トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/9/14  12:34

「あまりアテにはならないことは覚えておこう」の唐沢トリビア  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.103
 例えば、あらゆる宝石中で最も固いダイヤモンドは、その連想から愛の
不滅を与える力があるとされている。……もっとも、

 世界で最初にダイヤを婚約指輪として相手に贈ったのは神聖ローマ皇帝
マクシミリアン一世で、彼がまだその帝位を継ぐ前に、ブルゴーニュ公女
マリーに対して捧げたもの。

 であるが、マリーは結婚を待たずに死んでしまっている。あまりアテには
ならないことは覚えておこう

マクシミリアンとマリーは、ちゃんと結婚したし、夫婦仲もよかったそうだし、マリーが
落馬が原因で亡くなる前に子どもも 3 人生んでいるので、「結婚を待たずに死んで
しまっている
」はガセビア。もともと嫌な話でないものを嫌な話に仕立て上げるのは、
いつものことといってよいだろう。

また、マクシミリアンとマリーの子ども 2 人 (3 人のうち一子は夭折) はそれぞれ、
息子のフィリップはカスティーリャ王となり、娘のマルグリッドはフランス王シャルル
8世の妃となった。「マリーは結婚を待たずに死んでしまっている」は、かなりオオゴト
となる歴史改変でもある。

彼がまだその帝位を継ぐ前に」というのも少しおかしい。「神聖ローマ皇帝」とは、
国王選挙によって選出されるもの。実際、他の資料では「選ばれた」「選出された」
などの表現になっている。

http://www.your-diamond.net/modules/tinyd0/rewrite/tc_17.html
>史実にのこる世界で最初の婚約指輪は15世紀にさかのぼります。ブルゴーニュ公
>シャルルの娘マリアと、ハプスブルグ家の王子マクシミリアン大公との婚約の際に
>贈られた指輪です。Mの文字をかたどった指輪で、聖母マリアと、マリア、マクシミ
>リアンのふたりの結びつきを表していると言われています。彼はその後、ローマ王
>に選ばれマクシミリアン一世となり、「近世のヨーロッパ王政史はハプスブルグの
>歴史だ」と言われた大帝国を欧州に築いたハプスブルグ家の土台を築いていった
>のです。


http://ja.wikipedia.org/wiki/マクシミリアン1世_(神聖ローマ皇帝)
>当時のハプスブルク家は裕福ではなかったが、マクシミリアン本人の魅力に加え、
>シャルル突進公の「いつか自身が皇帝に」という野望もあり、その娘でヨーロッパ
>随一の豊かさと文化的成熟さを誇っていたブルゴーニュ公国唯一の後継者マリー
>と婚約する。双方の思惑もありなかなか結婚に至らなかった。1477年シャルル突
>進公がナンシーで陣没したことで、ブルゴーニュ国内は大混乱に陥ってしまう。国
>内では貴族がこの機会に権利の拡大を画策し始め、さらにフランスの侵攻も目の
>当たりにし、孤立無援のマリーは婚約者たるマクシミリアンに結婚(=救援)を要
>請する。こうして1477年8月19日、同地の聖バボ教会で華燭の典を挙げる。
〈略〉
>政略結婚ではあったものの、マリーとは共に狩りに出かけたり、互いの言語を教え
>合ったりと非常に仲むつまじい夫婦であったという。フィリップとマルグリット(マル
>ガレーテ)という2子(次男フランソワは夭折)に恵まれる。しかし1482年3月、マ
>リーは落馬事故で負った怪我で死亡してしまう。この際「フィリップとマルグリット
>2人を相続人に指定し、嫡男フィリップが15歳に達するまでは夫マクシミリアンをその
>後見人とするものである」という遺言をしたため、家臣には夫たるマクシミリアンに
>仕えるよう言い残し、この世を去る。
>しかしマリーの死後、彼女の遺志は完全に無視され公国内の有力貴族達は4歳の
>フィリップを擁立して反乱を起こす。マクシミリアンはフランス王ルイ11世の息のか
>かったフランドル諸都市の歩兵部隊(すでに仲違いしていた)に幽閉されるに至り、
>ルイ11世とアラスの和 を結んで事実上の敗北を認め、ブルゴーニュ公退位を余
>儀なくされる。また彼の2歳の娘マルグリットはフランス王太子シャルル(後のシャ
>ルル8世)と婚約させられ、フランスで養育されることとなった。
〈略〉
>1493年、父の死に伴い神聖ローマ皇帝に選出され、ローマで教皇によって戴冠
>されることのない初めての皇帝となる。


http://ja.wikipedia.org/wiki/神聖ローマ皇帝
>中世を通じて国王選挙には、しばしば教皇やのちには外部の王権が介入すること
>があったが、1356年にカール4世は金印勅書を発して、国王選挙に参与する選帝
>侯の地位を固定し、その世襲を明確化した上で選挙によって選ばれた国王がただ
>ちに皇帝としての権力を得ると定めることで、皇帝権の自律性を高めた。


この『トンデモ一行知識の逆襲』では、カルピスとか乳製品関係についてもほぼ全滅
状態だった (ここの、おまけを参照) けど、宝石関係の雑学も壊滅的。まあこの本の
欄外の一行知識に「ダイヤモンドは『炭素』の固まりである」と、ただそれだけを書いて
終わり――ということもしているのが唐沢俊一という人なのだから、ある意味納得のいく
結果ではある。

天の光はすべて星、彼の雑学はすべて嘘
フランスではパールは 10 月の誕生石

その他参考 URL:
- http://plaza.rakuten.co.jp/jewelrydolce/diary/200706070000/



   
 
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