トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/11/24  20:02

人形は得意分野ではなかったんですかの唐沢俊一先生  その他の雑学本 間違い探し編

2008年 11月 23日産経新聞 17面 <「ご当地キューピー」は日本の文化>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000551-san-soci
 ご当地キューピーの人気の高まりについて、評論家の唐沢俊一さん(50)
は「太古からの童子信仰の存在」を指摘する。日本には、生後間もない赤ん
坊に祭りなどで神様の格好をさせる風習があったという。「江戸時代には
福助人形が庶民に愛されていた。異形の縁起物に親しんできた日本人には、
キューピーをすんなりと受け入れる精神的土壌があった」
 “ご当地もの”という広がり方については「もともと、日本人は着せ替えや
お遊びが好き。江戸時代の浮世絵には、七福神が水浴びをしている図など
もあります。神話のキューピッドが基になっているキューピーでも、自在に
遊んで使えると考える」と分析する。
 また、元ネタが「誰にでもなじみがあるからこそ、(アレンジで)『何これ?』
と不思議なインパクトが出る」のは、昔から「本歌取り」としてよく知られる手法だ。

……何でまた、テレビで座敷童を取り上げたときには「童子信仰」にはふれないでいて
(「座敷童子の宿は緑風荘というそうだ」を参照のこと)、キューピー人形の話では出して
くるのか、理解不能。

だいたい、護法童子信仰とか童子信仰の童子は、子どもではあっても赤ん坊ではない
ことが多いだろうに。それをキューピーと結びつけるために強引に赤ん坊という話にする
から、「生後間もない赤ん坊に祭りなどで神様の格好をさせる風習があったという」などと
真偽不明な話をするはめになったのでは。「生後間もない赤ん坊」に限定しなければ、
いろいろわかりやすい例があると思うんだけど。

http://www.amazon.co.jp/dp/4921029547
>高徳な僧侶に給仕をしたり、寺院を守護する役割を持つ信仰上の子どもである護法
>童子。この護法童子信仰はどのように成立し、展開していったのか。多くの護法童子
>像を分析し、歴史の中における護法童子信仰について論じる。


http://www.kagoshimakenjinkai.ne.jp/motto/chiran/gyoji.htm
>子どもたちは山から降りてきた収穫の神様を表し、今年の豊作を祝い、来年の豊作を
>祈ります。


http://blog.goo.ne.jp/matsuries/e/0e13bb88b0497773e9f16240465ecd9d
>こちら、稚児舞を見せる稚児人形、放下鉾の「三光丸」。
>昭和4年から、生稚児に代わって登場しました。
>産まれた時は八坂神社にも社参して「入魂」した、生きた稚児人形です。


さらに、童子信仰とは関係ない福助人形を出してきて、その勢いで (?) キューピーまで
異形の縁起物」扱いするのだから、わけがわからない。キューピーを「異形」だとする
のも微妙な話だし、キューピーがいつ「縁起物」になったのか、何の説明もなく納得しろ
というのだろうか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/福助人形
>元々は、文化元年頃から江戸で流行した福の神の人形叶福助。願いを叶えるとして
>茶屋や遊女屋などで祀られた。
〈略〉
>一説に、享和2年8月に長寿で死去した摂津国西成郡安部里の佐太郎がモデルで
>ある。もともと身長2尺足らずの大頭の身体障害者であったが、近所の笑いものになる
>ことをうれい、他行をこころざし東海道をくだる途中、小田原で香具師にさそわれ、生
>活の途を得て、鎌倉雪の下で見せ物にでたところ、評判がよく、江戸両国の見せ物に
>だされた。江戸でも大評判で、不具助をもじった福助の名前を佐太郎に命じたところ、
>名前が福々しくて縁起がよいと見物は盛況であった。


その次は、「“ご当地もの”という広がり方について」。「もともと、日本人は着せ替えや
お遊びが好き
」というのに、でもバービー人形とかアメリカ産だよなと思いながら読んで
いると、「江戸時代の浮世絵には、七福神が水浴びをしている図などもあります」……。

七福神が水浴びをしている浮世絵がどのようなものか、ググっても存在が確認できな
かったのでわからない。それがどういう「お遊び」、そして着せ替え人形に関係するの
か、想像がつかない。

着せ替え人形の起源とされているのは、ヨーロッパそしてアメリカの人形たちで、日本
のものではないし……。

http://ja.wikipedia.org/wiki/着せ替え人形
>着せ替え人形がいつ頃から作られているのかはわからない。18世紀後半にイギリス
>で作られた、流行の衣装を着せられた木製の人形がファッションドールの原型と考え
>られているが、子供の遊び道具というよりは現在で言うマネキンに近いものだった。
>その後、ドイツでレディドールと呼ばれる流行の衣装を身にまとった陶器製の人形
>(ビスクドール)が作られたが、これも流行のファッションを大人に紹介するためのマネ
>キンとしての意味合いが強かった。
>19世紀半ばに入り、ファッション雑誌の台頭からレディドールの存在意義が薄れると、
>ベベタイプと呼ばれる子供向けのビスクドールが製作されたが、遊び道具として使用
>するには壊れやすく高価だった。
>20世紀入り、アメリカでコンポジションドール(Composition Doll)と呼ばれる合成素材
>の人形やセルロイド製の人形、ハードプラスチック製の人形が開発され、着せ替え
>人形は大量生産・大量消費の時代に入った。しかし、この時代の着せ替え人形は、
>着せ替え遊びは行えるものの、おままごと用の抱き人形としての色彩が濃かった。
>そのため、子供の遊び道具としての着せ替え人形は、バービーの登場を待たなけれ
>ばならなかった。


ついでに、唐沢俊一の説明では、本歌取りとは「(アレンジで)『何これ?』と不思議な
インパクト
」を出す手法だということになってしまっているが、これも変。その歌自体に
書かれていることと、直接は書かれていないが (誰もが知っている) 本の歌に書かれて
いることを背景として重ね合わせて奥行きを出す手法であり、別に「不思議なインパクト
をねらうためのものではないはずだが……。

http://ja.wikipedia.org/wiki/本歌取り
>本歌取(ほんかとり)とは、歌学における和歌の作成技法の1つで、有名な古歌(本
>歌)の1句もしくは2句を自作に取り入れて作歌を行う方法。主に本歌を背景として
>用いることで奥行きを与えて表現効果の重層化を図る際に用いた。



で、ご当地キューピーについては、下記リンクや、Read More を参照していただくのが
よいかも。

関連しそうな項目としては、ご当地キティ、ご当地加トちゃん、ご当地セサミストリート、
ご当地ディズニー、ご当地目玉おやじ、ご当地クレヨンしんちゃん、ご当地リラックマ、
ご当地マリモッコリといったご当地もの、ゆるキャラ、変わりびな、バービー人形、
着せ替えフィギュアなど、いろいろあると思うんだけど、そういうものは全部スルーして、
童子信仰、福助人形、七福神の入浴浮世絵、本歌取りを選択したことには、感動すら
おぼえる。

ご当地キューピー:
- http://www.only-one.co.jp/02character/01kewpie/
- http://www.amazon.co.jp/dp/4418072047/ref=pd_sim_b_1
- http://www.excite.co.jp/News/bit/00031138874934.html
- http://ameblo.jp/his-bali/entry-10163321476.html

ご当地キティ:
- http://homepage2.nifty.com/gojireomogu/05_kitty.htm
- http://ja.wikipedia.org/wiki/ご当地キティ
ご当地加トちゃん:
- http://www.din.or.jp/%7Echa_/map.html
- http://www.onlineplayer.jp/modules/topics/article.php?storyid=11018
ご当地セサミストリート:
- http://tamokichi.blog24.fc2.com/blog-entry-478.html
- http://www.fujitaya.org/shop/item/SS.html
ご当地ディズニー:
- http://tamokichi.blog24.fc2.com/category14-1.html
- http://disney.st-cake.itigo.jp/?cid=28597
- http://www.runat.co.jp/gotochi/stitch/
ご当地目玉おやじ:
- http://www.geocities.jp/gotoutioyaji/
- http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=3473
ご当地クレヨンしんちゃん:
- http://www.hna.co.jp/products/crayon.html
- http://tamokichi.blog24.fc2.com/blog-category-24.html
ご当地リラックマ:
- http://www.uoen.com/rilakkuma/
ご当地マリモッコリ:
- http://ja.wikipedia.org/wiki/まりもっこり
ゆるキャラ:
- http://yuru.tips-top.com/
- http://www.geocities.co.jp/Milano/2378/
- http://ja.wikipedia.org/wiki/ゆるキャラ
変わりびな:
- http://www.mataro-doll.com/press.php
バービー人形:
- http://barbienews.seesaa.net/category/1527488-1.html
- http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20070602ok01.htm
着せ替えフィギュア:
- http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050525/negi.htm
- http://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/58748
- http://www.kobe-town.com/photo/index.php?trn=detail&ai_id=0005069&order=&key_id=0000146




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1227369259/224-

224 :無名草子さん:2008/11/24(月) 02:02:18
2008年11月23日産経新聞17面 <「ご当地キューピー」は日本の文化>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000551-san-soci

>(中略)
>ご当地キューピーの人気の高まりについて、評論家の唐沢俊一さん(50)は「太古からの童
>子信仰の存在」を指摘する。日本には、生後間もない赤ん坊に祭りなどで神様の格好をさせ
>る風習があったという。「江戸時代には福助人形が庶民に愛されていた。異形の縁起物に親
>しんできた日本人には、キューピーをすんなりと受け入れる精神的土壌があった(略)」

①「童子信仰」って紛らわしい言い方をして出典不明の祭りが日本中で行われてたみたいに書
いてあるけど、童子信仰=「童子には神に近い不思議な力がある」と理解したとして、その信仰
と幼児の姿をしたキューピー人形の普及とどう関係があるのか何も言っていない。
②そもそも(近年の)ご当地キューピー人気の高まりについて問われているのに、太古と江戸時
代の話をしてキューピー人形受容の要因について述べているだけで質問に答えていない。

記事の内容についてはまあ「そうですか」で終りだけど、産経読んでて急に顔写真付で出てき
たので吹いた。なんでこの内容でわざわざ唐沢先生に話を聞きに行ったのかは理解不能。


232 :無名草子さん:2008/11/24(月) 03:46:03
>>224
続きのこれも、わけわかんないんだけど。

> “ご当地もの”という広がり方については「もともと、日本人は着せ替えやお遊びが好き。
>江戸時代の浮世絵には、七福神が水浴びをしている図などもあります。神話のキューピッド
>が基になっているキューピーでも、自在に遊んで使えると考える」と分析する。

「江戸時代の浮世絵には、七福神が水浴びをしている図などもあります」と、「日本人は着せ替え
やお遊びが好き」や「キューピーでも、自在に遊んで使えると考える」というのが、いったいどう
関係するのか???

233 :無名草子さん:2008/11/24(月) 04:53:54
福助=不具助信仰があるのと同じように、キューピーの性別不明なキャラクターは、
日本人の異形信仰と結びついてブームになった。
って言いたかったんだろうね。まあ、唐沢は馬鹿だから自分の意味不明な言葉は他人にも理解できると
思ってたんだろう。ただ、産経の記事の端折り方にも問題があると思う。
馬鹿な自称評論家に馬鹿な新米記者が話を聞きに行っても馬鹿な記事しか生まれないという典型例ですねw

234 :無名草子さん:2008/11/24(月) 07:34:12
日本は日本人は、とか書いているけれど
異形のキャラを愛でる文化は世界中にあるし
その地域ごと、風習ごと、季節ごとに
服装を替えるなんてのも世界中に存在している
文化だと思うんだが...

235 :無名草子さん:2008/11/24(月) 07:39:22
あまり外国文化を知らないのに日本を特別視する人はよくいるよね。

236 :無名草子さん:2008/11/24(月) 07:44:39
ご当地キューピー人気はただたんに「商売として成り立つ」というのが理由でしょう。
特にこの10年間の「かわいい」に関する流行には歯止めが掛かっていない状態。
ご当地キューピーがブームになった裏には、10年ほど前からの食玩ブームの余波があると思うんだが。


237 :無名草子さん:2008/11/24(月) 08:14:08
>ご当地キューピー

サンリオのロングセラー商品「ご当地キティちゃん」にあやかっただけじゃ?

238 :無名草子さん:2008/11/24(月) 08:16:36
そもそもご当地モノというのはサンリオのキティが嚆矢なのである。
そこからタンを発し、いまではカトチャン、セサミストリート、リラックマにスティッチ、マリモッコリと、
もちろんクダンのキューピーも含め、いまや留まるところを知らぬのだ。
このような、商業主義の、コレクター根性を握ったつもりになっている業者ににタダ踊らされているだけの、
着せ替えキューピーを、異形文化と並列に語るなど、カラサワセンセイもついにヤキが回ったかと、
小生などはその頭髪とともにそのユクスエを危惧してしまうんである。

唐沢文だとこんな感じかな。

かわいくいてキャラに普遍性があって着せ替えできて、という条件に合致するのが、
キューピーだったってことでしょ。
あとはご当地キティが一周して、なんか別のないかなという需要もあったかもね。

239 :無名草子さん:2008/11/24(月) 08:52:27
このキューピーって版権はどうなってるの?
もしキューピーの版権が切れていて、自由に使えるって事なら
キティちゃん以上に広がるってのも解るような気がする。


240 :無名草子さん:2008/11/24(月) 09:02:52
今ググッてみたけどローズオニール・コーポレーションってところが版権持ってて、使うの結構大変みたいね。




   
 
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