トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/10/25  13:31

オランダ人以外の地球人も竹夫人を愛用  その他の雑学本 間違い探し編

『お父さんたちの好色広告』 P.43
雑学を言えば、ダッチワイフを日本語に訳せば「竹夫人」。
中国で使用されていた抱き枕でありますが、日本では
早くから擬似セックス用に改良(?)され、輸出まで
されていたとか。
2ちゃんねるのスレでの指摘書き込みにあるように (Read More 参照)、「日本語に訳せ
ば『竹夫人』
」というのは、少し首をひねるものがある。Dutch wife をわざわざ「竹夫人
と訳しても、意味の通じにくい文章ができあがるだけと思うのだが。

ちなみに、国語辞書の「ダッチワイフ」には「『竹夫人(ちくふじん)』に同じ」とあり [1]、
「竹夫人」の方を引いてみると、「竹のかご」「抱きかご」の意味とは書いてあっても、
性的な目的で使用するための、女性の形を模した人形」の方は書いていない [2]。

性的な道具としての「ダッチワイフ」の語源を、「竹夫人」からきたものとする説はある
[3][4]。しかし、それは、「日本では早くから擬似セックス用に改良(?)され、輸出まで
されていた
」といわれているからではない。

インドシナで使われていた竹製の抱き枕を、インドシナと交流の深かったオランダ人の
船員が使っていたことが、イギリス人のからかいの種となったという話ならばある [3]。

また、東インド会社の頃の植民地争いの確執以降、「オランダ人に対する恨み、嫉妬、
劣等感などから、侮辱の意味を込めて、 イギリス人は“ダッチ”(dutch) という言葉を
使って
」いた [4] ので、「竹夫人」の存在がなくても、イギリス人が Dutch wife に悪意の
ある意味を付与したとしてもおかしくない。実際、Dutch は英語で「しばしば, 軽蔑的に
用いられる
」し、Dutch cap のペッサリーのように、性的な意味の付与の例もある [5]。

で、まあ、竹夫人を「擬似セックス用に改良」という話は、「修羅雪姫」 (Read More 参照)
にはあるようだ [6][7]。でも、この梶芽衣子主演映画の原作って、小池一雄・上村一夫
コンビによる漫画なんだけど……。


[1] - http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ダッチワイフ&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>ダッチワイフ4 【Dutch wife】
>[1] 「竹夫人(ちくふじん)」に同じ。
>[2] 性的な目的で使用するための、女性の形を模した人形。


[2] - http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=ちくふじん&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>ちくふじん3 【竹夫人】
>夏、寝る時に、抱いたり足をのせたりして涼をとる竹のかご。だきかご。竹奴(ちくど)。
>[季]夏。
>・ 天にあらば比翼の籠や―〔作者: 蕪村〕


[3] - http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2005/07/post_ee75.html
>ちなみに、「ダッチワイフ」って言うのも、もともとは、この「竹夫人」を指す呼び名だっ
>た。14世紀に、中国と交易してたオランダの海運商人たちは、中国からこの「竹夫人」
>を仕入れて、船室のベッドで寝る時に使ってた。そしたら、それを見たイギリスの海運
>商人たちが、「オランダの男たちは、女の代わりに枕を抱いて寝てるのか!」って言っ
>てバカにしたのが始まりで、そこから、「抱く女のいない寂しい男が、女の代わりに抱く
>もの」って言う意味として、「ダッチワイフ」、つまり、「オランダの女房」って言う言葉が
>生まれたのだ。だから、イギリスの海運商人たちは、竹夫人のことを「涼をとるための
>枕」だとは知らずに、「女のいない寂しさをまぎらわすための枕」だとカン違いしてたっ
>てことだ。


[4] - http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/artist/take_tomoko/interview.html
>2つめの説は、オランダ人が出島にいた時期は、当時オランダがインドネシアを植民
>地支配していて、オランダ東インド会社の拠点であったという理由もあり、オランダ、
>インドネシア、日本の3国は関係が深かった。それで当時から日本も暑い国なので、
>“竹夫人”という竹で編んだ抱き枕があり、足の間にはさんで寝ると、汗でべたべた
>せずに涼しく眠れるというものがあったんです。その時期、インドネシアにも“グーリン”
>という布の抱き枕があり、日本の“竹夫人”と同じ目的で使っていました。インドネシア
>の“グーリン”は、現在もみなさん日常的に使っています。日本にもありますよね、布で
>できた抱き枕が。面白いことに、この“グーリン”、当時から現在まで、通称“ダッチワイ
>フ”と呼ばれています。 もう1つの説は、東インド会社を通じて、イギリスとオランダの
>あいだで、植民地をめぐる争いがあり、東南アジア、東アジアにおいては、結局イギリ
>スが撤退することになり、オランダ人に対してイギリス人は強い反感を抱くことになった
>んです。オランダ人に対する恨み、嫉妬、劣等感などから、侮辱の意味を込めて、 イ
>ギリス人は“ダッチ”(dutch) という言葉を使っていました。いまだに、イギリス英語で
>は、ダッチ・アカウント(Dutch account)は割り勘、オランダ人がケチだという意味が
>含まれています。ダッチ・カレッジ (Dutch courage) は、から元気、ダブル・ダッチ
>(double dutch)は、ちんぷんかんぷんという意味です。性的な意味合いの言葉では、
>ダッチ・キャップ(Dutch cap)は、ペッサリーという意味で、ダッチワイフという言葉も、
>当時、イギリス人がそういう風に付けて今も残っているそうです。


[5] - http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=Dutch&dtype=1&stype=1&dname=1ss
>[1]オランダの; オランダ人[語]の; オランダ風の; オランダ産[製]の; (→Holland, the
>Netherlands ;
>[注意]オランダはかつてイギリスの政治上, 経済上の敵であったことから, この語は
>しばしば, 軽蔑的に用いられる).


[6] - http://mobile.seisyun.net/cgi/read.cgi/gimpo/gimpo_rmovie_1075458576
>4 名前:この子の名無しのお祝いに [04/01/30 23:07 ID:YgSAII4K]
>単独スレにして話題が続くかなぁ
>私はこの映画で、竹夫人を知りました
>ダッチワイフを作る中田喜子 (*´Д`)ハァハァ


[7] - http://www.ceres.dti.ne.jp/%7Ekwgch/kanso_ontv_2005.html
>修羅雪姫 監督:藤田敏八 原作:小池一雄、上村一夫
〈略〉
>雪は3人のうちまず伴蔵(仲谷昇)を探し当てたが、彼は飲んだくれながら売れない
>竹夫人を作っていて、娘の小笛(中田喜子)は父に黙って借金のかたに体を売って
>お金を稼いでいた。


その他参考 URL:
- http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Eelnino/Folder_Chat/Folder_Jokes/Chat_theDutch.htm
- http://tondemonai2.web.fc2.com/81.html






http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1224589375/283-

283 :無名草子さん:2008/10/24(金) 08:34:28
『お父さんたちの好色広告』P.45

>雑学を言えば、ダッチワイフを日本語に訳せば「竹夫人」。
>中国で使用されていた抱き枕でありますが、日本では
>早くから擬似セックス用に改良(?)され、輸出まで
>されていたとか。

「竹夫人」は唐沢書いているように竹製の抱き枕。
http://www.e-takei.co.jp/index_com.jsp?itemClass=186323
これをどう改良すれば擬似セックス用の性具になるのだろうか。
「早くから」というのがいつの時代かも不明。竹製の性具を
わが国が輸出していた(どこに?)なんて話も寡聞にして知らない。
オランダ人は抱き枕とやってるんだぜ、という英国人の下品なジョークから
ダッチワイフという名称は生まれたと言われているが、「竹夫人」は
「抱き枕」のことであり、ダッチワイフの日本語訳ではない。

286 :無名草子さん:2008/10/24(金) 08:58:38
>>283
いや、竹夫人はダッチワイフ的な使われ方もしてたらしいよ。
ソースは「修羅雪姫」だけどw

288 :無名草子さん:2008/10/24(金) 09:12:00
http://tondemonai2.web.fc2.com/81.html
からリンクしている
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/artist/take_tomoko/interview.html
によると、
>2つめの説は、オランダ人が出島にいた時期は、当時オランダがインドネシアを植民地
>支配していて、オランダ東インド会社の拠点であったという理由もあり、オランダ、
>インドネシア、日本の3国は関係が深かった。それで当時から日本も暑い国なので、
>“竹夫人”という竹で編んだ抱き枕があり、足の間にはさんで寝ると、汗でべたべたせずに
>涼しく眠れるというものがあったんです。その時期、インドネシアにも“グーリン”という
>布の抱き枕があり、日本の“竹夫人”と同じ目的で使っていました。インドネシアの
>“グーリン”は、現在もみなさん日常的に使っています。日本にもありますよね、布でできた
>抱き枕が。面白いことに、この“グーリン”、当時から現在まで、通称“ダッチワイフ”と
>呼ばれています。




   
 
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