トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
旧 URL は、http://diary.aol.com/yzuc9ww/749.html
文字列の一括置換をかけた都合上、旧ブログのコメント欄および2ちゃんねるのスレからの引用の中の URL も全部新 URL に置き換わっていますことを、あらかじめご了承ください
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/ で続きの Blog をやっています
   
 

2008/11/1  12:44

チャールズと唐沢俊一、どちらが「ナサケない人物」か  その他の雑学本 間違い探し編

『キッチュワールド案内』 P.62
 おそらく世界の君主の中でももっともナサケない人物というイメージの持ち
主の一人であろうイギリスのチャールズ皇太子が(イギリスの右翼――いる
のか?――の人に言い訳すると、これは筆者ばかりが言っているのではない。
アメリカのMTVのアニメ『セレブリティ・デスマッチ』などを見るといい)インタ
ビューで、これまでの世界旅行の経験を語り、その中で、
「いままで、世界の料理を食べてきて、どうしても口に出来なかったものが
二つある。サウジアラビアで出された羊の目玉と、日本で出されたイカの
刺身である」
 と言ったそうだ。

チャールズ皇太子を、「国家を治める最高位の人」という意味をもつ「君主」の中に
いれるのは明らかに間違いだし、「イギリスの右翼――いるのか?」と問われれば、
正解は「いる」である (イギリス国民戦線、アルスター義勇軍など)。

これらについては、2ちゃんねるのスレへの書き込みで指摘された (下の方に引用)
通りで、唐沢俊一検証blogのコメント欄でも話題になっていた。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=君主&stype=1&dtype=0
>くん‐しゅ【君主】
>世襲により国家を治める最高位の人。天子。王。皇帝。帝王。


http://ja.wikipedia.org/wiki/右翼
>イギリス国民戦線が存在し、外国人移民排斥やアイルランド奪取などを訴えている。
>保守党系列のテロ集団アルスター義勇軍などもある。


それ以外に気になったのは、「羊の目玉と、日本で出されたイカの刺身」が「どうしても
口に出来なかったもの
」とされていること。タコならばまだしも、「イカの刺身」が、見た
だけでダメ、一口も食べられないということがあるかなあという素朴な疑問で。一般人
なら、どんなに食わず嫌いが多くてもよいだろうけど、チャールズ皇太子の立場ならば、
外交上いろいろと気配りしないといけないんじゃないかと思うし。

Google のブック検索で引っかかった『大人の品格』によると、

http://books.google.com/books?id=4Uz4hwqJX7oC&pg=PT23&lpg=PT23&dq=%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%82%ba%e7%9a%87%e5%a4%aa%e5%ad%90%e3%80%80%e3%82%a4%e3%82%ab%e3%81%ae%e5%88%ba%e8%ba%ab&source=bl&ots=xqYstJE_ii&sig=u8p3ICP_TL_E7uXIZi0lhkXgcgg&hl=ja&sa=X&oi=book_result&resnum=8&ct=result
> 初めてお会いしたプリンス・オブ・ウェールズは、とても気さくな方で、学長が私を
>紹介し、それからご挨拶の言葉を申し上げた私に向かって、こうおっしゃいました。
>「初めて日本に行ったとき、寿司屋でイカの刺身を食べて驚いたよ。まるでゴムホース
>みたいだった。いくら噛んでも噛んでも、味がしなくてね。
> 初対面の私に親しみをこめて、日本での思い出を面白おかしく語って笑わせようと
>してくださったのです。


ゴムホースみたい」というのはジョークだとしてもヒドい言い草だとは思うが、「初めて
日本に行ったとき
」に一応食べてはいるようだから、「どうしても口に出来なかったもの
ではないような。同じようなことを書いているのは、これ↓

http://www.geocities.jp/showahistory/history05/topics49c.html
>イギリスのチャールズ皇太子はイカの刺身が嫌いで、「ゴム管のコマ切れを噛んでい
>るようだ」とし、タコは見ただけでぞっとする、と語った。これは1974年(昭和49年)10/
>21に発刊された「上流人と味覚」(レスリー・フルーウィ社、8ポンド=5600円)という
>イギリスの本に書かれた内容で、チャールズ皇太子は日本料理だけでなく中東料理も
>苦手で、羊の目の幻覚に悩まされる、と中東料理をくさした。


これに対し、「どうしても口に出来なかったもの」のように書いてあるものは、唐沢俊一の
文章がネタ元と思われるのがいくつかあるくらいで、その発言の出典をはっきりと示して
いるものはなかった。

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1224589375/594
>594 :無名草子さん:2008/10/28(火) 12:07:10
>『キッチュワールド案内』 P.62

>>おそらく世界の君主の中でももっともなさけない人物というイメージの持ち主の一人であろう
>>イギリスのチャールズ皇太子が(イギリスの右翼――いるのか?――の人に言い訳すると、
>>これは筆者ばかりが言っているのではない。アメリカのMTVのアニメ『セレブリティ・デスマッチ』
>>などを見るといい)インタビューで、これまでの世界旅行の経験を語り、その中で、「いままで、
>>世界の料理を食べてきて、どうしても口に出来なかったものが二つある。サウジアラビアで出された
>>羊の目玉と、日本で出されたイカの刺身である」と言ったそうだ。

>君主:世襲により国家を治める最高位の人。天子。王。皇帝。帝王。(大辞泉)
>イギリスの右翼:イギリス国民戦線 British National Front、英国国民党BNP、アルス
>ター義勇軍etc



追記 : 「『検証』のときに日本語版ウィキペディアをソースにするのは危なっかしいです。
というトラバをいただいたので、それについても含めて。

英語版の Wikipedia の情報くらいチェックしておくべきというご批判は、まったくその通り
なんですが、right-wing か far-right かという話ならば、欲しかったのは過激な右派の
情報なので、日本版 Wikipedia の編集方針の方がこちらの目的に合致していました。
まあ、「記事の正確さ」と「中立的な観点」への疑問が提出され、さらに「『独自研究』に
基づいた記述が含まれているおそれ」の 3 つ並んでいるページではありますが。

で、(実力行使も辞さないような、おっかない) 右翼がいるかどうか?――いるよ、というのに
本文の記述は留まっています。括弧の中の記述は私の勝手な追加定義ですが、元の
文章が、おっかない右翼を前提としていると思われるので (唐沢俊一も、イギリスに保守
派はいるのかどうかは疑問に思っていないでしょう)。

そこでストップしてよいかどうかは自分でも気になっていたのですが、ある団体 (UVF と
か) を右と左のどちらに分類するべきかという問題はあまり気になっていなくて (うわ、
我ながら乱暴)、イギリス王室の悪口をいわれたら抗議活動するような「右翼」がイギリス
にもいるの? とか、そもそも日本で皇室の悪口をいうのがはばかられる雰囲気は、街宣車
で活動しているような右翼の人たちのせいなの? というあたりです。皇太子は「ナサケ
ない」と書いただけで抗議に飛んでくる右翼の人たちがいるから恐いのか、マスコミの
過剰な自主規制なのか (規制しきれていないぞという気もしますが) というあたりも。

その他参考 URL:
- http://www.niyoniyo.net/vol9/hitolibrary/lecture/lecture.htm
- http://okwave.jp/qa1570831.html?ans_count_asc=2



2008/11/8  4:34

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>雁屋哲がエッセイ「美味しんぼの食卓」でも

http://www.amazon.co.jp/dp/4041783011/
>発売日: 1990/09

『キッチュワールド案内』は 1999 年から 2001 年までの『SF マガ
ジン』の連載がベースとのことで、ネタ元は『美味しんぼの食卓』と
いう可能性も何だかありそうですね。本文で引用した中にある「上流
人と味覚」の方は、邦訳が出ていなさそうですし。

2008/11/7  0:15

投稿者:mino

羊の目玉とイカの刺身の話は、
雁屋哲がエッセイ「美味しんぼの食卓」でも書いてました。
もう20年前の本ですね、これ。

2008/11/1  22:05

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>>>イギリスのチャールズ皇太子

>と書いた時点でアウトでしょうねえ。

あはは、確かに。(^_^;

タコは悪魔の方は、これ↓
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=49580
を見て納得して終わろうと思ったら、イカん、イカだったという……

2008/11/1  12:57


>確かにウェールズが今も「主権を持った一国家」と解釈できるなら、チャールズは君主ですね。

スコットランドの存在を最近知ったような唐沢が、プリンス オブ ウェールズを知っていたかどうかは甚だ疑問ですが、

>>イギリスのチャールズ皇太子

と書いた時点でアウトでしょうねえ。

2008/11/1  10:42

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>旧約聖書の「鱗のない魚を食べることの禁止」(レビ記11章、申命
>記14章)

「タコは悪魔の使い」とかはここから出ているのかしらとも思ったの
ですが、よくわからなかったので調査継続中です。

http://naobossa.exblog.jp/1820974/ (コメント欄)
>元々旧約聖書でタコを食べるのを禁じられていたのですが、その教
>義はタコが生息していて(タコは主に温帯から亜熱帯で生きる生き物)
>なおかつ日常的に食べていた南ヨーロッパの国はそれを受け入れ
>ず、タコとの接点が少ない北ヨーロッパで受け入れられたらしいで
>す。

南欧の人でなくとも、食べてみておいしければよし、と。

>"たこ焼き"・・・一度食べると・・けっこう、はまるみたいですよ!
>以前、パリの居酒屋の話を書いたことがあるのですが、夜遅くなっ
>てくるとフランス人の常連でお店が埋まり、彼らのほとんどが"たこ
>焼き"を注文しています^^

イタリアになると、屋台でゆでだことか。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%7Ecircus/italia/jyunbi/nani/nani-
eat.html

まあ「イカの刺身」については、ナマなのに抵抗があったのか? とも
思いましたが、自分から寿司屋に入ったのだとしたら、それもあまり
なさそうだし。


前の書き込みは
×反対する気が起きないがないからいいや
○反対する気が起きないからいいや

……すみません。

2008/11/1  10:19

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>何がナサケないのかは知らんけど。

新鮮なイカそうめんをすすりこむことを「人生の快事と心得ている」
唐沢俊一には許せなかったそうです。「羊のメダマだって、かの立川
談志はちゃんと食べた、と寄席で自慢していた」そうで、「次期国王
になろうという人間が、芸人にも劣る勇気の持ち主」なのが「いかに
も情けないではないか」と。

まあ、これについては、理由の方はともかく、結論については特に
反対する気が起きないがないからいいやと思ってスルーしています。

2008/11/1  10:08

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>プリンス・オブ・ウェールズ

『大人の品格』 P.16
>十三世紀後半、イングランド王エドワード一世がウェールズを征服
>して以来、イングランド皇太子はこの称号で呼ばれています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%97%e3%83%aa%e3%83%
b3%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%aa%e3%83%96%e3%83%bb%
e3%82%a6%e3%82%a7%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%82%ba
>もともとプリンス・オブ・ウェールズの称号は、グウィネズ地方の
>ウェールズ人支配者(公)、ルウェリン・ザ・ラストことルウェリ
>ン・アプ・グリフィズがウェールズのほぼ全域のウェールズ人の諸
>侯に支配力を及ぼして、全ウェールズの君主を意味するウェールズ
>大公(英語でプリンス・オブ・ウェールズ)と称したことに始ま
>る。この場合のプリンスは王子ではなく、主権を持った一国家の君
>主(元は「第一人者」の意)、すなわち「公」あるいは「大公」と
>訳される地位を指した。Prince の語源も参照。

確かにウェールズが今も「主権を持った一国家」と解釈できるなら、
チャールズは君主ですね。

個人的には、Wikipedia にあった、続きの話が結構好きです。

>1301年、エドワード1世はウェールズ人の反乱を抑えるため、王子
>エドワード(2世)にウェールズ大公(プリンス・オブ・ウェール
>ズ)の称号を授けてウェールズの名目上の君主とする。このため
>に、身重の王妃エリナーを当時ウェールズ侵攻の前線基地であった
>カーナーヴォン城に連れて行き、そこで王子を出産させたのであ
>る。エドワード2世をウェールズ人に「ウェールズ生まれの」支配者
>として受け入れさせるためであった。エドワード1世はウェールズの
>諸侯に赤ん坊を見せて「ウェールズ生まれで英語を話さない」と即
>位を認めさせた、という逸話がある。

2008/11/1  9:23


烏賊、胼胝に関しては、クリスチャンなら旧約聖書の「鱗のない魚を食べることの禁止」(レビ記11章、申命記14章)で、幼少の頃からの習慣になっていたとも考えられます。確かにイタリア、スペイン以外ではあまり見かけないような気もします(特に北の方では)。

2008/11/1  8:53

投稿者:?

王族の中でも、とすれば問題なかったろうに、なんで君主にしてしまったのか。何がナサケないのかは知らんけど。
プリンス・オブ・ウェールズという地位から、一応はウェールズの君主というこじつけもできなくはないけど、王太子が継ぐべき地位として形骸化してることを考えれば君主というのはきびしいだろうになあ。

   
 
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