2008/10/9 0:53
『世界の超リッチ』(6) - バッキンガム宮殿 その他の雑学本 パクリ探し編
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.92
引用の前半部分は、部屋や使用人の数、時計の係についてのおかしさについて、
「バッキンガム宮殿って約半分の部屋に振子時計があるのかな」と「時計仕掛けの
明け暮れ」のエントリーの中でも引用した。
また「宮殿の中には専用の」に続く部分は、バッキンガムの中に映画館はあるのか
と疑問に思い (宮殿内の Theatre が映画館っぽくなかったので)、2ちゃんねるの
スレに書き込んだときに、映画館はあると教えてもらった部分 (Read More 参照)。
……で、この唐沢俊一の文章は、『世界の超リッチ』からの引き写しだったようだ。
『世界の超リッチ』 (駿河台出版社) P.8
>バッキンガムはヴァチカンと同じく国の中の国のように見える。もちろん本ものの
>国ではないけれども。六五〇の部屋と十七ヘクタールの庭園のために三四六人
>の使用人。時計掛りが一人いて、一日に八時間かけて三百の振子時計のねじを
>巻く。調理場は食堂から遠く離れているので、料理は暖める装置つきの運搬車で
>運ばれる。宮殿には、専用の郵便局、警察署、銀行、学校、映画館、病院、そして
>六つのレストランがある。
さらに、『世界の超リッチ』には、「アラブのカレド王の宮殿」について、このように
書かれている。
『世界の超リッチ』 (駿河台出版社) P.10
>廊下はものすごく広くて、その通行は電機仕掛けの車で行われるし、宮殿から
>付属の建物へは、三車線の高速道路で直接行けるようになっている!。
唐沢俊一は、「こういう話を愉快そうに話してくれるイギリス人たち」と書いているが、
『世界の超リッチ』の著者のステファーヌ・クールシォールとステファンス・マロは、
どちらもフランス人である。そもそも外国人の知り合いから直接聞いたように演出する
ということ自体、何かみっともないが……。
『世界の超リッチ』の訳者あとがきによると、著者の二人は『フランス=ソワール』と
『テレ=ポシュ』の記者とのこと。また、あとがきには、こうも書かれている。
『世界の超リッチ』 (駿河台出版社) P.208
> 原書は一九八五年の出版だが、内容はそれ以前にさかのぼる部分も多く、円高、
>ドル安の現在の換算率で円に直すと必ずしも当らないことになる。数字については
>これで何億円などと考えず、浪費の壮大さを示すしるしだとお考えいただきたい。
1985 年ならば、『トンデモ一行知識の逆襲』 (2000 年) の時点でも 15 年前。さらに
本に書かれているバッキンガム宮殿の情報が 1985 年時点の最新のものだったという
保証もない。それをそのまま使ってしまうというのは、いかにも唐沢俊一らしい。
『世界の超リッチ』からのパクリ疑惑 (これは後で整理予定)
・世界の超リッチ (1) - ペットのワニ用浴槽か浴室
・世界の超リッチ (2) - ジムまではヘリコプターで
・世界の超リッチ (3) - 落ち葉は中央ヨーロッパ産
・世界の超リッチ (4) - 五千キロの旅と肉
・世界の超リッチ (5) - 小遣いで広告代理店
それ以外の書籍からのパクリ疑惑
・ところで猫や蛇って唾を吐くものだっけ?
・「ギリシア彫刻のように」も他人の翻訳からのパクリ
・漫画での金日成の超能力の描き方はムダにドラえもん風
・『死刑百科事典』の抜粋と「親切&便利な検索結果付き」との連携
・山田風太郎の『銀河忍法帖』はとても面白いんだけど
・月刊『現代』の座談会は『性の人類学シンポジウム』だった!
・で、どの時代のヨーロッパ人にとって「革命的」だったって?
以前は正しかった内容も、年月の経過でガセビアに……
・ohm の逆は mho
・15年前の本だったら正しかったネタ?
・2006 年へのタイムスリップ?
http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1221653989/
527 :無名草子さん:2008/09/22(月) 00:41:16
唐沢によるとバッキンガム宮殿には映画館があるそうだけど
Theatre っていうのは映画館っぽくない。
それとも別にあるのかな映画館。
583 :無名草子さん:2008/09/22(月) 14:28:48
>>527
どういう流れかわからないけど、イギリス英語なら映画館はcinemaだね。
909 :無名草子さん:2008/09/24(水) 00:55:40
>>583
遅レスだけど、ありがとうです。
こういうのが、逆襲にあったので↓
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.92
-------
宮殿の中には専用の郵便局、警察、銀行、学校、映画館、そして六つの
レストランがあり、皇族たちが客をもてなすのに使っている。自分たちが
食事をするのは宮殿内の食堂だが、あまりに宮殿が広く、調理場から持って
くるまでに冷えてしまうので、保温装置つきの特殊な運搬車が使用される。
-------
Wikipedia の記述には、警察や学校や映画館はない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%90%e3%83%83%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%83%a0%e5%ae%ae%e6%ae%bf
>宮殿約1万坪の敷地を誇り、舞踏会場、音楽堂、美術館、接見室や図書館等が
>設置されている。
これの元ネタと思われる
http://www.royal.gov.uk/OutPut/Page569.asp
http://www.royal.gov.uk/output/page3718.asp
あたりにも。
912 :無名草子さん:2008/09/24(水) 02:36:14
>>909
なるほど、そういう内容だったんですね。
だけど残念ながら映画館はあるみたい。
http://www.royal.gov.uk/output/page5495.asp
ここの24のところに
>24:Buckingham Palace has its own chapel, post office, swimming pool, staff >cafeteria, doctor's surgery and cinema.
とあるので。
この部分しか読んでないから、明日にでも他のところ見てみるよ。
郵便局なんかよりも、スタッフ用のカフェのがほのぼのしたネタになりそうなのにな。
913 :無名草子さん:2008/09/24(水) 03:07:45
>>912
いえいえ、知りたいのは実際どうなのかだし、映画館については
唐沢俊一以外の人も書いていたので残念というわけでは。
しかしページ内検索にしくじったのは痛い<自分
どうも、お手数かけてすみません。
バッキンガム宮殿の中は六百五十の部屋と三百四十六人の使用人が
おり、三百個の振子時計のゼンマイを巻くのに、係が一日八時間かける。
のだそうである。
宮殿の中には専用の郵便局、警察、銀行、学校、映画館、そして六つの
レストランがあり、皇族たちが客をもてなすのに使っている。自分たちが
食事をするのは宮殿内の食堂だが、あまりに宮殿が広く、調理場から持って
くるまでに冷えてしまうので、保温装置つきの特殊な運搬車が使用される。
しかしながら、こういう話を愉快そうに話してくれるイギリス人たちは、こう
つけ加えるのを忘れない。
「うちの国の王室なんか、アラブに比べれば生活保護が申請できるくらい
だよ。アラブのカレド王の王宮は、離れの建物まで出向くのに、三車線の
ハイウェイが通っているんだからね!」
引用の前半部分は、部屋や使用人の数、時計の係についてのおかしさについて、
「バッキンガム宮殿って約半分の部屋に振子時計があるのかな」と「時計仕掛けの
明け暮れ」のエントリーの中でも引用した。
また「宮殿の中には専用の」に続く部分は、バッキンガムの中に映画館はあるのか
と疑問に思い (宮殿内の Theatre が映画館っぽくなかったので)、2ちゃんねるの
スレに書き込んだときに、映画館はあると教えてもらった部分 (Read More 参照)。
……で、この唐沢俊一の文章は、『世界の超リッチ』からの引き写しだったようだ。
『世界の超リッチ』 (駿河台出版社) P.8
>バッキンガムはヴァチカンと同じく国の中の国のように見える。もちろん本ものの
>国ではないけれども。六五〇の部屋と十七ヘクタールの庭園のために三四六人
>の使用人。時計掛りが一人いて、一日に八時間かけて三百の振子時計のねじを
>巻く。調理場は食堂から遠く離れているので、料理は暖める装置つきの運搬車で
>運ばれる。宮殿には、専用の郵便局、警察署、銀行、学校、映画館、病院、そして
>六つのレストランがある。
さらに、『世界の超リッチ』には、「アラブのカレド王の宮殿」について、このように
書かれている。
『世界の超リッチ』 (駿河台出版社) P.10
>廊下はものすごく広くて、その通行は電機仕掛けの車で行われるし、宮殿から
>付属の建物へは、三車線の高速道路で直接行けるようになっている!。
唐沢俊一は、「こういう話を愉快そうに話してくれるイギリス人たち」と書いているが、
『世界の超リッチ』の著者のステファーヌ・クールシォールとステファンス・マロは、
どちらもフランス人である。そもそも外国人の知り合いから直接聞いたように演出する
ということ自体、何かみっともないが……。
『世界の超リッチ』の訳者あとがきによると、著者の二人は『フランス=ソワール』と
『テレ=ポシュ』の記者とのこと。また、あとがきには、こうも書かれている。
『世界の超リッチ』 (駿河台出版社) P.208
> 原書は一九八五年の出版だが、内容はそれ以前にさかのぼる部分も多く、円高、
>ドル安の現在の換算率で円に直すと必ずしも当らないことになる。数字については
>これで何億円などと考えず、浪費の壮大さを示すしるしだとお考えいただきたい。
1985 年ならば、『トンデモ一行知識の逆襲』 (2000 年) の時点でも 15 年前。さらに
本に書かれているバッキンガム宮殿の情報が 1985 年時点の最新のものだったという
保証もない。それをそのまま使ってしまうというのは、いかにも唐沢俊一らしい。
『世界の超リッチ』からのパクリ疑惑 (これは後で整理予定)
・世界の超リッチ (1) - ペットのワニ用浴槽か浴室
・世界の超リッチ (2) - ジムまではヘリコプターで
・世界の超リッチ (3) - 落ち葉は中央ヨーロッパ産
・世界の超リッチ (4) - 五千キロの旅と肉
・世界の超リッチ (5) - 小遣いで広告代理店
それ以外の書籍からのパクリ疑惑
・ところで猫や蛇って唾を吐くものだっけ?
・「ギリシア彫刻のように」も他人の翻訳からのパクリ
・漫画での金日成の超能力の描き方はムダにドラえもん風
・『死刑百科事典』の抜粋と「親切&便利な検索結果付き」との連携
・山田風太郎の『銀河忍法帖』はとても面白いんだけど
・月刊『現代』の座談会は『性の人類学シンポジウム』だった!
・で、どの時代のヨーロッパ人にとって「革命的」だったって?
以前は正しかった内容も、年月の経過でガセビアに……
・ohm の逆は mho
・15年前の本だったら正しかったネタ?
・2006 年へのタイムスリップ?
http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1221653989/
527 :無名草子さん:2008/09/22(月) 00:41:16
唐沢によるとバッキンガム宮殿には映画館があるそうだけど
Theatre っていうのは映画館っぽくない。
それとも別にあるのかな映画館。
583 :無名草子さん:2008/09/22(月) 14:28:48
>>527
どういう流れかわからないけど、イギリス英語なら映画館はcinemaだね。
909 :無名草子さん:2008/09/24(水) 00:55:40
>>583
遅レスだけど、ありがとうです。
こういうのが、逆襲にあったので↓
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.92
-------
宮殿の中には専用の郵便局、警察、銀行、学校、映画館、そして六つの
レストランがあり、皇族たちが客をもてなすのに使っている。自分たちが
食事をするのは宮殿内の食堂だが、あまりに宮殿が広く、調理場から持って
くるまでに冷えてしまうので、保温装置つきの特殊な運搬車が使用される。
-------
Wikipedia の記述には、警察や学校や映画館はない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e3%83%90%e3%83%83%e3%82%ad%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%83%a0%e5%ae%ae%e6%ae%bf
>宮殿約1万坪の敷地を誇り、舞踏会場、音楽堂、美術館、接見室や図書館等が
>設置されている。
これの元ネタと思われる
http://www.royal.gov.uk/OutPut/Page569.asp
http://www.royal.gov.uk/output/page3718.asp
あたりにも。
912 :無名草子さん:2008/09/24(水) 02:36:14
>>909
なるほど、そういう内容だったんですね。
だけど残念ながら映画館はあるみたい。
http://www.royal.gov.uk/output/page5495.asp
ここの24のところに
>24:Buckingham Palace has its own chapel, post office, swimming pool, staff >cafeteria, doctor's surgery and cinema.
とあるので。
この部分しか読んでないから、明日にでも他のところ見てみるよ。
郵便局なんかよりも、スタッフ用のカフェのがほのぼのしたネタになりそうなのにな。
913 :無名草子さん:2008/09/24(水) 03:07:45
>>912
いえいえ、知りたいのは実際どうなのかだし、映画館については
唐沢俊一以外の人も書いていたので残念というわけでは。
しかしページ内検索にしくじったのは痛い<自分
どうも、お手数かけてすみません。