トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/6/15  0:08

「最近の研究」では、「妻子ある女性」がいた  その他の雑学本 間違い探し編

『月刊ほんとうに怖い童話』 2008 年 7 月号
コラム 『唐沢俊一が選ぶアブナイ奇書』 の芥川龍之介『或旧友へ送る手記』の紹介。
最近の研究では、芥川の自殺は、妻子ある女性との不倫、その不倫相手
が自分へのストーカーと化したことへの恐怖 (当時、不倫は刑事罰の対象
で、訴えられれば逮捕される可能性があった。北原白秋が姦通罪で逮捕
されたことにも大きなショックを受けていたという)が原因と考えられている。

×妻子ある女性 ○夫も子どももいる女性

妻子ある女性」については、「唐沢俊一 まとめ wiki - 間違い5」でも、2ちゃんねる
のスレ (Read More 参照) でも、散々ツッコミを入れられているわけだが。当然ながら、
芥川の時代の婚姻制度は女性が妻をもつことを認めていないし、ここでいう芥川の
不倫相手の「秀しげ子」には、夫と子どもはいたが妻はいなかった。

http://2st.jp/radb/jinbuturoku/ha.html
>秀しげ子(ひで・しげこ)……1890~未詳
>歌人。号は鞆音(ともね)。〈略〉 電気技師と結婚、一児があった。〈略〉
>芥川としげ子の出会いは、大正8年6月10日岩野泡鳴を中心とする「十日会」の例会
>上であった。この出会いには広津和郎が、芥川に紹介してくれと頼まれていたという。
>〈略〉二人の関係はすぐに文壇の中で周知の事実となっていく。「我鬼窟目録」を見る
>と大正8年6月から9月にかけて二度密会をしたと思われる。しげ子が大正10年に
>生んだ男児が、芥川に似ていると噂され芥川は神経を苛まれた。
>大正10年に中国旅行に行った芥川は、やっとしげ子から逃れたが、帰国後も関係は
>続き執着心の強いしげ子に、芥川は大変悩まされた。芥川の自殺の一原因として
>しげ子のことが数えられている。〈略〉
>「秋」(大9)は、しげ子が素材を提供したといわれる。またしげ子を描いた作品として
>は「歯車」〈復讐の神〉「或阿呆の一生」〈狂人の娘〉などがある。


不倫相手が自分へのストーカーと化したことへの恐怖」は、上で引用した資料からも
うかがえるし、「北原白秋が姦通罪で逮捕されたことも大きなショックを受けていた」と
いうのは、川西政明『文士と姦通』にも記述があるようだ。

http://homepage2.nifty.com/helpless/diary/diary0308.html
> 『文士と姦通』川西政明(集英社新書)を読み終えた。
>・芥川龍之介…ひそかに不倫をしていた龍之介は、北原白秋の投獄の報を聞き、
> 自分なら、とても耐えられずに発狂してしまうだろうと考える。自らの発狂を死ぬ
> ほど恐れた龍之介は、ついに自殺をとげる。


個人的には、不倫相手からの脅迫と逮捕の可能性を自殺の (一因ではなく) 主原因と
していることと、北原白秋の例を恐れていたことへの言及のしかたから、下記の文章
あたりが有力なネタ元ではないかと思うが、内容は似ているものの文章は似ていない。

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/9128495.html
>人間って~のは、意外にとんでもないことが、自殺の原因になっているもので、きっと
>ご存知でしょうが、芥川の不倫相手に脅迫されて、豚箱入りになるのが恐ろしくて
>自殺した、というのが真相だと小生も考えています。
>北原白秋の例を恐れて、何度も?白秋に質問していたようですからね。


その他参考 URL:
- http://www.ne.jp/asahi/kaze/kaze/akutagawa.html
- http://shinshomap.info/theme/amorous_liaison_g.html
- http://m-kanpo.ftw.jp/u37512.html#726



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1212823815/184-

184 :無名草子さん:2008/06/11(水) 13:14:28
『月刊 ほんとうに怖い童話』7月号、俺も買ってきた。
雑誌なら唐沢に貢ぐことにはならんだろうと。
いやあ、驚いた。

>最近の研究では、芥川の自殺は、妻子ある女性との不倫、
>その不倫相手が自分へのストーカーと化したことへの恐怖(略)

妻子ある女性!!
へえぇ・・・当時の婚姻制度は進んでたんだw
「最近の研究では」そんなことが判明したんだw

190 :無名草子さん:2008/06/11(水) 14:15:27
>>184

>ぶんか社から原稿依頼。安仕事だが、こういうのを断らないのが
>現役ライターを続ける条件でもある。ま、楽に書ける内容ではあるし、
>一回人を誘って食事にいく小遣い稼ぎくらいにはなる。

そう嘯いて書いた文章が

>最近の研究では、芥川の自殺は、妻子ある女性との不倫、

まあ、発注する方もなんにも期待してないんだろうが。

191 :無名草子さん:2008/06/11(水) 14:16:15
>芥川の自殺は、妻子ある女性との不倫

そんな複雑な恋愛をしていたら自殺したくなるってのも頷ける。

芥川は自殺願望が前々からあって
何度も予行練習していたんじゃなかったっけ?

325 :無名草子さん:2008/06/14(土) 19:24:56
http://www13.atwiki.jp/tondemo/pages/69.html
>『月刊ほんとうに怖い童話』2008年7月号に掲載されている、 『唐沢俊一が選ぶアブナイ奇書』
> というコラムより、芥川龍之介『或旧友へ送る手記』について書かれた部分。

>>最近の研究では、芥川の自殺は、妻子ある女性との不倫、その不倫相手が自分へのストーカー
>>と化したことへの恐怖
>>(当時、不倫は刑事罰の対象で、訴えられれば逮捕される可能性があった。
>>北原白秋が姦通罪で逮捕されたことにも大きなショックを受けていたという)
>>が原因と考えられている。

>妻子ある女性 って。「子」はどこから来たんだ。「既婚の女性」だよね、普通は。

不倫相手に子どもはいたのかと調べているところだけど、まだよくわかんない。
この唐沢俊一の文章は、『文士と姦通』(川西政明著、集英社新書) があたりがネタ元かと
いう気もするし、薬局つながりで、こちらのサイトからかという気も。
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/9128495.html
http://m-kanpo.ftw.jp/u37512.html#726

もちろん、「妻子ある女性との不倫」とは、ここにもどこにも書かれていない。

>>この、あまりに哲学的な死への願望は、文学青年たちの間に一種の自殺ブームを起こした。

何だか、不倫相手の脅迫にビビった自殺のことを、 「あまりに哲学的な死への願望」といっている
かのようにも読めるw。

>芥川の影響で「自殺ブーム」なんか起きていない。藤村操や太宰治の自殺に比べれば影響力は小さかったと言える。

327 :無名草子さん:2008/06/14(土) 20:39:27
>>325
> 不倫相手に子どもはいたのかと調べているところだけど、まだよくわかんない。

その前に、「妻子ある女性との不倫」などといったら、不倫相手が同性婚をしていたことになるw

328 :無名草子さん:2008/06/14(土) 20:48:29
>>325
これは?

「新書マップ 読書ガイド 不倫」
http://shinshomap.info/theme/amorous_liaison_g.html
>『文士と姦通』(川西政明著、集英社新書)は、文芸編集者から文芸評論家となった著者による、
>文豪たちの命懸けの姦通を記録した好著である。(略)
>姦通事件で投獄され相手の人妻と結婚した挙句、密通に走った妻と離縁した北原白秋、
>北原の投獄に衝撃を受け、密通の相手から逃避し、ついには自殺した芥川龍之介、(略)

329 :328:2008/06/14(土) 21:13:33
“秀しげ子”という女性らしい。

「芥川龍之介の青春」
http://www.ne.jp/asahi/kaze/kaze/akutagawa.html

>関係者の語るところによれば、「狂人の娘」は秀しげ子という歌人で、龍之介は文子と結婚した
>翌年の大正8年に、「十日会」という作家の集まりで顔を合わせている。秀しげ子は、高利貸しの
>父と芸者上がりの母の間に生まれ、劇場の電気技師をしている男の妻だったという。歌人という
>看板を掛けているが、実態は作家のあとを追い回すグルーピーだったようである。

>龍之介は、最初、愁いを帯びた彼女に惹かれ、秀しげ子を「愁人」と呼んでいる。これと同じ頃に、
>龍之介は「月光の女」とも交渉を開始している。「月光の女」は、何時会っても月の光の下にある
>ような感じを与えたというから、彼女も竜之介好みの憂いを帯びた静かな女だったのである。

>龍之介は秀しげ子と知り合った翌年に、たった一度だけ性交渉を持った。その前後に、龍之介は
>恒藤恭にあてて、こんな手紙を書いている。


>相不変女にも好く惚れる。惚れていないと寂しいのだね。惚れながらつくづく考えることは、惚れる
>本能が煩悩即菩提だという事・・・

>ところが、愁いを帯びた高雅な歌人だと思っていた秀しげ子は、とんでもない女だった。龍之介は
>間もなく、彼女が弟子格にあたる南部修太郎や、友人の宇野浩二とも関係していることを知るように
>なる。この厚顔な女が、龍之介との一度だけの関係で妊娠したと主張しはじめるのである。

>龍之介が一番恐れていたのは、秀しげ子の夫から姦通罪で告訴されはすまいかということだった。
>名の売れた作家や詩人に近づいてくる人妻は多く、そのため彼女らと深い関係になって、窮地に追い
>込まれる文学者は後を絶たなかった。北原白秋は姦通罪で告訴されて入獄しているし、当時、龍之介と
>人気を二分していた有島武郎は、女性の夫から脅迫されて軽井沢の別荘で女と心中している。

>秀しげ子で懲りたのか、龍之介は女性からの誘惑には簡単に乗らないようになった。

330 :328:2008/06/14(土) 21:22:22
子供はいたようだ。

http://2st.jp/radb/jinbuturoku/ha.html

>秀しげ子(ひで・しげこ)……1890~未詳

>歌人。号は鞆音(ともね)。長野県生まれ。旧姓小滝しげ子。
>日本女子大学校家政学部卒。電気技師と結婚、一児があった。
>学生時代から歌を作り、太田瑞穂を師と仰いでいた。

 (略)

>「秋」(大9)は、しげ子が素材を提供したといわれる。
>またしげ子を描いた作品としては「歯車」〈復讐の神〉
>「或阿呆の一生」〈狂人の娘〉などがある。

331 :無名草子さん:2008/06/14(土) 22:47:28
>>328
そちらとかこれ↓が有力かなとも思ったけど、

http://homepage2.nifty.com/helpless/diary/diary0308.html
> 『文士と姦通』川西政明(集英社新書)を読み終えた。
>・芥川龍之介…ひそかに不倫をしていた龍之介は、北原白秋の投獄の報を聞き、
>自分なら、とても耐えられずに発狂してしまうだろうと考える。自らの発狂を
>死ぬほど恐れた龍之介は、ついに自殺をとげる。

唐沢の文章にある「その不倫相手が自分へのストーカーと化したことへの恐怖」は、
これ↓の脅迫うんぬんと合いそうな気がしたんで。

http://m-kanpo.ftw.jp/u37512.html#726
> 龍之介が書いた小説『袈裟と盛遠』(けさともりとお)に出てくる今様(いまよう)である。
> 意味が理解できる人には、いかに絶望的な内容か、晩年の龍之介の姿を暗示するかの
>ようである。
>  人生は些事(さじ)からなる。
>  結局は、女性問題なのだ。
>  色男はつらいとは、コシャクナ。
> あれだけの秀才も、女性関係のもつれ、彼女から脅迫めいた言葉に、結局は絶望して
>自殺した。 現実は、それほどのものなのだ。
> 北原白秋が不倫問題で収監されたことに、ひどいショックを受け、異常に恐れた龍之介
>である。

ちなみに、この薬局の人は、蔵書6万冊だそうだ。


332 :無名草子さん:2008/06/14(土) 22:53:12
金さえあれば本は集められるので、蔵書が何万冊あってもおかしくはない。
唐沢がバカなのは、蔵書数を誇るべきところで読破数って言っちゃったことだね。
単純計算で1日何冊読んだことになるんだよ、ありえないだろ?
と突っ込まれてまた余計な恥をさらすことになった。



   
 
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