トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/12/11  2:35

ファウンデーションシリーズのミュール (ラバ) も生殖能力なし  その他の雑学本 間違い探し編

『ダメな人のための名言集』 P.39
雌ウマと雄ロバをかけ合わせると、ウマの力強さとロバの耐久力を持った
ラバが生まれるが雄ウマと雌ロバの間には、ウマのへばり癖とロバのひよ
わさを併せ持った、ケッティという役に立たない動物が生まれる。これは
メンデルの優性遺伝法則では説明できない現象である。いや、逆に言えば、
頭がいい方が優性である、とは誰が決めたことなのか?

メンデルの優性遺伝法則では説明できない現象」って……唐沢俊一の脳内では、
メンデルの法則というものは、いったいどういうことになっているのか。

それに「頭がいい方が優性である、とは誰が決めたことなのか?」って……そもそも誰も
そんなことは決めていないと思うのだが。少なくともメンデルとか遺伝とかの文脈では。

優性遺伝については、「本当は野生でも生きていけるホワイトタイガー」のエントリーに
以前書いたことがあるけど、優性は発現しやすく劣性は発現しにくいというだけの話。
優性遺伝子が優れた形質、劣性遺伝子が劣った形質を伝えるものというわけではない。
まあ、唐沢俊一と同じような誤解をする人を減らすために、優性遺伝ではなく顕性遺伝
と呼ぶようにしようという動きもあるのだろう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/メンデルの法則
>もし、双方の親から異なる遺伝子を受け継いだ場合、多くの場合、どちらか一方の
>遺伝子に含まれた情報の形質が現れ、もう片方の形質は現れない。現れてくる方の
>情報を持った遺伝子型を優性であるといい、現れてこない方の遺伝子型を劣性である
>という。なお、漢字の印象からしばしば誤解されるが、遺伝子型でいう優性とはそれが
>優秀であるという意味ではない。単に表現型として外に表れる力が弱い、というだけで
>ある。


http://ja.wikipedia.org/wiki/優性遺伝
>優性遺伝とは、遺伝による形質の発現の種類の一つ。「優性」という言葉が誤解を
>招きやすいことから、近年では顕性遺伝という呼び方もある。


それにしても、あちらで唐沢俊一のいう「劣性遺伝子の蓄積」を取り上げた時点では、
近親交配などにより生存に不利な劣性遺伝子が顕現するイメージに引きずられたせい
かと推測していたのだが、ここで唐沢俊一がネタにしているラバもケッテイも一代限り。
唐沢俊一のもつ優性・劣性の思い込みは、予想していたよりシンプルかつ堅固なもの
だったようだ。


で、「ウマの力強さとロバの耐久力を持ったラバ」と「ウマのへばり癖とロバのひよわさを
併せ持った、ケッテイ
」というのは、その前の「あなたの頭脳とわたしの肉体を併せ持った
優秀な子が生まれたらどんなにいいでしょう」 「それだったらいいが、私の肉体とあなた
の頭脳を併せ持った子が生まれたら大変だからやめておきましょう」という、引用される
ことの多いやり取りに対応させているつもりなのだろう (Read More 参照) けど、ウマは
力強くてへばり癖があり、ロバは耐久力があってひよわというのは、今ひとつ意味不明
だし、あまりよい対比になっていないような。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ラバ
>ラバ(騾馬, 英語 : Mule, ラテン語 : Mulus)とは、雄のロバと雌のウマの交雑種の
>家畜のことである。北米、アジア(特に中国)に多く、スペインやアルゼンチンでも飼育
>されている。東アジアでの正式名称は騾。 逆の組み合わせ(雄の馬と雌のロバの配
>合)で生まれる家畜を「ケッテイ」(??, 英語 : Hinny)と呼ぶが、 ケッテイと比べる
>と、ラバは育てるのが容易であり、体格も大きいため、より広く飼育されてきた。
〈略〉
>体が丈夫で粗食に強く、役力もあるので、経済的な家畜である。気性は大人しいが
>臆病である。
>ラバとケッテイは不妊である。


追記: 「雄ロバと雌ウマ」を「雄ウマと雌ロバ」に訂正 (コメント欄参照)。
ついでに、引用部分の「ケッテイ」も原文通り「ケッティ」に。

さらに、ついでに (?) 気になったのだけど、ケッティは体が小さいとかひよわと書いてある
資料は見るけど、「ウマのへばり癖」の方が今ひとつ見つからない。

http://asinus.sakura.ne.jp/anipara/column/49.html
>ラバの逆で雄ウマと雌ロバを掛け合わせたケッティという動物がいます。 ただしこの
>ケッティはラバと違って全く役に立ちません。 体の小さい雌ロバが母体となるので体
>が弱く労役に耐えられないのです。 という訳なので、ケッティが作られることはほとんど
>ありません。


まあ、労働用としてはめったにつくられないにしても、食肉用としてはネット上の検索でも
そこそこ引っかかるのだけど。





http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1228498104/544-

544 :無名草子さん:2008/12/10(水) 07:51:36
『ダメな人のための名言集』P.39

>雌ウマと雄ロバをかけ合わせると、ウマの力強さとロバの耐久力を持ったラバが生まれるが
>雄ロバと雌ウマの間には、ウマのへばり癖とロバのひよわさを併せ持った、ケッテイという
>役に立たない動物が生まれる。これはメンデルの優性遺伝法則では説明できない現象である。
>いや、逆に言えば、頭がいい方が優性である、とは誰が決めたことなのか?

 体型は雄、気質は雌に似るということで、ロバより体が大きく気性はロバ(温厚)というラバが好まれ、
逆にウマより体が小さく、気性はウマ(荒い)というケッティは好まれないだけのこと。ホワイトタイガーの
ときも話題になったが、唐沢は「優性」という言葉を完全に間違って解釈している。優良な性質じゃなくて
子孫に顕在化する性質を「優性」と呼ぶんだがな。生物学的に無知でも、「メタルギア」でこのことが
問題になったくらいは知らないとねえ。

559 :無名草子さん:2008/12/10(水) 10:27:38
>544
> 『ダメな人のための名言集』P.39
引用の文脈がわからないんだけど、それって只の「ダメな人の名言」じゃない?
そーゆー名言を集めた本じゃないの?

もし唐沢の書いたものだとしたら、SFファンとしてなんかもうねノ


560 :544:2008/12/10(水) 10:46:44
>559
 分かりにくかったかな。引用したフレーズの前に、こう書かれている。

>有名な話でバーナード・ショーにイサドラ・ダンカンが、
>あなたの頭脳とわたしの肉体を併せ持った優秀な子が生まれたらどんなにいいでしょう」
>と結婚を迫ったとき、
>「それだったらいいが、私の肉体とあなたの頭脳を併せ持った子が生まれたら大変だから
>やめておきましょう」
>と答えたというのがある。雌ウマと雄ロバを…以下略

主語がないが「答えた」のはバーナード・ショー。頭がいい方が優性である、とは誰が決めたことなのか? 」
という頓珍漢な問いは、だから、ショーの言葉に向けられたもの。

561 :無名草子さん:2008/12/10(水) 10:57:28
>それって只の「ダメな人の名言」じゃない?

唐沢の言葉だから、確かにその通りなんだな。



2008/12/14  18:02

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

「雄ウマと雌ロバの間」「ケッティ」と、唐沢俊一の元の文章の通りに
訂正しました。

2008/12/13  12:32

投稿者:トンデモない一行知識@レス遅延気味すみません
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>雄ロバと雌ウマの間には

をを、これではケッテイもロバも同じということに。
# 「雌ウマと雄ロバをかけ合わせると」の方は注意してチェックして
# いたのにこちらはまったく見逃していました。

ご指摘ありがとうございます。確認しますので、もう少々お待ちを。

2008/12/12  0:10

投稿者:SS

>雌ウマと雄ロバをかけ合わせると、
>雄ロバと雌ウマの間には

唐沢の原文の間違いですか?
2ちゃんの>>544のヒトの写し間違いですか?

>>544のヒトは、
>体型は雄、気質は雌に似るということで、
の部分も間違えてるので、写し間違えですかね?





   
 
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