トンデモない一行知識の世界 OLD　- 唐沢俊一の「雑学」とは -

「唐沢俊一のトンデモクロペディア」 フィギュア王連載 : 第 38 回

映画『シンドラーのリスト』でオスカー候補となった英国人俳優レイフ・ファイ
ンズ（43）は、 長年18歳年上の女優フランセスカ・アニス（デビッド・リンチの
『砂の惑星』で妾妃ジェシカを演じていた女優）と長年不倫交際しており、
先般破局したのだが、これはファインズが若いルーマニア人の歌手と浮気
したのに腹を立てたアニスが、別れないでくれと懇願するファインズを足蹴
にして三行半をたたきつけられたものであるらしい。

×レイフ・ファインズ（43）　○レイフ・ファインズ（45）
×長年不倫交際しており　○長年交際しており
×三行半をたたきつけられた　○三行半をたたきつけた

唐沢俊一 まとめwiki - 間違いその６に書かれていたネタ (Read More 参照)。

レイフ・ファインズは 1962 年生まれ。「レイフ・ファインズ（43）」というのは、フランセスカ・
アニスとの関係が破局した2006 年時点での年齢である。上で引用した唐沢俊一の文章
が掲載された『フィギュア王』は、2008 年 6 月 24 日発売のものなので、レイフの年齢は
45 とするのが正しい。

また、1995 年から 2006 年までのフランセスカ・アニスとの交際期間のうち、不倫だった
のはアレックス・キングストンと離婚する 1997 年までの 2 年間のみなので、「長年不倫
交際」というのはおかしい。

そして、「別れないでくれと懇願するファインズ」と唐沢俊一本人も書いているが、三行半
をたたきつけたのはアニスの方なので、「アニスが 〈略〉 三行半をたたきつけられた」と
しているのも変。

http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2024209/310003
＞レイフ・ファインズ、11年の交際に終止符 F・アニスと破局 - イギリス
＞2006年02月10日 13:44
＞女優フランチェスカ・アニス（Francesca Annis）の弁護士によると、11年間にわたり
＞交際してきた英俳優レイフ・ファインズ（Ralph Fiennes）とアニスが別れることになった。
＞最近、43歳のレイフと若い女性歌手との浮気を英国の多くの新聞が報じたことところ
＞だった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/レイフ・ファインズ
＞レイフ・ファインズ（Ralph Fiennes、1962年12月22日-）は、サフォーク・イプスウィッチ
＞出身のイギリスの俳優である。
〈略〉
＞1995年に『ハムレット』で共演した18歳年上のフランチェスカ・アニスとの交際が明るみ
＞に出ると1997年に離婚。アニスとの交際も2006年2月に終焉した。

同じ号の『フィギュア王』の連載には、以下のような文章もある。

厚生労働省の調査でも、姉さん女房は増えているらしい。人口動態統計に
よると、1970年代には全結婚数の1割に満たなかった年上女性夫婦は、
2004年には婚姻届を出した全体の2割以上、およそ4組に1組という高い
割合にまで増え、しかも年々増加傾向にあるという。

下記に引用する記事と、「およそ４組に１組という高い割合」「年々増加傾向にある」という
表現が完全一致、他の部分の表現も内容も酷似していることから、これがパクリ元の
可能性が非常に高い。

http://news.livedoor.com/article/detail/2378003/
＞【ファンキー通信】年下男が熱い！？　「姉さん女房」急増中のワケ
＞2006年08月28日21時12分
〈略〉
＞厚生労働省「人口動態統計」によると、2004年に婚姻届を出した夫婦で男性よりも「女
＞性が年上」の組み合わせは全体の23.1％。 およそ４組に１組という高い割合であり、
＞年々増加傾向にあるんだとか。1970年の10組に１組という割合をはるかに超え、 まさ
＞に「姉さん女房」時代の到来といえる。

奇妙なのは、レイフ・ファインズとフランセスカ・アニスとの破局の件といい、厚生労働省
の人口動態統計の件といい、まるで 2006 年にアップされたネット上のテキストの内容を
最新情報と勘違いして引き写したかのような内容となってしまっていることだ。2 年も前の
情報なのに。

追記: コメント欄の指摘を受けて、「第 38 回」に訂正。



http://www13.atwiki.jp/tondemo/pages/70.html

パクるならもっと丁寧に
「唐沢俊一のトンデモクロペディア」第38回

『フィギュア王』NO.125（2008年6月24日発売）より。

映画『シンドラーのリスト』でオスカー候補となった英国人俳優レイフ・ファインズ（43）は、 長年18歳年上の女優フランセスカ・アニス（デビッド・リンチの『砂の惑星』で妾妃ジェシカを演じていた女優）と長年不倫交際しており、 先般破局したのだが、これはファインズが若いルーマニア人の歌手と浮気したのに腹を立てたアニスが、 別れないでくれと懇願するファインズを足蹴にして三行半をたたきつけられたものであるらしい。

　レイフ・ファインズの生年月日は、 1962年12月22日 。つまり、唐沢がこのコラムを
執筆した当時の年齢は 45歳 である。このミスが起こった理由は、ファインズとアニスの
破局が報じられたのは、 2006年2月 なので、 破局した当時の年齢をそのまま直さずに
書いてしまったものだと思われる。 もしかすると、単純に下の記事からパクっただけかも
知れないが、いずれにしろ、ズサンな仕事である（なお、下の記事の誤字は原文通り）。

最近、43歳のレイフと若い女性歌手との浮気を英国の多くの新聞が報じたことところだった。

AFPBBNews

　ちなみに、ファインズとアニスは二人とも交際を開始してすぐにお互いの配偶者と別れ
ているので、二人の交際は不倫ではない。それから、「三行半をたたきつけられた」という
部分は、「アニスが」が主語なんだから、「三行半をたたきつけた」が正しい。
ついでにズサンな仕事をもうひとつ指摘。

厚生労働省の調査でも、姉さん女房は増えているらしい。人口動態統計によると、1970年代には全結婚数の1割に満たなかった年上女性夫婦は、2004年には婚姻届を出した全体の2割以上、およそ4組に1組という高い割合にまで増え、しかも年々増加傾向にあるという。

上の文章は下の記事からのパクリである。

厚生労働省「人口動態統計」によると、2004年に婚姻届を出した夫婦で男性よりも「女性が年上」の組み合わせは全体の23.1％。 およそ４組に１組という高い割合であり、年々増加傾向にあるんだとか。1970年の10組に１組という割合をはるかに超え、 まさに「姉さん女房」時代の到来といえる。

livedoorニュース　ファンキー通信

同じような表現が多々見受けられ、内容も同じである。 「ファンキー通信」は 2006年8月
28日 に配信されたものだから、唐沢の方がパクったのは明らか。最新のコラムでもこの
有様なのだから、唐沢の剽窃癖はもはや治らないものと考えたほうがいいだろう 。