2009/1/6 1:45
シェーンバインはエプロンを白衣の代わりにはしなかった その他の雑学本 間違い探し編
『史上最強のムダ知識』 P.197
「あわてて」「慌てた」の表記不統一は原文ママ。
×奥さんの木綿のエプロンを着て、 ○自宅での実験を嫌がる奥さんが留守のときに、
×乾かすために暖炉の火に近づけた。
○エプロンを乾かすためにストーブのそばにつるした。
唐沢俊一検証blogの「唐沢俊一のネタの使い回し・その5」にも書かれている通り、
『唐沢先生の雑学授業』にも、ほぼ同じ文章がある。
わざわざ奥さんのエプロンを着て実験というのも、こぼした液を自分の着ているエプロン
で拭き取るというのも、やや不自然な行動だなと何となく思っていたが、久しぶりに手に
した『アシモフの雑学コレクション』の中に以下の記述が……。
『アシモフの雑学コレクション』 P.248
> ドイツの化学者シェーンバインは、夫人に「うちで実験はやらないで」と釘をさされて
>いた。
> 一八四五年のある日、夫人の留守をいいことに、硝酸と硫酸をいじっていた。その
>混合液が床に落ちた。あわてて、そばにあった夫人のエプロンでふきとり、ストーブで
>乾かそうとした。すると、乾いたとたん、ボッと燃えて消えた。
> それがもとで綿火薬(ニトロセルローズ)が製造されるようになった。砲や人間や服を
>黒っぽくする火薬にくらべ、大変な改良だった。
他の資料でも、シェーンバインが奥さんのエプロンを着て実験していたとしているものは
見あたらない。乾かそうとして使ったのも、暖炉ではなくストーブ (stove ではなく fire と
しているものはあったけど、fire でも辞書上は暖炉というよりストーブだし)。
家での実験を禁止していた奥さんが留守の間に、シェーンバインは台所を使って実験を
はじめた。こぼした硝酸と硫酸を、手近にあった奥さんのエプロンで拭いてしまった後、
ストーブのそばにつるして乾かそうとしたら、自然発火して一瞬で燃え尽きてしまった
という話であり、シェーンバインにエプロンを着用させる必要は別にない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/クリスチアン・シェーンバイン
>1845年のある日、シェーンバインが家の台所で実験していた(彼の妻からは禁止され
>ていた)時に硝酸と硫酸をこぼしてしまった。妻のエプロンでそれを拭き取り、ストーブ
>の上につるして乾かしていると、自然に着火し一瞬で消えるように燃え尽きた。こうし
>てシェーンバインはエプロンの素材であった綿(主成分はセルロース)がニトロセル
>ロースに変化することを偶然に発見した。
http://www.madehow.com/inventorbios/8/Christian-Sch-nbein.html
> He spilled some acid and, not wanting his wife to know that hehad been using the
> kitchen as a laboratory, quickly cleaned the liquid up with an apron and hung it on
> the stove to dry.
http://books.google.com/books?id=48KhNZ2Xny4C&pg=PA18&lpg=PA18&dq=Apron
> When he spilled some of the mixture on the table, he quickly mopped up the liquid
> with his wife's cotton apron. After he hung it near the fire to dry so his
> experimentation would not be detected, it exploded.
ドイツの化学者シェーンバインという人が、ある日、硝酸と硫酸の化合物
を作る実験を、奥さんの木綿のエプロンを着て、行っていた。ところが、その
混合液をこぼしてしまい、あわててエプロンで拭いた。奥さんに怒られると、
慌てたシェーンバインは、急いでエプロンを水洗いし、乾かすために暖炉の
火に近づけた。と、エプロンは爆発し、煙になって消えてしまった。
これはエプロンの木綿が硝酸と硫酸の液に漬けられたことで、偶然「綿火
薬」になったため。この火薬は低い温度で、一瞬に、ススも残さずに爆発す
るのが特長で、手品にも使われている。
「あわてて」「慌てた」の表記不統一は原文ママ。
×奥さんの木綿のエプロンを着て、 ○自宅での実験を嫌がる奥さんが留守のときに、
×乾かすために暖炉の火に近づけた。
○エプロンを乾かすためにストーブのそばにつるした。
唐沢俊一検証blogの「唐沢俊一のネタの使い回し・その5」にも書かれている通り、
『唐沢先生の雑学授業』にも、ほぼ同じ文章がある。
わざわざ奥さんのエプロンを着て実験というのも、こぼした液を自分の着ているエプロン
で拭き取るというのも、やや不自然な行動だなと何となく思っていたが、久しぶりに手に
した『アシモフの雑学コレクション』の中に以下の記述が……。
『アシモフの雑学コレクション』 P.248
> ドイツの化学者シェーンバインは、夫人に「うちで実験はやらないで」と釘をさされて
>いた。
> 一八四五年のある日、夫人の留守をいいことに、硝酸と硫酸をいじっていた。その
>混合液が床に落ちた。あわてて、そばにあった夫人のエプロンでふきとり、ストーブで
>乾かそうとした。すると、乾いたとたん、ボッと燃えて消えた。
> それがもとで綿火薬(ニトロセルローズ)が製造されるようになった。砲や人間や服を
>黒っぽくする火薬にくらべ、大変な改良だった。
他の資料でも、シェーンバインが奥さんのエプロンを着て実験していたとしているものは
見あたらない。乾かそうとして使ったのも、暖炉ではなくストーブ (stove ではなく fire と
しているものはあったけど、fire でも辞書上は暖炉というよりストーブだし)。
家での実験を禁止していた奥さんが留守の間に、シェーンバインは台所を使って実験を
はじめた。こぼした硝酸と硫酸を、手近にあった奥さんのエプロンで拭いてしまった後、
ストーブのそばにつるして乾かそうとしたら、自然発火して一瞬で燃え尽きてしまった
という話であり、シェーンバインにエプロンを着用させる必要は別にない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/クリスチアン・シェーンバイン
>1845年のある日、シェーンバインが家の台所で実験していた(彼の妻からは禁止され
>ていた)時に硝酸と硫酸をこぼしてしまった。妻のエプロンでそれを拭き取り、ストーブ
>の上につるして乾かしていると、自然に着火し一瞬で消えるように燃え尽きた。こうし
>てシェーンバインはエプロンの素材であった綿(主成分はセルロース)がニトロセル
>ロースに変化することを偶然に発見した。
http://www.madehow.com/inventorbios/8/Christian-Sch-nbein.html
> He spilled some acid and, not wanting his wife to know that hehad been using the
> kitchen as a laboratory, quickly cleaned the liquid up with an apron and hung it on
> the stove to dry.
http://books.google.com/books?id=48KhNZ2Xny4C&pg=PA18&lpg=PA18&dq=Apron
> When he spilled some of the mixture on the table, he quickly mopped up the liquid
> with his wife's cotton apron. After he hung it near the fire to dry so his
> experimentation would not be detected, it exploded.
2009/1/8 1:29
投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/
http://tondemonai2.web.fc2.com/
2009/1/7 20:45
投稿者:金平糖
個人的にはここが気になって仕方がない
>ある日、硝酸と硫酸の化合物を作る実験を
混ぜると混酸が出来ます。以上。
一体何の実験をしようとしてたのか、、、
>、奥さんの木綿のエプロンを着て、行っていた。
句読点多すぎ、、、、
>あわててエプロンで拭いた。
自分が着てる服で混酸を拭くなんてありえない。
唐沢は酸がなにかわかってるのだろうか?
>急いでエプロンを水洗いし、
ここは他の文章にはないが、酸を洗い流さないときれいに燃えないのでコレは実際洗ったのかも
>と、エプロンは爆発し、
はい、爆発はしません。
おそらく手品の演出を意識してるんでしょうが
ぎゅっと丸めて玉にしない限り、ぼわっと燃え上がって爆発にはなりません。
>煙になって消えてしまった。
エプロン全体がぐっしょり濡れるほどの量の混酸をふき取ったのか?
自分が着てるのに?
水に濡れたニトロセルロースを乾かしてて自然発火したなら
黒いススもでてあまりきれいには燃えてないはず
他の文章もはしょってて不正確な感じはあるけど
唐沢のは間違った知識を練りこんだ感じで変。
>ある日、硝酸と硫酸の化合物を作る実験を
混ぜると混酸が出来ます。以上。
一体何の実験をしようとしてたのか、、、
>、奥さんの木綿のエプロンを着て、行っていた。
句読点多すぎ、、、、
>あわててエプロンで拭いた。
自分が着てる服で混酸を拭くなんてありえない。
唐沢は酸がなにかわかってるのだろうか?
>急いでエプロンを水洗いし、
ここは他の文章にはないが、酸を洗い流さないときれいに燃えないのでコレは実際洗ったのかも
>と、エプロンは爆発し、
はい、爆発はしません。
おそらく手品の演出を意識してるんでしょうが
ぎゅっと丸めて玉にしない限り、ぼわっと燃え上がって爆発にはなりません。
>煙になって消えてしまった。
エプロン全体がぐっしょり濡れるほどの量の混酸をふき取ったのか?
自分が着てるのに?
水に濡れたニトロセルロースを乾かしてて自然発火したなら
黒いススもでてあまりきれいには燃えてないはず
他の文章もはしょってて不正確な感じはあるけど
唐沢のは間違った知識を練りこんだ感じで変。
>句読点多すぎ、、、、
いやいや、『史上最大のムダ知識』 P.26 の、この素晴らしい読点の
連発に比べれば……
> なお、仏教では、本来、人が死ねば何も残らず、他の世界に輪廻
>転生する、とされており、故に、幽霊が生じるわけもない。
↑内容にも問題ありな気がしますが、おいといて。
水洗いについては、いくつかそう書いてある資料があったので、まあ
問題ないかと思います。
http://books.google.com/books?
id=h2mcx1Xsfs0C&printsec=frontcover&as_brr=3&hl=ja
>He rinsed out the apron thoroughly with water and hung it up
>to dry near a hot stove. The apron dried but later burst into
>flames.
「エプロンは爆発し」も気にはなったのですが、英 Wikipedia の
Nitrocellulose のページその他、explode と書いてある資料があった
ので、うーん、これは表現として爆発もありなのかなあと思ったので
した。
> He hung the apron on the stove door to dry, and, as soon as
>it was dry, there was a flash as the apron exploded.
>>煙になって消えてしまった。
>
>エプロン全体がぐっしょり濡れるほどの量の混酸をふき取ったの
>か?
>自分が着てるのに?
そうなんですよね、エプロンを着て実験していたという、おいしい (?)
ネタを他の人がスルーしていたとでもいうのかという問題もあります
し、おもしろくしようとしての演出だったとしたら、失敗もいいとこ
ではないかと思います。