トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/7/23  2:37

古本マニアはススけた本、陰気な店が好きだと主張したい?  その他の雑学本 間違い探し編

『近くへ行きたい』 P.58
古書店には“クロっぽい”店と“シロっぽい”店の二つがあると知ったのも、
通い始めてからしばらくしてから、である。“クロっぽい”とは、“玄人っぽい”
の略で、本当の古書マニアが足を運ぶ店、という意味であるが、また、文字
どおり、棚の本が背がススけていて黒っぽく、店がなんとなく陰気、という
ような意味あいもある。

検索してみたら、「クロっぽい」「シロっぽい」などと表記しているところはほとんどなく、
黒っぽい」「白っぽい」と書いてあるのが普通だった。当然ながら、「“クロっぽい”とは、
“玄人っぽい”の略
」と定義しているところは皆無――古書マニア向けで「“玄人っぽい”
という意味もあるかもしれないが、唐沢俊一のいうように「“玄人っぽい”の略」だったなら、
黒っぽい」との表記が優勢にはなっていなかっただろう。

そして、古本業界用語の「黒っぽい」「白っぽい」は、店というより本を形容することが多く、
人や店によって定義は様々のようだ。

だいたいは刊行後に経た年数の長い本をさすようだが、絶版であることや入手困難さを
定義に付け加える人もいれば [1][2]、学術書等、内容の固さを重視する人もいる [3]。
「黒」からの連想では、「本の!腹!が黒く変色しているような」 [3] という人、「日焼け
した古い本
」 [5] とする人、「改行が少なくページが活字で埋まっている」 [6] とする人。

いろいろだとはいっても、唐沢俊一と似た定義をしているところは見つからなかったが。
背がススけていて黒っぽく」では単に汚れている本を並べているだけみたいだし、さらに
陰気」だと追い打ちをかける……。マイナスのイメージばかりを強調した語りというのは、
悪い意味で珍しいし、これでは「本当の古書マニアが足を運ぶ」理由もわからない。

[1] - http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/1959/GS/modernologio.htm
>「黒っぽい」とは古本屋の業界用語である。刊行後、年數を經た書物、殊に絶版本を
>指す。逆に白っぽいといへば、新刊書店でもまだ入手できるやうな珍しくもない本だ。


[2] - http://www33.ocn.ne.jp/%7Eseibundo/glossary/ku.html
>黒っぽい(くろっぽい)絶版になってから歳月が経ち、入手するのがむずかしい本を
>(黒っぽい)という。古書店の棚揃えが、明治・大正・昭和戦前のもの中心になっている
>こと。戦後の出版物中心の店は白っぽい店、という。


[3] - http://kuroneko8.blog78.fc2.com/blog-entry-132.html
>黒っぽい(ほねっぽい、かたい)ーーー主に古本の評価です。内容があり、定価や古さ
>に関係なくずばり敷居の高そうな古書店に収まりそうな本ーーー学術書や、趣味、
>歴史、芸術、など、本の!腹!が黒く変色しているような、せどり的にいえば、おおきく
>化けそうな本の山です。。。


[4] - http://www.janasen.net/ikeda/ikeda_06.html
> 古本業界では刊行後経年数がながい古本を「黒っぽい本」とよんでおります。逆の
>経年数の少ない古本を「白っぽい本」と称しているわけですが


[5] - http://manewyemon.exblog.jp/5122040/
> 古書関係者の使う「黒っぽい」「白っぽい」という言葉があります。前者は日焼けした
>古い本、後者は比較的新しい本のことなのですが、


[6] - http://www.bk1.jp/review/0000300044
>古本業界では思想書など、改行が少なくページが活字で埋まっているような本を
>「黒っぽい」というらしいが、




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1215619596/712-

712 :無名草子さん:2008/07/21(月) 08:03:35
『近くへ行きたい』 P58

わが青春の神保町
>古書店には“クロっぽい”店と“シロっぽい”店の二つがあると知ったのも、通い始めてからしばらくしてから、である。
>“クロっぽい”とは、“玄人っぽい”の略で、本当の古書マニアが足を運ぶ店、という意味であるが、また、文字どおり、
>棚の本が背がススけていて黒っぽく、店がなんとなく陰気、というような意味あいもある。

唐沢は大学に入学してから現在(当時=44歳)まで、何百回と神保町に足を運んだと書いている。週に一度足を運べば、年に50回。
25年としたら1250回になるはずだから、それほど頻繁に行っていたわけではないようだ。
「黒っぽい」
絶版になってから歳月が経ち、入手するのがむずかしい本を(黒っぽい)という。
古書店の棚揃えが、明治・大正・昭和戦前のもの中心になっていること。
戦後の出版物中心の店は白っぽい店、という。(古本用語集 -- 正文堂)

明治から戦前の本なら、装丁も地味。専門書ならば特にそうだろう。
>棚の本が背がススけていて黒っぽく、店がなんとなく陰気、というような意味あいもある。
それは唐沢の感想であり、そんな意味あいはない。

953 :無名草子さん:2008/07/23(水) 00:13:01
>>712
黒っぽい/白っぽいは、諸説あるようで、どれが本当かはよくわからなかった。
どれが間違っているというのでもなく、人それぞれなところもあるのかなとも思った。
まあ、唐沢定義のは見あたらなかったけど。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/1959/GS/modernologio.htm
>「黒っぽい」とは古本屋の業界用語である。刊行後、年數を經た書物、殊に絶版本を
>指す。逆に白っぽいといへば、新刊書店でもまだ入手できるやうな珍しくもない本だ。

http://www33.ocn.ne.jp/%7Eseibundo/glossary/ku.html
>黒っぽい(くろっぽい)絶版になってから歳月が経ち、入手するのがむずかしい本を
>(黒っぽい)という。古書店の棚揃えが、明治・大正・昭和戦前のもの中心になっている
>こと。戦後の出版物中心の店は白っぽい店、という。

http://kuroneko8.blog78.fc2.com/blog-entry-132.html
>黒っぽい(ほねっぽい、かたい)ーーー主に古本の評価です。内容があり、定価や古さ
>に関係なくずばり敷居の高そうな古書店に収まりそうな本ーーー学術書や、趣味、
>歴史、芸術、など、本の!腹!が黒く変色しているような、せどり的にいえば、おおきく
>化けそうな本の山です。。。

http://www.janasen.net/ikeda/ikeda_06.html
> 古本業界では刊行後経年数がながい古本を「黒っぽい本」とよんでおります。逆の
>経年数の少ない古本を「白っぽい本」と称しているわけですが、

http://manewyemon.exblog.jp/5122040/
> 古書関係者の使う「黒っぽい」「白っぽい」という言葉があります。前者は日焼けした
>古い本、後者は比較的新しい本のことなのですが、

http://www.bk1.jp/review/0000300044
>古本業界では思想書など、改行が少なくページが活字で埋まっているような本を
>「黒っぽい」というらしいが、



2008/7/24  2:23

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

「黒っぽい店」という言い方をしているのは他に、
http://www.mc-books.org/biblio_matrix/lexicon.html
http://www5a.biglobe.ne.jp/%7Esinden/review/2003_09.htm
などいくつかあるのですが、大抵は、まず「黒っぽい本」のことを
いって、その後に「黒っぽい店」についてもふれるという順番のよう
であり、やはり「黒っぽい」「白っぽい」は主に本についていうもの
と思ってよろしいのではないかと。あくまで「黒っぽい本」というの
が先にあって、それが多く置かれているのが「黒っぽい店」と。

私自身は「黒っぽい」という言い回し自体を知らなかったのですが、
説明抜きで使用している人も多いですね。<黒っぽい本
本文にも書いたように定義が人それぞれの部分が大きいので、たとえ
ば戦前に出版された漫画本なんかは、黒っぽいのかそうでないのか、
場合によっては議論の種となるかも?

http://www.weblio.jp/content/%e5%8f%a4%e6%9b%b8%e5%ba%
97
>「古書店」「古本屋」の区別は流動的で厳密な定義は不可能である
>が、本の中で、骨董的価値、歴史的希少性があるものを「古書」、
>新品に比べ格安ものを「古本」と呼ぶ傾向にある。また、古本用語
>では数十年以上の時を経た古い本や専門書を「黒っぽい本」、最近
>出た小説や漫画などは「白っぽい本」と呼び、これらを取り扱う古
>本屋・古書店はいずれかの方向に偏ることが多い。

2008/7/23  6:54

投稿者:藤岡真

最初に唐沢の文章を読んでちょっと引っかかったのは、「クロっぽい店」という表記です。検証された資料を拝見する限り間違いではないようですが、わたしなんかは長年「黒っぽい本」という言い方をしていましたから。「あの店は小さいけど、結構、黒っぽい本も置いている」とか。

   
 
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