トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/7/21  16:03

父が銃殺されたこと以外はあたっていないぞのビリーパック  その他の雑学本 間違い探し編

『とても変な漫画』 P.180
イガグリくんはともかくビリー・パックは、戦後の貸本、赤本の持っていた負、
というか陰の部分を残したまま少年マンガ界になぐり込んできたという、実は、
すごい存在だった。なにしろ主人公が戦犯の子なのだ。戦犯としてアメリカ軍
に父を銃殺されている主人公。そういう負の過去を背負って、悪を退治する
という怨念の世界は、手塚治虫に描きえないものだった。

×主人公が戦犯の子なのだ。戦犯としてアメリカ軍に父を銃殺されている主人公。 
○スパイ容疑をかけられた父は銃殺、父の逮捕のとき憲兵に母を殺されている主人公。

マンガといえば、『漫棚通信』」とは、2ちゃんねるのスレの最初の指摘書き込み (Read
More
参照) にもあるけど。

http://www.geocities.jp/mandanatsusin/nihon008fr.htm
> 「ビリーパック」は1954年から「少年画報」に連載。1950年代後半の「少年画報」黄金
>時代をきずいたマンガの一つです。ビリーは戦前の日本でアメリカ人の父ウイリアム・
>パックと日本人の母の間に生まれた青い眼の混血児。父はスパイの疑いをかけられ
>銃殺。母は父の逮捕の時ピストルを持った幼児のビリーをかばって憲兵に殺される。
>(なんでピストルが家にあったんでしょ。おもちゃ?)戦後ビリーはアメリカへ行き、アメリ
>カで少年探偵として有名になる。そして日本に帰っての最初の事件が第3シリーズです。


そもそも第二次世界大戦の戦犯って、「アメリカ軍に」「銃殺」されるものかという問題も。
『私は貝になりたい』あたりでは、絞首刑になっていたような気がするし、日本の死刑は
絞首により行われると定められている」し。ざっとググった限りでも、戦犯の処刑は絞首
によるものだった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/日本における死刑
>なお、死刑を執行するための装置の概要は、絞罪器械図式(明治6年太政官布告第65
>号)に定められている。〈略〉床板が開き死刑確定者は地下へ落下する。
〈略〉
>死刑は絞首により行われると定められているが、実際は縊首(いしゅ)である。

それをおいとくとしても、唐沢俊一の説明だと、父が戦犯なら父は日本人で、ではビリー・
パックという名前は母がアメリカ人だからかなどと、「負、というか陰の部分」に思いをはせる
以前、謎だらけの状態のままに読者を置いてきぼりにするものである。

さらに、結構ひどいのが、「負の過去を背負って、悪を退治するという怨念の世界は、手塚
治虫に描きえないものだった
」の部分。どろろや百鬼丸などについては無視である。

その他参考 URL:
- http://www.h2.dion.ne.jp/%7Eranpo/page009.html
- http://www.mandarake.co.jp/information/2005/11/19/osk03/index.html




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1215619596/693-

693 :無名草子さん:2008/07/20(日) 21:50:59
『とても変な漫画』 P180

>イガグリくんはともかくビリー・パックは、戦後の貸本、赤本の持っていた負、
>というか陰の部分を残したまま少年マンガ界になぐり込んできたという、実は、
>すごい存在だった。なにしろ主人公が戦犯の子なのだ。戦犯としてアメリカ軍に
>父を銃殺されている主人公。そういう負の過去を背負って、悪を退治するという
>怨念の世界は、手塚治虫に描きえないものだった。

よくもまあ、というくらいの大嘘。主人公のビリーパックという名前がどんな意味を持つのかを
考えれば、こんな嘘、書けないはずだ。「マンガ」をテーマとした書籍でこれなのだから。
マンガといえば、「漫棚通信」。ビリーパックを検索すれば―

http://www.geocities.jp/mandanatsusin/nihon008fr.htm

>ビリーは戦前の日本でアメリカ人の父ウイリアム・パックと日本人の母の間に生まれた青い眼の混血児。
>父はスパイの疑いをかけられ銃殺。母は父の逮捕の時ピストルを持った幼児のビリーをかばって憲兵に殺される。

なにが戦犯の子だ。なにがアメリカ軍に銃殺されただ。マンガに関しても向後は語らぬほうがいい。

703 :無名草子さん:2008/07/21(月) 00:27:56
>>693
>そういう負の過去を背負って、悪を退治するという
>怨念の世界は、手塚治虫に描きえないものだった。

どろろや百鬼丸は、「負の過去を背負って」いるうちに
カウントされないんだろうか?
ブラックジャックも、悪を退治とは違うかもしれないけど、
負の過去だと思うけどなあ。

710 :無名草子さん:2008/07/21(月) 06:38:16
>>703
手塚のことが嫌いだったから、その種の作品を無視してるのか。
あるいはなにも考えずに書き散らしているだけなのか。
唐沢の場合、どちらもありえる。



2008/7/21  21:55

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>自分のサイトにもアップしちまいました。

しちまいなんてそんな……後でリンクさせていただきますね。こちら
は唐沢俊一と同様、実際に読んでいない (←おい) のが弱いところで、
藤岡さんのようにリアルタイムで読んでいた人の迫力は出せないもの
です。

この漫画読んでいないだろう (読んだとしても内容を全然覚えていな
いのだろう) というのには、『愛と誠』というのもあるんですが、

http://netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/otakusemi/
No12.html
>唐沢 ほんとはセックスしたくてたまらないんだけど、あえてそれ
>を抑圧するというね。『愛と誠』ってほんと、変態ですよ。

じゃあ『愛と誠』はどういう話かというのを文章化できなくて今日に
いたっています。


>手塚作品にもダークなものは多く

そうなんですよねー、「悪を退治」と両立させるとなると、枚挙にい
とまがないとまではいかなくなりますが。それにしても「怨念の世界
は、手塚治虫に描きえないもの」というのはヒドい。

2008/7/21  20:33

投稿者:金平糖

手塚作品にもダークなものは多く(戦争扱ってるのとか特に

「鉄の旋律」とか、マフィアに両腕を奪われた男が念動力で動く鋼鉄の義手を手に入れて復讐する話しだし

「0マン」は父親殺されて母親が無断出国で犯罪者になるし

「ブラック・ジャック」だって不発弾事故の復讐の話とかかなりえげつないんだが

>負の過去を背負って、悪を退治する
という怨念の世界は、手塚治虫に描きえないものだった。

手塚作品をろくに知らないとしか思えないですね

2008/7/21  18:15

投稿者:藤岡真

 おっと。タッチの差で自分のサイトにもアップしちまいました。2ちゃんの書き込みはわたしです。そうか、B,C級戦犯は絞首刑でしたね(A級もそうだったか)。子供向けの本としては、銃殺のシーンはショッキングでした(カラーだったし)。あれを戦犯の処刑だと思った子供は一人もいないはず。これまた、読まずに書いているのでしょう。
 唐沢は手塚が称えられている理由の一つに、同年輩の才能ある作家が早死にした点を挙げ、『ビリー・パック』の作者河島光博をその一人としているのですが、

>だからこそ、そういう運に恵まれなかったが故に、歴史に名を残せなかった才能を掘り出し、いささか遅蒔きながらなりも、彼らがこのマンガ世界に問うてみたかったものをもう一度、俎上に乗せて検討してみたい。

 なんていいながら、この杜撰な紹介。心根が腐っていますね。

   
 
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