2009/1/24 14:28
かつらにかける髪粉には石灰でも使えばよかったのにとお節介 『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.129
「それ以来」とは、「ハゲしく、かつら不向き ←特に意味はない」のエントリーに書いた、
唐沢俊一いうところのルイ 14 世、実際はルイ 13 世がカツラを流行させだした以後
のことをさす。
で、「髪粉というもの」は、かつらの髪の色を白くするために使われたもの。肖像画で目に
するモーツァルトやアントワネットの髪の色が白っぽいのも、この髪粉を使っていたせい。
髪粉の原料は小麦粉などで、色をつけたりカールを維持したりするには役立っただろう
けれど、「つや」を出すのは無理だったと思う。これを使って「つや」を出したとしている
資料も特に見つからなかった。
また、唐沢俊一は「イギリスの裁判制度」で「裁判官や弁護士」がつけるかつらについて
も言及しているが、こちらは 19 世紀には、人毛に髪粉をふりかける代わりに、「白や灰
色の馬毛」で作ったかつらが使われるようになっている。
http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761556114_2/content.html
>18世紀には男性のかつらは小型になり、髪粉(かみこ)で白くし、後ろで黒いリボンを
>むすぶことが習慣となった。
http://jonai.net/weblog/2007/07/18/court-wig/
>イギリスでの裁判官の正装の起源は、14世紀のエドワード3世時代とされるが、弁護
>士や裁判官がかつらを着用するようになったのは1680年代。18世紀までは白い粉で
>色をつけたかつらを使用していたが、1822年に加工が不必要な白や灰色の馬毛を使
>用したかつらが作られ、現在でもこのかつらは当時と同じ製造会社で作られている。
http://www.gigantea.info/%7Ehawk/imacoco/w.php?s=%e3%83%86%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%82%a2
>[Q]十八世紀頃の人物画の髪の色についてハプスブルク家のテレジアやシュテファ
>ン、アントワネットやその他の子供達。皆髪の色が白い(灰色?)ですが本当にみな髪
>が白かったのでしょうか?流行ですか?教えて下さい。
>[A]流行です。日本語では「髪粉」かな。スターチ等の食物粉を髪に振りまいてました。
>ただ白いだけではなく、ピンクやパープルのほのかな色付き、ラベンダーなどの香り付
>きもありました。化粧室のことを「パウダールーム」とも言いますよね。これはこのパウ
>ダーから来てます。普段着でくつろぐ時には必要なかったですが、これが宮廷の正装
>の一部だったので、大量の、本来食べ物であるはずの粉が、おしゃれの為に消費され
>ていました。貧しい庶民にとってはたまらない。しかも、食物粉はネズミも大好きです。
>いかに非衛生的だったか、想像したくもないですが。。具体的には、男性の場合カツラ
>だったので、使ってないカツラをちょっと放っておくと・・・ネズミの巣になったり。そんな
>こんなで、フランス革命後は全ヨーロッパで廃止になります。
それと、「彼らの家には帽子かけならぬカツラかけというものがあり」は気になったのだ
けど、真偽は確認できなかった。小麦粉が主原料である髪粉をふりかけた鬘をそこいら
にただ引っ掛けていただけならば、上に引用した資料にある通りネズミがよってきて
大変だろうと思うのだが、常にきちんと箱に収納していたとはかぎらないと言われれば
それまでだし……。
http://www.marianne.jp/indexx.htm
>Coffre コーフロ 長方形の大箱。もとは嫁入り道具を収めた長持。中世には広く普及
>していた。
>Coffret コフレ Coffre(参照)を小さくしたもの。当初は貴重品や重要書類などを収
>納した。かつらなどの小箱から化粧小箱などへ多様化した。
逆に、アンティーク家具などで、当時のかつらかけが発見できれば話は簡単なんだけど、
それもなかなか見つからない。「"鬘掛け"」「"鬘かけ"」と二重引用符つきでググると、
「鬘掛け地蔵」関連しかヒットしないし。「"wig stand" european antique」でも空振り。
その他参考 URL:
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1017168425
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012694505
関連ガセビア:
・ハゲしく、かつら不向き ←特に意味はない
・ベートーベンのみがカツラなしにあらず、の音楽室の肖像画
・阿部寛の坊主メイクと鬼太郎の特殊メイクは同じところが担当
それ以来、このカツラ・スタイルはヨーロッパ宮廷における正装のひとつ
に数えられるようになった。彼らの家には帽子かけならぬカツラかけという
ものがあり、正装の際にはそのカツラには髪粉というものをかけて色つや
をよくした。
この伝統は、いまではイギリスの裁判制度などにかろうじて残っている。
だいぶ簡略化されてはいるが、裁判官や弁護士の正装はあのカツラを
かぶった姿なのだ。
「それ以来」とは、「ハゲしく、かつら不向き ←特に意味はない」のエントリーに書いた、
唐沢俊一いうところのルイ 14 世、実際はルイ 13 世がカツラを流行させだした以後
のことをさす。
で、「髪粉というもの」は、かつらの髪の色を白くするために使われたもの。肖像画で目に
するモーツァルトやアントワネットの髪の色が白っぽいのも、この髪粉を使っていたせい。
髪粉の原料は小麦粉などで、色をつけたりカールを維持したりするには役立っただろう
けれど、「つや」を出すのは無理だったと思う。これを使って「つや」を出したとしている
資料も特に見つからなかった。
また、唐沢俊一は「イギリスの裁判制度」で「裁判官や弁護士」がつけるかつらについて
も言及しているが、こちらは 19 世紀には、人毛に髪粉をふりかける代わりに、「白や灰
色の馬毛」で作ったかつらが使われるようになっている。
http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761556114_2/content.html
>18世紀には男性のかつらは小型になり、髪粉(かみこ)で白くし、後ろで黒いリボンを
>むすぶことが習慣となった。
http://jonai.net/weblog/2007/07/18/court-wig/
>イギリスでの裁判官の正装の起源は、14世紀のエドワード3世時代とされるが、弁護
>士や裁判官がかつらを着用するようになったのは1680年代。18世紀までは白い粉で
>色をつけたかつらを使用していたが、1822年に加工が不必要な白や灰色の馬毛を使
>用したかつらが作られ、現在でもこのかつらは当時と同じ製造会社で作られている。
http://www.gigantea.info/%7Ehawk/imacoco/w.php?s=%e3%83%86%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%82%a2
>[Q]十八世紀頃の人物画の髪の色についてハプスブルク家のテレジアやシュテファ
>ン、アントワネットやその他の子供達。皆髪の色が白い(灰色?)ですが本当にみな髪
>が白かったのでしょうか?流行ですか?教えて下さい。
>[A]流行です。日本語では「髪粉」かな。スターチ等の食物粉を髪に振りまいてました。
>ただ白いだけではなく、ピンクやパープルのほのかな色付き、ラベンダーなどの香り付
>きもありました。化粧室のことを「パウダールーム」とも言いますよね。これはこのパウ
>ダーから来てます。普段着でくつろぐ時には必要なかったですが、これが宮廷の正装
>の一部だったので、大量の、本来食べ物であるはずの粉が、おしゃれの為に消費され
>ていました。貧しい庶民にとってはたまらない。しかも、食物粉はネズミも大好きです。
>いかに非衛生的だったか、想像したくもないですが。。具体的には、男性の場合カツラ
>だったので、使ってないカツラをちょっと放っておくと・・・ネズミの巣になったり。そんな
>こんなで、フランス革命後は全ヨーロッパで廃止になります。
それと、「彼らの家には帽子かけならぬカツラかけというものがあり」は気になったのだ
けど、真偽は確認できなかった。小麦粉が主原料である髪粉をふりかけた鬘をそこいら
にただ引っ掛けていただけならば、上に引用した資料にある通りネズミがよってきて
大変だろうと思うのだが、常にきちんと箱に収納していたとはかぎらないと言われれば
それまでだし……。
http://www.marianne.jp/indexx.htm
>Coffre コーフロ 長方形の大箱。もとは嫁入り道具を収めた長持。中世には広く普及
>していた。
>Coffret コフレ Coffre(参照)を小さくしたもの。当初は貴重品や重要書類などを収
>納した。かつらなどの小箱から化粧小箱などへ多様化した。
逆に、アンティーク家具などで、当時のかつらかけが発見できれば話は簡単なんだけど、
それもなかなか見つからない。「"鬘掛け"」「"鬘かけ"」と二重引用符つきでググると、
「鬘掛け地蔵」関連しかヒットしないし。「"wig stand" european antique」でも空振り。
その他参考 URL:
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1017168425
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012694505
関連ガセビア:
・ハゲしく、かつら不向き ←特に意味はない
・ベートーベンのみがカツラなしにあらず、の音楽室の肖像画
・阿部寛の坊主メイクと鬼太郎の特殊メイクは同じところが担当