愛より燃えるというのは、どういう理屈なんでしょうかね。普通の恋愛より浮気の方が、より「ドキドキ」するというなら分かりますが。
唐沢という人は、既定の文字数内に収まったか否か以外の理由で、自分の文章を読み直さない人なんでしょうか。推敲に推敲を重ねた結果がこうだとすると、なんか怖いものがあります。
唐沢という人は、既定の文字数内に収まったか否か以外の理由で、自分の文章を読み直さない人なんでしょうか。推敲に推敲を重ねた結果がこうだとすると、なんか怖いものがあります。
>唐沢という人は、既定の文字数内に収まったか否か以外の理由で、
>自分の文章を読み直さない人なんでしょうか。推敲に推敲を重ねた
>結果がこうだとすると、なんか怖いものがあります。
……どうなんでしょう、でも確かに、字数制限に合わせて文章を手直
ししたという話はやたら多い割には、それ以外の推敲についての記述
が少ないんじゃないかという気はします。
プロのライターの人の中には、じっくり推敲したものよりも、一気に
書き上げた文章の方が結局勢いがあってできがよかったりする――と
主張する人もいるようですが。それと、田口ランディのときに思った
んですが、速筆自慢する人は、時間をおいて見直すことなどしないで
その日のうちにメールで送信するのを好む傾向があるような気も。
>普通の恋愛より浮気の方が、より「ドキドキ」するというなら
>分かりますが。
うーん、こちらについては、実感としてはわからないんですよね。
浮気などというものとほとんど縁がなく暮らしてきている悲しさで。
小説とか映画とか、疑似体験するためのツールもあるじゃないかとも
思いますが。