トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/10/25  19:07

チンなら他にもいろいろ――賃陳朕枕狆沈椿亭塵闖鴆疹砧丁  その他の雑学本 間違い探し編

『お父さんたちの好色広告』 P.161
「珍」という字は不幸な字であります。漢和辞典を引くと「たっとい」という
意味があり、かつては高貴な身分の人の名前によく使用された文字で
ありながら、読みが男性のソレと似通っていた、というだけで何となく笑われ、
ツイにはこういう広告の中に最もよく使用される文字にまでなってしまった
わけであります。この章を読者諸氏におかれては、「珍」の字の貴種流離譚
としてお読み下さるように。

2ちゃんねるのスレでも当然のように突っ込みをいれられていたけど (下の方に引用)、
貴種流離譚」という言葉を、まるで「かつては高貴な身分」だった者が落ちぶれて
しまった話という意味であるかのように書く、唐沢俊一のような人も相当珍しいのでは
ないか。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%AE%BC%EF%CE%AE%CE%A5%EB%FD
>貴種流離譚きしゅりゅうりたん(読書)
>民間伝承や文学のプロトタイプのひとつ。「本来高貴な生まれの子女が、事故や陰謀
>により陥った不幸な境遇で育ちながら、旅・冒険・活躍をする」という類型に当てはまる
>物語。


http://ja.wikipedia.org/wiki/貴種流離譚
>折口信夫が一連の「日本文学の発生」をめぐる論考のなかで、日本における物語
>文学(小説)の原型として論じた概念で、その説くところは時期によって細部が異なる
>が、基本的には「幼神の流浪」をその中核に据える。
〈略〉
>それゆえ日本における散文文学・物語類には、祖形として「高貴な生まれの、弱く、
>力ない人間が、遠い地をさすらう苦悩を経験する。(それを護持する有力な随伴者を
>設定する場合もある)」という説話型が組みこまれているとするのが、貴種流離譚に
>ほかならない。


貴種流離譚問題以外にも、「読みが男性のソレと似通っていた、というだけで何となく
笑われ
」って、では「鎮」の字は何で笑われないのか (「『しず』と『チン』と『シーン』が
ごっちゃになっているのでは
」参照?) とか、「ツイにはこういう広告の中に最もよく使用さ
れる文字にまでなってしまった
」って、たとえば「色」などと比べても「珍」の方が多いのか
とか、突っ込みたくなる箇所の多い文章ではある。

で、まあ、貴種流離譚に話を戻すと、「珍」という漢字を、いまだ幼年期 (?) の子女として
擬人化して、苦難の冒険の旅ははじまったばかりという設定は可能かどうかも、一応は
考えてみた。しかし、万葉にもでてくる「珍」を、そのように擬人化するのは、やはり無理
があるのでは。そもそもなんで擬人化しなければいけないんだろうという問題は別として。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=珍&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>うず[うづ] 【▽珍】
>尊く珍しいこと。尊厳。高貴。
> ・ 天皇(すめら)朕(われ)―の御手もち〔出典: 万葉 973〕


http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=珍&dtype=0&stype=1&dname=0ss&pagenum=1&index=112928600000
>ちん1 【珍】
>(名・形動)
> [文]ナリ
> [1] めずらしい・こと(さま)。めずらしいもの。
> ・ ―とするに足る
> ・ 山海の―
> [2] 他と変わっていること。奇妙なこと。また、そのさま。
> ・ 成る程、これは―な獣ですな〔出典: 象(潤一郎)〕
> ・ 一寸―だね〔出典: 平凡(四迷)〕



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1224589375/326
>326 :無名草子さん:2008/10/24(金) 23:33:31
>『お父さんたちの好色広告』P.161

>>「珍」という字は不幸な字であります。漢和辞典を引くと「たっとい」という意味があり、
>>かつては高貴な身分の人の名前によく使用された文字でありながら、読みが男性のソレと
>>似通っていた、というだけで何となく笑われ、ツイにはこういう広告の中に最もよく使用
>>される文字にまでなってしまったわけであります。この章を読者諸氏におかれては、「珍」
>>の字の貴種流離譚としてお読み下さるように。

>「まれびと」でしくじって、また折口信夫ネタ。そもそも、ここで「こういう広告」の
>例に挙げられているのは「大人玩具と珍品掘出し市」というもので、「読みが男性の
>ソレ云々」とは全く関係ない。「貴種流離譚」とは基本的には「幼神の流浪」のことで
>高貴な身分の人間が落ちぶれることではない。唐沢、折口信夫は無理だよ、きみには。





   
 
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