トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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文字列の一括置換をかけた都合上、旧ブログのコメント欄および2ちゃんねるのスレからの引用の中の URL も全部新 URL に置き換わっていますことを、あらかじめご了承ください
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2008/10/16  1:31

「夢買ふ人の事」で、ガセ増量のパクリ文を売る  その他の雑学本 パクリ探し編

『pronto pronto?』 Vol.11 「唐沢俊一のビジネス課外授業。」 P.17
奈良時代の政治家・吉備真備は若いころ、身分が低かったため、出世
できずに悩んでいた。そんなある日、高名な夢占い師の家へ行くと、
自分の前に来ていた国司(地方長官)の息子が中央に出て出世する夢を
見たので詳しく占っていたという。真備はその夢の内容を自分に売って
くれ、と半ば脅迫的に頼み込んだ。占い師はしぶしぶ承知して金を受け
取ったが、そのおかげで真備はぐんぐん出世したという。知らないうちに
出世の運を取られた国司の息子はいい迷惑だが……。

2ちゃんねるのスレ (Read More 参照) で、パクリ元と目されているのは、
この「夢物語」という題の文章↓

http://www5d.biglobe.ne.jp/%7EDD2/Rumor/yume.htm
>真備の親は、地方のさして位の高くない役人だったそうです。
〈略〉
>真備はあるとき、この夢占いをやっている占い師のところに行ったのですが、そこに
>たまたま国司の息子が客としてやって着ていました。国司というのは今風に言えば、
>政府に任命されて各都道府県にやって来た知事のような者だと思ってください。
〈略〉
> その前の客の様子をうかがっていると、なにやらすばらしい夢を見たようです。占い
>師がしきりに感嘆の声をあげ、あなたの前途は輝いているというような内容の事を
>言っていました。やがて、国司の息子は得意満面で表に出てきて、そのまま去って
>いきました。それと入れ替わるように真備は店の中に入り、前の客の夢の内容を聞き
>だそうとしました。しかし、占い師はなかなかその内容を語ろうとはしませんでした。
>それはある意味では当然だったのです。その夢の内容を人に話せば、最前の国司の
>息子は、約束された輝かしい未来への道を外れてしまうのですから。しかし、真備は
>粘りに粘ってどうにか占い師を口説き落とし、その夢の内容を買い入れ、そして異例の
>大出世コースを歩み始めたというわけです。


で、スレでも言及されていたが、唐沢俊一の書いたこの文章は、「『pronto pronto?』
Vol.11のガセネタ
」で、すでに間違いが指摘されているもの。そして、その間違いのうち:

>・この『夢買ふ人の事』では、若き日の吉備真備は、備中国の郡司の息子ということに
> なっている。「身分が低かった」なんてことはない。
>・真備が夢占い女のところに来ていたら、国司の息子がやってきたので、真備は隣の
> 部屋に隠れて、国司の息子の夢の話を盗み聞きしていた、というのが、ストーリー上
> かなり重要な部分だ。「自分の前に来ていた」わけではない。

上の 2 つの間違いは、両者に共通。ただし、「夢物語」の方は「前の客」とは書いている
ものの、「その前の客の様子をうかがっていると」としている。これに対し唐沢俊一は、
中央に出て出世する夢を見たので詳しく占っていたという」と、夢の話を占い師から
聞いたかのように劣化コピーしているので、ガセビア度はずっと高い。

>・国司は中央から地方に派遣される官吏で、任期が終われば中央に戻っていく。
> 「中央に出て」というのは、国司の任官形態に合っていない。


上記のこれは「夢物語」の方には入っていない。唐沢俊一の書いた文章中のみに存在
する間違い。

>・真備が「国司の息子は4年経ったら中央に帰っていく。私は郡司の息子でずっと国に
> いるのだから、私の方を大事にすべきだ」と頼み込んだところ、夢占い女も「そうね、
> あんたの言うとおり」と快諾している。別に「しぶしぶ承知」したわけではないし、「金
> を受け取った」わけでもない。

「夢物語」は、「粘りに粘ってどうにか占い師を口説き落とし、その夢の内容を買い入れ」。
唐沢俊一の方は、「自分に売ってくれ、と半ば脅迫的に頼み込んだ。占い師はしぶしぶ
承知して金を受け取った
」。
どちらも同じ間違い――といってしまうのは気の毒なくらい、唐沢俊一の方の「宇治拾遺
物語」からの逸脱ぶりは酷い。「夢物語」の方は、占い師が「金を受け取った」とは書いて
いないし (受け取ったのは衣)。

なお、「『pronto pronto?』Vol.11のガセネタ」でも紹介されているが、おおもとの宇治
拾遺物語『夢買ふ人の事』は、ここで読める。

その他参考 URL (比較対象):
- http://www51.tok2.com/home/sendatakayuki/bungei/bungei15.html
- http://blog.goo.ne.jp/cuckoo_01/c/78bfb781325a9672ff453fe272ef34e3




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1223714076/292-

292 :無名草子さん:2008/10/15(水) 12:10:27
『pronto pronto?』Vol.11「唐沢俊一のビジネス課外授業。」p.17
>奈良時代の政治家・吉備真備は若いころ、身分が低かったため、出世できずに悩んでいた。
>そんなある日、高名な夢占い師の家へ行くと、自分の前に来ていた国司(地方長官)の息子が
>中央に出て出世する夢を見たので詳しく占っていたという。
>真備はその夢の内容を自分に売ってくれ、と半ば脅迫的に頼み込んだ。
>占い師はしぶしぶ承知して金を受け取ったが、そのおかげで真備はぐんぐん出世したという。
>知らないうちに出世の運を取られた国司の息子はいい迷惑だが……。

唐沢のパクリ元、ココ↓
http://www5d.biglobe.ne.jp/~DD2/Rumor/yume.htm
>真備の親は、地方のさして位の高くない役人だったそうです。
>真備はあるとき、この夢占いをやっている占い師のところに行ったのですが、
>そこにたまたま国司の息子が客としてやって着ていました。
>その前の客の様子をうかがっていると、なにやらすばらしい夢を見たようです。
>やがて、国司の息子は得意満面で表に出てきて、そのまま去っていきました。
>それと入れ替わるように真備は店の中に入り、前の客の夢の内容を聞きだそうとしました。
>しかし、占い師はなかなかその内容を語ろうとはしませんでした。
>その夢の内容を人に話せば、最前の国司の息子は、
>約束された輝かしい未来への道を外れてしまうのですから。
>しかし、真備は粘りに粘ってどうにか占い師を口説き落とし、
>その夢の内容を買い入れ、そして異例の大出世コースを歩み始めたというわけです。

安岡先生が↓で指摘してるガセネタ、パクリ元に全部はいってる
http://slashdot.jp/~yasuoka/journal/447466




2008/10/17  1:53

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

まあ、その……古文が得意でない者の一人としていえば、自力で現代
語訳したものを使うことを不安に思ったりとか、親切に解説を加えて
ふくらましたような文章を見つけたら、これはありがたいとそちらの
方だけを見てしまったりとかは、気持ちとしてはわからないでもない
です実は。

http://tondemonai2.web.fc2.com/651.html
に孫引用している『四畳半襖の下張』の文章。あれを、「戦後教育し
か受けていない身にはこの擬古文は意味を追うだけでせいいっぱい」
と書いていることから想像するに、唐沢俊一は相当古文が苦手なの
ではないかと。

http://sengna.com/log/eid23.html なども、他人の訳をそのまま、
ってパターンですね (こちらは古文というより漢文ですが)。

2008/10/16  13:07


うーむ、『宇治拾遺物語』っていうモトネタがあるんだから、そっちからパクれば著作権も切れてるんですよね。なんでわざわざ、オリジナリティあふれるガセネタのページからパクるのか…。

   
 
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