トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/10/26  12:40

唐突に神を持ち出す理由は、多分一種の神頼み  その他の雑学本 間違い探し編

『唐沢俊一のカルト王』 P.82
ビタミン剤を飲むことによって健康を求めるココロと、麻薬や覚醒剤に走って
自己崩壊にマゾヒスティックな喜びを感じるココロは、じつにダイレクトにつな
がっているのである。どちらも薬物を体に摂り入れて、自らに対するその作用
を楽しんでいることには変わりないのだ。かたや肉体の面で、かたや精神の
面で神に近づく道を求めているのである。クスリの助けを借りて。

2ちゃんねるのスレには「支離滅裂で論旨の破綻した文章」と書き込まれていたけど
(下の方に引用)、「出鱈目を綴っただけ」になってしまった理由というか経緯を、ちょっと
推測してみた。

唐沢俊一が書きたかったのは、ビタミン剤を愛用するのも、覚醒剤などの麻薬に走るのも、
どちらも薬物を体に摂り入れて、自らに対するその作用を楽しんでいることには変わり
ない
」という、ありがちな主張だったのだろう。

それを真ん中にすえて、前後にはビタミン剤愛用者と麻薬愛好者についてを対にして
並べてみれば一丁あがり……だったはずが、対にさせる方法を何か間違えたのではない
かと。

まず「ビタミン剤を飲むことによって健康を求めるココロ」とやったので、「ビタミン剤」と
麻薬や覚醒剤(覚醒剤も立派な麻薬だから変な表現だが)、「健康を求めるココロ」と
「不健康を求めるココロ」つまり「自己崩壊にマゾヒスティックな喜びを感じるココロ」。
麻薬に走る人間の目的は麻薬による快楽であり、不健康になってもかまうものかとは
思っているかもしれないが、不健康になることが目的ではないだろうなどということは、
これを書いている時点の唐沢俊一の念頭には、多分ない。

最後の方の「神に近づく道」は、下記引用のスレへの書き込みでも指摘されている通り
唐突」だし、ビタミン剤で神の肉体になどなれるのか、前半で「自己崩壊にマゾヒス
ティックな喜び
」のためと書いていた麻薬が、今度は神の精神に近づくためになるとは
どういうことか、どんな神の精神だよと突っ込みが入っても当然だとは思うが、おそらく
唐沢俊一の頭の中にあったのは、ビタミン剤愛用者と麻薬愛好者を対にして並べること
だけであり、それだけで精一杯、他に頭を回す余力がなかったと思われる。

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1224589375/32
>32 :無名草子さん:2008/10/22(水) 06:41:18
>『唐沢俊一のカルト王』 P.82

>>ビタミン剤を飲むことによって健康を求めるココロと、
>>麻薬や覚醒剤に走って自己崩壊にマゾヒスティックな
>>喜びを感じるココロは、じつにダイレクトにつながって
>>いるのである。どちらも薬物を体に摂り入れて、自ら
>>に対するその作用を楽しんでいることには変わりないのだ。
>>かたや肉体の面で、かたや精神の面で神に近づく道を
>>求めているのである。クスリの助けを借りて。

>なんという支離滅裂で論旨の破綻した文章だろうか。麻薬や覚醒剤に走るのは
>その副作用で破滅するのが目的ではない。一時的な脳への刺激からもたらされる
>“快”を味わいたいがためである。しかも、唐沢は健康を求める感情と破滅を
>求める感情はダイレクトに繋がっている(意味不明)と説くが、その根拠が
>「どちらも薬物を体に摂り入れて、自らに対するその作用を楽しんでいる」からだ
>というのだから呆れてしまう。なんの効果も期待しないで薬物を摂取する人間が
>いるわけがないだろう。そして最後に「かたや肉体の面で、かたや精神の面で
>神に近づく道を求めているのである」と唐突に神を持ち出してくる。ビタミン剤を
>飲んで神の肉体(ってなんだよ)に近付くなんてことが出来るのか。麻薬や覚醒剤に
>走るマゾヒスティックな喜びが神の精神なのか。出鱈目を綴っただけの駄文。


追記 : コメント欄のやり取りをふまえ、「覚醒剤も立派な麻薬だから変な表現だが」は、
なしということに。



2008/10/29  0:51

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

抹消しました< (覚醒剤も立派な麻薬だから変な表現だが)

ところで、この話の流れでスゴく気になりはじめたのは、

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.132 欄外
>・ヘロインの本物を売ると麻薬取締法違反で、偽物を売ると薬事法
> 違反。

医療関係者が正式に売買するなら麻薬取締法違反うんぬんの話ではな
いだろうし、医療関係者が関係ないなら「偽物を売ると薬事法違反」
にはならなさそうだし。

2008/10/28  23:24

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

辞書の定義だと、「法律上、取り締まりの対象となるもの」が微妙な
ものの、「アヘン・モルヒネ・コカインの類」ですね。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%e9%ba%bb%e8%
96%ac&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>まやく0 【麻薬・▼痲薬】
>麻酔作用をもつ物質のうち、依存性を有するため法律上、取り締ま
>りの対象となるもの。鎮痛薬・鎮咳薬など、医薬品としてきわめて
>有用なものもある。アヘン・モルヒネ・コカインの類。

法律の条文の方は、あへん同様、コカイン法のような法律が新しく
できたならば、「麻薬、大麻、あへん又はコカイン」になったりし
て……。

いろいろ考えましたが、「覚醒剤も立派な麻薬だから変な表現だが」
は、後で削除するか抹消線でも入れておこうかなと思います。ご指摘
ありがとうございました。

2008/10/28  22:23

投稿者:?

なるほど、法律だとあへんの扱いが微妙になるのか…
法律の例は、かえって事を分かりにくくしているだけですね。すいません。
多分、「麻薬には狭義と広義の定義がある」とシンプルに書けばよかったんです。
本当に説明下手でして、すいません。

「酒(さけ)」という単語が、狭義で「日本酒」(例えばビール含まない)をさす場合と
広義で「アルコール(飲料)全般」(ビールも含む)をさす場合があるのと同じで、

「麻薬」も狭義の「モルヒネ、ヘロインの類」(覚せい剤を含まない)という定義と
広義の「大雑把に依存性がある薬物全部」(覚せい剤を含む)の定義があって、
「麻薬や覚醒剤」と並べて書く前者の定義での使用は結構多い
(…ような気がする)という事が言いたかったのです。

ためしに"麻薬や覚醒剤"でweb検索してみますと、行政から出る文章とかでは、
「麻薬や覚醒剤等」と「等」がつくのがお約束みたいでした。

2008/10/28  6:08


 芥子から取れるアヘンには10%ほどのモルヒネが含まれており、そのモルヒネからヘロインが作られます。だから、アヘンとヘロインは同じ扱いでいいと思うのですが、法的な解釈に関してはよく分かりません。

2008/10/27  23:23

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

うーん、その「法律的な定義」でいくと、麻薬というものに、あへん
も大麻も含まれないということになってしまわないでしょうか。前者
には「あへん法」があり、後者には「大麻取締法」があって、さらに
ご紹介いただいた
http://www.houko.com/00/01/S28/014.HTM#h01
の中にも、「麻薬、大麻又はあへん」「麻薬、あへん若しくはけしが
ら」といった表現が見られます。文句なく麻薬といえる有名どころは
モルヒネかコカインくらいになってしまいそうな……。

以上↑私が資料を全然読み違えていたというオチだったらすみません
(_ _);。一応頑張ったのですが、そこに書いてあるようなことの理解は
難しいです……。

2008/10/27  0:03

投稿者:?

>「麻薬や覚醒剤」 (覚醒剤も立派な麻薬だから変な表現だが)
微妙なところですが、「麻薬」 は定義にブレがあって、「覚醒剤」は、「麻薬」 に含まれたり含まれなかったりしまうから。

例えば、日本の法律的な定義だと
「麻薬及び向精神薬取締法」→麻薬の定義↓
http://www.houko.com/00/01/S28/014.HTM#h01
「覚せい剤取締法」→覚醒剤の定義↓
http://www.houko.com/00/01/S26/252.HTM#s1
となってたりします。

2008/10/26  21:45

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

何だか、「エロス タナトス 中島梓」と唐突に頭に浮かんで、なかなか
消えてくれなくなったり。そっち方面からだと、「化学反応に基づく
効果」とは確かに相性がよくなさそうですね。いや、愛も信仰も全部
化学反応のなせる業とぶったぎりつつポエムをかますことも可能じゃ
ないかとは思っていますが、唐沢俊一はそういう路線の人じゃないで
すしね。

2008/10/26  21:07

投稿者:個人投資家

フロイトが唱えた、快楽本能と死の本能を中途半端濁っちゃ混ぜにしたんでしょう。

しかしビタミン剤も麻薬や覚醒剤も精神的な理由ではなく、化学反応に基づく効果を求めているのですから、精神心理学と強引に結びつけることに難があり、そこで論理が破綻したのでしょう。

   
 
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