トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/10/18  11:15

シンデレラのリスト――おしん、おすす、シンドレラ  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編

『トンデモ一行知識の逆襲』 まえがき
『シンデレラ』が初めて日本に紹介されたときのタイトルは『おしん物語』
だった。訳者は坪内逍遥。

 わはは。確かにシンデレラを日本風に呼べば“おしん”だな。しかも、
こきつかわれて灰かぶりなどと呼ばれていた苦労ばなしとして見れば、
あのNHKドラマ『おしん』にちゃんと相通じるところがある。こういう、
たくまざる偶然の一致のユーモアが一行知識にはあらまほしきものと
言えよう。

坪内逍遥の『おしん物語』というシンデレラの邦訳 (というか翻案?) は存在するという
ことでスルーしていたけど、2ちゃんねるのスレに、「初めて日本に紹介」したのは、
坪内逍遥ではなく、先行して発表された翻訳・翻案があるという意味の指摘があった
(Read More 参照)。

「あれっ」と思って、「トリビアの泉」での放映内容を書いているサイトを再度チェックして
みたら、「初めて日本に紹介」したのが坪内逍遥だとは、番組ではいっていない模様。
ついでに、唐沢俊一が根拠を示さず「たくまざる偶然の一致」としている「NHKドラマ
『おしん』
」との関連についても、ちゃんと問い合わせて確認している。

http://www1.ttv.ne.jp/%7Ek-company/shadow/laugh/vol_012.html
> 「シンデレラ」の邦題は「おしん物語」だった
>~確認VTR~
>・童話に詳しい 昭和女子大学 西本鶏介 教授 はこう語る
> Q.「シンデレラ」は「おしん物語」だった?
> 「そうですね、昭和の頃は確かに『シンデレラ』は『おしん物語』というタイトルでした
>ですね」
> Q.「おしん物語」は何に収められている?
> 「冨山房から出たですね、小学校の国語の教科書として国語読本に収められてる
>作品の一つですね」
>・「国語読本高等科女子用」を実際に見てみると、やはり「おしん物語」である
> その内容を現在のシンデレラと比べてみると、
> ○シンデレラはガラスの靴を忘れたのに対して、おしん物語は扇を忘れていた。
> ○さらに夢を叶えてくれる魔法使いが、おしん物語では弁天。
> ○そしてシンデレラが魔法が夜の12時に切れるのに対して、おしん物語では夕方の
> 6時に。
〈略〉
>3)「シンデレラ」が苦難を堪え忍んでいる様から「おしん(お辛)」と名付けた。
>4)問い合わせた所、橋田壽賀子さん脚本のドラマ「おしん」とは全く関わりは無い。


http://trivia-zatugaku.blogspot.com/2007/01/no081.html
>1901年に冨山房から出た国語の教科書に収められていて、原作を坪内逍遥がアレンジ
>したとのこと。


で、上記引用およびスレへの書き込み (Read More 参照) にもあるように、坪内逍遥の
『おしん物語』は 1901 年 (明治 34 年) 。

1886 年 (明治 19 年) に『郵便報知新聞』に発表された「新貞羅」 (シンデレラ)、1887 年
(明治 20 年) の菅了法訳『西洋古事神仙叢話』の中の「シンデレラの奇縁」などが先にあった。

さまざまな外国の童話が、翻訳・翻案によって日本に紹介され始めたのは、明治 20 年
代の頃から。坪内逍遥『おしん物語』は、シンデレラを「初めて日本に紹介」というには、
15 年ほど遅かった。

http://homepage3.nifty.com/nada/newpage6.html
>児童文学翻訳作品総覧
>全8巻企画 ナダ出版センター
〈略〉
>第3巻 フランス編【目録編】
> ペロー 略歴/翻訳書の序文・解説等による紹介
>  新発掘された「新貞羅(シンデレラ)」〔明治十九年訳〕全文紹介


http://www.keiocampus.net/archives/2007/10/post_1254.html
>特に西洋児童文学の紹介は、『郵便報知新聞』に掲載された「新貞羅」(シンデレラ、
>明治十九年十二月)を皮切りに、矢野竜溪配下の慶應義塾出身者の手で行なわれて
>いったのであり、


http://www.ird-kikaku.co.jp/Ird_H04_BookDetails_004.htm
>明治期のグリム童話翻訳の経緯をたどると、おおよそ三つの流れがある。一つは、
>最初の翻訳書である菅了法訳『西洋古事神仙叢話』や渋江保訳『西洋妖怪奇談』の
>ように、西欧世界を理解する系譜として現れた。


http://www.ndl.go.jp/jp/gallery/permanent/pdf/89.pdf
>15.「シンデレラの奇縁」
>  『西洋古事神仙叢話』 菅了法訳
>  東京 集成社 明20.4 145p 19cm <YDM205206>
>   ※グリムの初訳。英訳本と思われる。
>16.「シンドレラ嬢奇談(即泰西皿々奇談すなわちたいせいぺいぺいきだん)」
>  『西洋妖怪奇談 小学講話材料』 渋江保(幸福散史)訳 <YDM103068>
>  東京 博文館 明24.8 265p 20cm


http://www.geocities.jp/sa_e1983/reports/grim.html
>「シンデレラ=灰かぶり」のヒロインは「おすす」という名前に変えられて、「木綿の
>小袖」に「金銀に飾りたる舞踏靴」を履いて舞踏会に行くのだが、何とも妙なコーディ
>ネートになっている。
〈略〉
>「灰かぶり」の結末で、シンデレラの義姉の目玉を鳩がつつき出す場面が削除されて
>いるのは有名である。


個人的には「シンドレラ嬢奇談」を読んでみたい気が。『西洋妖怪奇談』に収録という
のが、よいですわね。

その他参考 URL:
- http://www.japanpen.or.jp/mailmagazine/050729.html
- http://www.netlaputa.ne.jp/%7Etokyo3/cinderellaj.html
- http://tmo-f.lunark.org/wiki.xcg?page=%BC%F8%B6%C8%A4%CE%B2%F2%C5%FA%A4%C8%B2%F2%C0%E2%2F%B9%F1%B8%ECLv2



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1223714076/524-

524 :無名草子さん:2008/10/17(金) 17:37:48
http://homepage1.nifty.com/SiteK4/tpakuri.htm
>・「シンデレラ」の邦題は「おしん物語」だった
>・「シンデレラ」が初めて邦訳されたときの題は「おしん物語」。
> 訳者は坪内逍遥(『一行知識の逆襲』)

※坪内逍遥「おしん物語」は1901年


http://www.geocities.jp/sa_e1983/reports/grim.html
>グリム童話の最初の日本語訳は、明治二十年(一八八七年)に出た『西洋古事神仙叢話』、
>訳者は桐南居士(管了法)である。
>たとえば、「シンデレラ=灰かぶり」のヒロインは「おすす」という名前に変えられて、
>「木綿の小袖」に「金銀に飾りたる舞踏靴」を履いて舞踏会に行くのだが、何とも妙な
>コーディネートになっている。

http://homepage3.nifty.com/nada/newpage6.html
>ペロー 略歴/翻訳書の序文・解説等による紹介
>新発掘された「新貞羅(シンデレラ)」〔明治十九年訳〕

http://www.keiocampus.net/archives/2007/10/post_1254.html
>特に西洋児童文学の紹介は、『郵便報知新聞』に掲載された「新貞羅」(シンデレラ、
>明治十九年十二月)を皮切りに、

525 :524:2008/10/17(金) 17:44:38
↓参考
http://tmo-f.lunark.org/wiki.xcg?page=%BC%F8%B6%C8%A4%CE%B2%F2%C5%FA%A4%C8%B2%F2%C0%E2%2F%B9%F1%B8%ECLv2



   
 
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