トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
旧 URL は、http://diary.aol.com/yzuc9ww/789.html
文字列の一括置換をかけた都合上、旧ブログのコメント欄および2ちゃんねるのスレからの引用の中の URL も全部新 URL に置き換わっていますことを、あらかじめご了承ください
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/ で続きの Blog をやっています
   
 

2008/11/30  22:11

でも『虫屋のよろこび』の著者に恨みはないでしょう唐沢俊一先生  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.153 (表題)
“節足動物史上”最も重要な映画は
『放射能X』である。

ד節足動物史上”最も重要な映画は ○“節足動物映画史上”重要な映画は

この章で紹介している『虫屋のよろこび』という本に書いてあることを、唐沢俊一自身は、
同書に以下のように引用している。

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.158
(一九五〇年代は)節足動物映画で昆虫学的にみてプラスのものは
ほとんどなく、映画における昆虫学のどん底の時期であった。『放射能X』
は節足動物映画史上重要な映画であったが、実際には完全に幻想映画の
ジャンルに入っていた。(中略)ほとんどの映画には節足動物のマイナス面
だけが強調されて信じがたいほど劣悪だった。

……「節足動物映画史上重要な映画」ねえ。

自分が引用した文章に、昆虫学的にみて「どん底の時期」の中の「重要な映画であった
」「実際には完全に幻想映画のジャンルに入っていた」と書いてあるのに、表題では
『放射能X』は「最も重要な映画」だとしてしまっている。

そして、「節足動物映画史上」というのと、表題の「節足動物史上」とは、だいぶ違うと思う
のだが。というか、節足動物が重要と思う映画って何?

いや元の文章には書かれてることとは別に、唐沢俊一本人が
“節足動物史上”最も重要な映画は『放射能X』である。
と思ってでもいるなら別だけど、自分では
……『節足動物映画史上重要な映画』ねえ。
と気のない突っ込みをしていたものを、「節足動物史上」「最も重要」と本気で思っている
はずもないし、ギャグをやりたかったのなら、元ネタを貶めるまぎらわしい改ざん含みと
いうタチの悪いことだけはやめろといいたい。

まあ、それができないのが唐沢俊一という人かもしれないんだけど。「人たちはすべてが
冗談なんだと思っていた
」のエントリーのときも思ったけど、相手がアカデミ系となると、
嘘もデマもいとわず、相手をバカみたいに見せるために必死になるという感じ。




2008/12/3  10:17

投稿者:りびけん

おお、つまんないコメントにいろいろご教示いただいて
恐縮です。ありがとうございます。節足動物映画ファン
としても知識が増えました。

なんかカラサワいことをしでかしていそうな気もしてき
ましたので、とりあえず『虫屋のよろこび』をネット注
文してみました。たのしみです。

2008/12/3  1:49

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>1950年代のアメリカ映画だとなんでも
>いいから「放射能で巨大化させちゃえ」

J・W・マーチンズさんにいわせると、1970 年代になると、

>監督は脚本通りに節足動物を登場させたり操ったりするために昆虫
>学コンサルタント(ときには本物の昆虫学者もいたが、ほとんどは
>「昆虫議論屋」と呼ばれる人々)を雇って彼らの言うことを採り入
>れ始めた。あやしげな知識が増し、コンサルタントからの理屈に
>合った(と願っている)助言(残念ながらいつも助言通りとはいか
>ないが)のおかげで、不可能なほどに育ちすぎた驚くべき巨大節足
>動物が一九七〇年代の映画からほとんど消え去ってしまったことは
<明らかだ。
(以上、『虫やのよろこび』 P.321 ~ P.322。「昆虫議論屋」という
のは、よくわかりません……。)

1970 年代にもなると、何でもかんでも放射能で説明をつけるわけに
もいかないし、って理由も当然あるでしょうが。科学的な正確さはそ
んな厳密には要求されなくとも、それなりのもっともらしさはある程
度必要といいうか。

>あと「節足動物」と「昆虫」の区別はついているのかな

『虫やのよろこび』の筆者の方は当然大丈夫でしょう。クモやサソリ
についての言及もしています。特にクモ。

唐沢俊一の方は、その区別がついているかいないかが影響しそうなこ
とは、そもそも何ひとつ述べていないから、こちらもある意味大丈夫
です。

2008/12/3  1:22

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

こんにちは (_ _)。節足動物映画好きの人に書き込んでいただけると
は、何かとてもうれしいです。

>そも「昆虫学的」に映画みてるやつがいるのか。

これは、まあ、元ネタの本『虫やのよろこび』で、「映画の中の節足
動物」の章を書いた J・W・マーチンズさん@アメリカ職業昆虫学者
部会が、該当するのではないかと。
( http://tondemonai2.web.fc2.com/686.html )

シャレで書いているとは思いますが、「昆虫学的」かどうかのこだわ
りは、職業上いくぶんマジな部分もあるのかなと思ったり。

で、『虫やのよろこび』という本の「映画の中の節足動物」でいう
「節足動物映画史上重要な映画」というのは、

>節足動物 (a)に関して好意的あるいは少なくとも中立的かつ現実的な
>映像および昆虫学者(b)に対する概して好意的な映像を含む昆虫学上
>の要素が非常に重要な映画

という意味で、『放射能X』はそこにあげられた映画 50 余りのうちの
1 つでしかないのです。

他にここにあげられているのは、『モスラ』 (1962 年) とか、『殺し
屋蜜蜂』 (1974 年) とか。

お勧めの「ソウル・バス『フェイズIV』」も、「一九七四」年のとこ
ろに入っていましたです。

> 『第4相 (Phase IV)』 - 賢いアリ

「第4相」という題で日本発売というわけではなかったようですが
……まあ平凡社の翻訳が間違っているのでしょう。
( http://www.amazon.co.jp/gp/product/630021642X/ )

>『キング・コング』や『スターシップ・トゥルーパーズ』

これは、J・W・マーチンズさんのあげたものには入っていません。
後者については、『虫やのよろこび』自体 1995 年発行 (原著は 1992
年) だからということで。リストの中の一番新しいものが、『未来警
察』他、1984 年の映画でした。

『トンデモ一行知識の逆襲』の方は 2000 年の初版ですが、当然唐沢
俊一が、1985 年以降の節足動物映画についてフォローするはずもな
く……。

2008/12/2  10:25

投稿者:りびけん
http://blog6.fc2.com/reviken/

こんにちは。節足動物映画好きの者です(珍しいですね
、たぶん)。

『放射能X』はたしかに面白いのですが(YouTubeで全編
が観られます)、1950年代のアメリカ映画だとなんでも
いいから「放射能で巨大化させちゃえ」というのが流行
っていて、アリでもカマキリでも美女でもおっさんでも
どんどん巨大化させていました。「節足動物映画史」で
『放射能X』を持ち出すのはおかしいと思うのです。そ
も「昆虫学的」に映画みてるやつがいるのか。

マジで「節足動物映画史」を「昆虫学的」に語るならば
、最も重要な映画は50'sじゃないけどソウル・バス『フ
ェイズIV』(蟻が演技しているんです本当です信じてく
ださい凄いんです)とか、極めつけで『キング・コング
』や『スターシップ・トゥルーパーズ』あたりを持ち出
すのがふつうでしょう。

唐沢さんは、映画のほうは「トカゲ特撮」とかと混同し
ているものと邪推するのですが、どんなものでしょうか

あと「節足動物」と「昆虫」の区別はついているのかな
。巨大サソリ映画にも面白いものがあるのですが。

   
 
HOME

 

 

inserted by FC2 system