トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/9/9  9:09

ドリフターズに影響をあたえたといわれるマルクス兄弟  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.30
 グルーチョ・マルクスは映画を引退した後、活躍の場をラジオに移して、
国民的人気を得た。その番組の名は『命をかけろ!』。参加者が自分たち
の雑学を競う番組だった。未だにアメリカ人は一行知識のたぐいが大好き
で、テーマ別の一行知識本がたくさん出版されているが、その嗜好はこの
番組が根付かせたと言っていいだろう。

×ラジオ ○ラジオやテレビ

グルーチョ・マルクス (Groucho Marx) の「You Bet Your Life」は、1947 年からテレビ
番組として始まる 1950 年まではラジオ番組だったそうだけど、グルーチョ最後の映画
出演が 1949 年だから、「映画を引退した後」というのなら、やはり主にテレビが活躍の
場所といえるだろう。

グルーチョがメインホストをつとめた人気のテレビ番組「You Bet Your Life」は、1950 年
から 1961 年にかけて放映された。1960 年に「The Groucho Show」と改名されて翌年
まで放映続行。NBC のこの番組が終了してからグルーチョは、「Tell It to Groucho」
(1962 年) という CBS の番組に出演したりしている。

ところで、『命をかけろ!』という訳には、かなり違和感があるのだけど。訳するとしたら、
「人生を賭けろ」あたりじゃないかなあ。ググった限りでは、多くは「You Bet Your Life」
と原題のままの表記。この番組を『命をかけろ!』と訳している資料は見あたらない。

http://bouron.blog.ocn.ne.jp/touma/2006/10/post_45f7.html
> 1946年、兄弟は名作「カサブランカ」のパロディである「マルクス捕物帳」で突如、
>銀幕復帰を果たすが、もうすでに彼らの時代ではなく、1949年の「ラブ・ハッピー」を
>最後に彼らは完全に映画界から身を引いた。最後の作品となった「ラブ・ハッピー」は
>主役がハーポで、これまでのマルクス兄弟の映画とは違う「番外編」のようなものと言
>える。
> これ以降、グルーチョは活躍の場をラジオやテレビに移し、1950~1961年の間は
>テレビのクイズ番組「You Bet Your Life」の司会者として活躍、ノーマン・クラストと
>共同で脚本を執筆した舞台喜劇「エリザベスの時」の主演を務めるなど3人の中では
>最もメディアで活躍した。


http://en.wikipedia.org/wiki/You_Bet_Your_Life
> You Bet Your Life is an American radio and television quiz show. The first and
> most famous version was hosted by Groucho Marx, of Marx Brothers fame, with
> the unflappable announcer and assistant George Fenneman. The show debuted on
> radio in 1947, then made the transition to the NBC television network in 1950.
> The television version was changed very little from the radio version. It was
> filmed before a studio audience, then slightly edited for television broadcast.
> In 1960 it was renamed The Groucho Show and ran a further year.
〈略〉
> Seven months after You Bet Your Life ended its 11-season run at NBC, Groucho
> had another game show in prime-time. It was titled Tell It to Groucho which aired
> on CBS during the winter and spring months of 1962.


http://www.classicthemes.com/50sTVThemes/themePages/youBetYourLife.html
> You Bet Your Life (quiz, with Groucho Marx)
> (NBC Primetime, 1950 - 1961;
> Summer Rerun/Syndication title: "The Best of Groucho";
> aka: "The Groucho Marx Show";
> A Sequel series was: "Tell It To Groucho" (CBS, 1962), which see;


http://www.superdramatv.com/line/oz/words4.html
>1950年代にグルーチョ・マルクスが司会をする「人生を賭けろ」ってクイズ番組があっ
>たんだ。毎週グルーチョはバカげた問題を出しては出演者をからかうのさ。アヒルの
>人形が落ちてくるとグルーチョはこう言うんだ。「秘密の言葉で100ドル儲けよう!」
>でもホントに何かに人生を賭ける奴なんていないよな。オズと違って、命を賭けるほど
>のことなんてないもんな。


http://www.amazon.co.jp/You-Bet-Your-Life-Groucho/dp/B00000EZWG

参考ガセビア:
つまりラヴィアンローズとは縁のない人なのね



2008/9/10  1:00

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

はじめまして。どうもありがとうございます。ちょっとでも楽しんで
いただけているのなら、うれしいです。

Wiki 等を読んだ印象では、「You Bet Your Life」は、何かギャンブル
的要素も強いに感じました。取得できる賞金の額などは、雑学的知識
というより運に大きく左右される仕組みにして、他人の賭けの様子を
実況して楽しませるというか……。司会者のキャラで売るというのも
あわせて、ちょっとクイズダービーを思い出したり (レギュラー回答陣
はいなかったとしても)。

賞金も当時としては悪くない額だったでしょうし、もしかしたら、
フィリップ・K・ディックの『偶然世界』(1955 年) のなかのクイズ
マスターは、この手の、宝くじ的要素あるクイズ番組に触発されたの
かーと想像したりもしています。
http://www.inawara.com/SF/H290.html

あと、ショー的な要素については、こういうのも見つけました↓
http://knickerbockervillage.blogspot.com/2008/07/its-
delovely-its-desoto-you-bet-your.html
これを読むと、様々な出演者のキャラに依存したパラエティー番組の
要素が、なるほど強そうですね。

2008/9/9  13:36

投稿者:岡田K一

はじめまして。いつも楽しみに拝見しております。

英語版wikipediaの記述ですと・・。
>One popular category involved attempting to name a U.S. state after being given a number of cities and towns within the state.

「人気のあったクイズのカテゴリは、州内のいくつかの町名を言って、それから州の名前をあてるものだった」

とありますね。こういうクイズは「一行知識」では全然ないと思います・・。

それと「秘密の言葉」が決めてあって、それを回答者が偶然しゃべると、賞金が増える仕組みだったようです。だから、単なる「雑学クイズ」ではなく、グルーチョの個性が反映した「ヴァラエテイ・ショー」なのですね・・。

>その嗜好はこの番組が根付かせたと言っていいだろう。

というのも、本当かどうか・・。アメリカのクイズ番組の歴史をちゃんと調べてみたら、ちがうんじゃないかと思います。
たまたま「自分が知っていること」を「これが大きな影響を与えた」と決め付けるのが唐沢先生、お好きですから。


   
 
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