トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/12/14  14:41

潮健児のマントの陰に隠れるわけにもいかないヒロポンのネタ  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.133
 映画監督のマキノ正博氏もこのポン中で、映画を撮影するとき、
「ヨーイ!」
 と言って、さっと腕を横に出す。すると、助監督がサッとその腕にヒロポン
を打つ。そこで、
「スタート!」
 となったとか。袖などまくらないでも打てるよう、マキノ監督のシャツの袖
には、注射用の四角い窓が開けてあったというからイヤハヤである。

シャツの袖には、注射用の四角い窓が開けてあった」は、多分ガセ。「シャツの袖に
窓を開けてあった、という話はマキノ正博だけじゃなく、戦後直ぐの頃に活躍した色々な
人のバージョンが一時期語られていた。 本当にそうだったら、今頃、マキノ正博を語る
時の定番ネタになっているハズ。
」という話 (Read More 参照)。

で、これについても、「『星を喰った男』を劣化コピーの『キッチュワールド案内』」の件と
同様、潮健児著『星を喰った男』に元ネタになったと思われることが書いてある。ただし、
注射用の四角い窓」の話はなしで。

『星を喰った男』 (単行本) P.124 ~ P.125
> まあ、この監督は根っからの映画人、という言葉ですべてくくるしかない方ですよ。
>ヒロポン中毒でしてね。
>「ええか、ヨーイ!」
> 声をかけて腕を横に突き出すんです。すると、助監督がわきで注射器を持って待っ
>てる。で、服の上からチャッと注射するんですよ。そこで初めて、
>「よっしゃ、スタート!」
> って……無茶苦茶でしたが、この監督にかかると、そういうことまで含めて映画人
>らしいやり方に見えちゃう。


「注射用の四角い窓」の話は、「唐沢俊一編著」の文庫版の方にもない。「服の上から
チャッと注射
」ということになっている。

つまり、潮健児が『星を喰った男』に書いたことにガセを混入し、ついでに文体も下品と
いうか好感度の低いものにして、できあがったのが『トンデモ一行知識の逆襲』の文章
であったと思われる。

この『トンデモ一行知識の逆襲』のヒロポンのネタにも、「『星を喰った男』を劣化コピーの
『キッチュワールド案内』
」でのヒロポンのネタにも、潮健児や『星を喰った男』の名前は
いっさい出てこないけれど (そのため、ネタ元は筒井あたりかと思っていたくらいだ)。

ちなみに、『星を喰った男』の「プロローグ・若山さんの死」に、潮健児はこのようなことを
書いている。

『星を喰った男』 (単行本) P.33
> ところどころ話が前後するかもしれません。敬称もチグハグになってしまうところが
>あるでしょう。記憶違い、勘違い、また、
>「なんだ、あの野郎、こんなこと書きやがって」
>とお怒りになるところも多々、あるかと存じます。……しかし、それはどうか、生まれて
>初めて、つたない文章を書こうという映画バカの顔に免じて、お許しを願いたい。多少
>品のないところがあっても、あのころの撮影所の雰囲気を出そうという、僕なりの苦心
>のあらわれで、他意はありません。第一、悪意をもって文を綴れるほど利口な人間
>じゃないんですから、僕は。
>「ええか、偉そうなことなんぞ書いたらあかんぞ、潮。お前はな、お前らしく、バカなこと
>ばっかり書いて、ひとさまに笑ってもらえばそれでいいんじゃ」
> そんな若山さんの言葉が聞こえるような気がします。
>「そやけどわしのことだけはナ、ちィとばかし、本物より男ぶりを上げて書くんやぞ……」
>……いやあ親父さん、そうもいきませんよ。


『トンデモ一行知識の逆襲』も『キッチュワールド案内』も、「生まれて初めて、つたない
文章を書こうという映画バカの顔に免じて、お許し
を」というわけにはいかない本だ。

しかも、どちらも『星を喰った男』には書かれていないガセを混ぜ、そのせいか潮健児の
名前も出していないから、いやこれは潮さんの語ったことだから、貴重な時代の証言者
の言葉だからと主張する余地を、唐沢俊一は自らつぶしてしまったということになる。




http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1225599380

876 :無名草子さん:2008/11/08(土) 20:23:10
>この9月に公開されたばかりの映画「次郎長三国志」の監督がマキノ雅彦
>こと津川雅彦。その父は戦前の映画スター沢村国太郎であり、その妻・智子
>の父が日本映画の父、マキノ省三である。日本の映画の歴史はまだ、この
>くらいの代で言い尽くされるほど浅い。

現在68歳の津川雅彦が監督をやっていて、その爺ちゃんのマキノ省三が日本映画の最初期の監督
だから日本の映画の歴史はこのレベルで浅い
とか言われても....
世界の映画の歴史も同じようなモノなのに何故日本だけ、という話題は沢山出ましたが
津川雅彦は68歳、もうすぐ70歳でしょ。現在20代前半の映画監督もいるんだから
唐沢の中ではその後の50年間は意味がないので無視かよ。

ここで津川雅彦を出して「日本映画の歴史はこの程度」って、
散々日本映画のことを書いておきながらバカにするのかよ?
正解中に、津川雅彦以上の高齢監督がいるんだけど、その人を持ち出して
世界の映画の歴史をバカにする事も可能なんだが、何を書きたいんだ?唐沢。

880 :無名草子さん:2008/11/08(土) 20:30:54
>>876
http://tondemonai2.web.fc2.com/760.html
とかに引用されている話かな。

>唐沢の中ではその後の50年間は意味がないので無視かよ。

とかいう話ですらなく、唐沢の雑学本の中にも度々名前のでてくるマキノ一族。
それについて言及するのに精一杯で、力尽きてしまっただけかもよ。

886 :無名草子さん:2008/11/08(土) 20:40:43
唐沢俊一の雑学本に登場するマキノ一族関連。

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.133
 --------------
 映画監督のマキノ正博氏もこのポン中で、映画を撮影するとき、
「ヨーイ!」
 と言って、さっと腕を横に出す。すると、助監督がサッとその腕にヒロポン
を打つ。そこで、
「スタート!」
 となったとか。袖などまくらないでも打てるよう、マキノ監督のシャツの袖
には、注射用の四角い窓が開けてあったというからイヤハヤである。
 喜劇王エノケンもやはり、これなしではいられなかったということで、舞台
でチャンバラをやって、わざとダーッとおおげさに倒れて舞台奥の幕の下に
腕を差し込む。すると、そこに注射器を持って待っていた弟子がサッと打つ
わけである。で、またハネ起きて芝居を続けたというのだからひどいものだ。
彼は雑誌にも平気で、笑いながらヒロポンを注射している写真などを載せた
というから、スゴい時代だった。
 --------------
↑これは確か『笑うクスリ指』でも使い回していたお気に入りネタ。真偽怪しいけど。


『トンデモ一行知識の世界』 P.146 欄外
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・大正時代、マキノ省三監督はチャンバラシーンに迫力を出すため、真剣でやらせたり、
 電気を流して刀に火花を散らせたりした。
-------

894 :無名草子さん:2008/11/08(土) 20:49:52
>>886
マキノ正博のヒロポンの話は、オモシロおかしく語られたホラだった
という事を当時の関係者が語っていたらしいよ。
実際、シャツの袖に窓を開けてあった、という話はマキノ正博だけじゃなく、
戦後直ぐの頃に活躍した色々な人のバージョンが一時期語られていた。
本当にそうだったら、今頃、マキノ正博を語る時の定番ネタになっているハズ。

911 :無名草子さん:2008/11/08(土) 21:30:27
>>894
マキノ雅弘には「映画渡世 地の巻・天の巻」という自伝があるけど、
ヒロポンやポン中だったのことは書いてあったような気がするな。

今手元にないし、読んだのも大昔なんでよく覚えてないけど。

914 :無名草子さん:2008/11/08(土) 21:38:18
>>911
マキノがヒロポン中毒だったのは有名な話。
それを克服して、今回息子の津川が監督した
「次郎長三国志」シリーズなどの名作を作った。

ただ、唐沢が言っている、服の袖にヒロポンを打つための小窓を付けて
よーい!の掛け声と同時にスタッフが注射!という話はデマ。

915 :無名草子さん:2008/11/08(土) 21:39:45
あ、津川は甥だった、すまん



   
 
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