2008/11/30 1:47
酒粕だったらペロペロ舐めるより甘酒にでもした方が…… その他の雑学本 間違い探し編
「SFマガジン」 1995年 11月号「とても変なまんが」第十回:『謎の大衆派…永松健夫』(唐沢俊一まとめwiki より)
http://www13.atwiki.jp/tondemo/pages/38.html
辞書を引いたかぎりでは、「糟粕を嘗める」か「糟粕をなめる」であり、「糟粕を舐める」
という表記はなかった。いやまあ、それこそ辞書の上では、「嘗める」も「舐める」も
同一の項目として記述されたりしているんだけど、長岡半太郎の書いた「勿嘗糟粕」
というのを考えると、「糟粕を舐める」には少し抵抗が……。
そして、「糟粕を嘗める」の意味は、「先人のまねをするだけで、独創性のないことの
たとえ」であり、唐沢俊一の書いているような意味ではないというのは、2ちゃんねるの
スレへの書き込み (Read More 参照) でも指摘されている通り。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&stype=1&dtype=0&p=糟粕を嘗める
>糟粕(そうはく)を嘗(な)・める
>先人のまねをするだけで、独創性のないことのたとえ。「古人の―・める」
http://www.sci.osaka-u.ac.jp/students/handbook2008/university/hu001.html
>上の写真は理学部本館大講義室(D501)にある額に書かれている書です。阪大の
>初代総長の長岡半太郎がしたためたものですが「勿嘗糟粕」と書かれています。
>「糟粕をなめるなかれ」と読みます。糟粕とは酒の搾りかすのことで,転じて滋味を
>とりさった不用物,精神のない遺物を意味します。糟粕をなめるなとはつまり,作った
>人の精神を汲み取らず,形だけをまねることをするな,という意味です。
で、まあ、唐沢俊一は「糟粕を嘗める」の意味も何のそので、「糟粕」または「糟糠」単独
の意味をもとに、「カスを舐める」に脳内変換したものと思われるけど、それにしたって、
「読者の仕事は作者の作り出した作品のカスを舐めることであり、 評論家はそのカスを
皿に盛って差し出すのが仕事、とでも心得ているようなところがある」は、かなりトンデモ。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=糟粕&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>そうはく[さう―] 0 【▼糟▼粕】
>[1] 酒のしぼりかす。
>[2] よいところを取り去ったかす。のこりかす。→(句)糟粕(そうはく)を嘗(な)める
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=糟糠&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>そうこう[さうかう] 0【▼糟▼糠】
>[1] 酒かすと米ぬか。転じて、粗末な食物。
>[2] 価値のないもの。かす。
のこりかす、価値のないものを「舐める」ことを仕事にする読者、カスを読者に提供する
ことを仕事と心得る評論家は、どこにもいないと思う。結果としてそうなってしまう人は、
いるかもしれないが。たとえば唐沢俊一とか。
作者の創作意図を推測することに縛られすぎるなという主張はまあよいとして、何も
作者の創作意図を探ろうとする行為がすべて「作品のカスを舐める」ことのように罵倒
しなくてもよいだろうし、「まだ実物を見ていない」といいながら、じゃあこの反論 (?) は
妄想によるものかなどという突っ込みも恐れずに持論をえんえんと展開する勇気には、
ある意味感心する。何気なく「創作経験のある者にならわかる筈」とかも書いているし。
ちなみに、SF マガジンの「とても変なマンガ」という連載を収録した本は、早川書房から
『とても変なマンガ』という題で出版されているんだけど、その本にはここで引用している
「謎の大衆派…永松健夫」というのは載っていない。早川書房のせめてもの良心……?
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1227772589/289-
289 :無名草子さん:2008/11/29(土) 12:36:55
「SFマガジン1995年11月号『とても変なマンガ』第10回
(唐沢俊一まとめwiki より)
http://www13.atwiki.jp/tondemo/pages/38.html
>彼らはおしなべて、自分の位置を作家の下方においてテンとして恥じない。糟粕を舐める
>という言葉があるが、読者の仕事は作者の作り出した作品のカスを舐めることであり、
>評論家はそのカスを皿に盛って差し出すのが仕事、とでも心得ているようなところがある。
「糟粕を舐める」とは「先人のまねをするだけで、独創性のないことのたとえ」であって、
作者が作り出した作品のカスを舐めるなんて意味は全然ない。いや、そう分かって書いている
なら、「糟粕を舐めるという言葉があるが」という前振りは意味がない。
290 :無名草子さん:2008/11/29(土) 12:39:13
>>289
「糟糠」と間違えてんだろ。つまり「値打ちのないもの。つまらないもの」って意味。
http://www13.atwiki.jp/tondemo/pages/38.html
同人誌まがいの、読む気にもならない三文誌なのでまだ実物を見ていな
いが、僕の 『まんがの逆襲』や『森由岐子の世界』を”大いなる蛇足”と決め
つけているマンガ 批評誌があるそうである。なんでも、神田森莉などを僕が
”笑いものにしている”のが けしからん、と言っているらしい。
およそマンガファンたるものであれば、作者の創作意図をキチンと理解し
(神田森莉といえど、読者をこわがらせようとして作品を描いているのだろう
から)、それに沿った 読解をしなければいけないという、恐れいった教条主義
である。
彼らはおしなべて、自分の位置を作家の下方においてテンとして恥じない。
糟粕を舐めるという言葉があるが、読者の仕事は作者の作り出した作品の
カスを舐めることであり、 評論家はそのカスを皿に盛って差し出すのが仕事、
とでも心得ているようなところがある。
辞書を引いたかぎりでは、「糟粕を嘗める」か「糟粕をなめる」であり、「糟粕を舐める」
という表記はなかった。いやまあ、それこそ辞書の上では、「嘗める」も「舐める」も
同一の項目として記述されたりしているんだけど、長岡半太郎の書いた「勿嘗糟粕」
というのを考えると、「糟粕を舐める」には少し抵抗が……。
そして、「糟粕を嘗める」の意味は、「先人のまねをするだけで、独創性のないことの
たとえ」であり、唐沢俊一の書いているような意味ではないというのは、2ちゃんねるの
スレへの書き込み (Read More 参照) でも指摘されている通り。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&stype=1&dtype=0&p=糟粕を嘗める
>糟粕(そうはく)を嘗(な)・める
>先人のまねをするだけで、独創性のないことのたとえ。「古人の―・める」
http://www.sci.osaka-u.ac.jp/students/handbook2008/university/hu001.html
>上の写真は理学部本館大講義室(D501)にある額に書かれている書です。阪大の
>初代総長の長岡半太郎がしたためたものですが「勿嘗糟粕」と書かれています。
>「糟粕をなめるなかれ」と読みます。糟粕とは酒の搾りかすのことで,転じて滋味を
>とりさった不用物,精神のない遺物を意味します。糟粕をなめるなとはつまり,作った
>人の精神を汲み取らず,形だけをまねることをするな,という意味です。
で、まあ、唐沢俊一は「糟粕を嘗める」の意味も何のそので、「糟粕」または「糟糠」単独
の意味をもとに、「カスを舐める」に脳内変換したものと思われるけど、それにしたって、
「読者の仕事は作者の作り出した作品のカスを舐めることであり、 評論家はそのカスを
皿に盛って差し出すのが仕事、とでも心得ているようなところがある」は、かなりトンデモ。
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=糟粕&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>そうはく[さう―] 0 【▼糟▼粕】
>[1] 酒のしぼりかす。
>[2] よいところを取り去ったかす。のこりかす。→(句)糟粕(そうはく)を嘗(な)める
http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=糟糠&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>そうこう[さうかう] 0【▼糟▼糠】
>[1] 酒かすと米ぬか。転じて、粗末な食物。
>[2] 価値のないもの。かす。
のこりかす、価値のないものを「舐める」ことを仕事にする読者、カスを読者に提供する
ことを仕事と心得る評論家は、どこにもいないと思う。結果としてそうなってしまう人は、
いるかもしれないが。たとえば唐沢俊一とか。
作者の創作意図を推測することに縛られすぎるなという主張はまあよいとして、何も
作者の創作意図を探ろうとする行為がすべて「作品のカスを舐める」ことのように罵倒
しなくてもよいだろうし、「まだ実物を見ていない」といいながら、じゃあこの反論 (?) は
妄想によるものかなどという突っ込みも恐れずに持論をえんえんと展開する勇気には、
ある意味感心する。何気なく「創作経験のある者にならわかる筈」とかも書いているし。
ちなみに、SF マガジンの「とても変なマンガ」という連載を収録した本は、早川書房から
『とても変なマンガ』という題で出版されているんだけど、その本にはここで引用している
「謎の大衆派…永松健夫」というのは載っていない。早川書房のせめてもの良心……?
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1227772589/289-
289 :無名草子さん:2008/11/29(土) 12:36:55
「SFマガジン1995年11月号『とても変なマンガ』第10回
(唐沢俊一まとめwiki より)
http://www13.atwiki.jp/tondemo/pages/38.html
>彼らはおしなべて、自分の位置を作家の下方においてテンとして恥じない。糟粕を舐める
>という言葉があるが、読者の仕事は作者の作り出した作品のカスを舐めることであり、
>評論家はそのカスを皿に盛って差し出すのが仕事、とでも心得ているようなところがある。
「糟粕を舐める」とは「先人のまねをするだけで、独創性のないことのたとえ」であって、
作者が作り出した作品のカスを舐めるなんて意味は全然ない。いや、そう分かって書いている
なら、「糟粕を舐めるという言葉があるが」という前振りは意味がない。
290 :無名草子さん:2008/11/29(土) 12:39:13
>>289
「糟糠」と間違えてんだろ。つまり「値打ちのないもの。つまらないもの」って意味。
2008/12/1 0:19
投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/
http://tondemonai2.web.fc2.com/
2008/11/30 22:50
投稿者:岡田K一
この文章を「まとめwiki」にアップしたのは自分ですが・・。
そうですか、単行本未収録ですか・・。
「漫画の手帖」に反撃(?)している部分があまりに頓珍漢なので、さすがに編集者から、ダメダシくらったんだと思いますね。
そうですか、単行本未収録ですか・・。
「漫画の手帖」に反撃(?)している部分があまりに頓珍漢なので、さすがに編集者から、ダメダシくらったんだと思いますね。
今見直してみたのですが、単行本の『とても変なマンガ』には、収録
されていないですね、やはり。永松健夫という文字が目次にないんで
す。
後ろの方に、SF マガジンの連載は 1995 年 2 月から 1998 年 12 月
とか書いてあって、「本書は、この連載を取捨選択・加筆修正し、
書き下ろしを加えたものです」だそうです。で、目次を見ると 36 本
なので、10 回分以上は捨てている計算に。
まあ唐沢俊一先生のことなので、どこか別の本に収録されている可能
性もあると思うのですが、今のところ発見できていません……。