2008/8/31 13:31
擬古文といわれるとなぜかギコハハハを思い出す 『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編
『トンデモ一行知識の逆襲』 P.86
「『面白半分』が二十年ほど前、これを再録して」って……『トンデモ一行知識の逆襲』
の出版が 2000 年、『面白半分』に『四畳半襖の下張』が掲載されたのが 1972 年、
28 年前のことを「二十年ほど前」とはいわない (起訴されたのは 1973 年)。
雑誌掲載時の表記を修正するのをサボったのだろうが、初出は「UtaN」1996 年 8 月号
とのことで、それでも 24 年前。もうこの時点で「二十年ほど前」が適切かどうか微妙。
http://ja.wikipedia.org/wiki/四畳半襖の下張
>1972年、雑誌『面白半分』に掲載されて摘発を受け(四畳半襖の下張事件)、その後
>の裁判において特に有名になった。
〈略〉
>作者「金阜山人」がたまたま買った古家の四畳半で、襖の下張から古人の手になる
>春本を見つけ、それを浄書して読者に紹介するという説明が導入部にあり、いわゆる
>「入れ子細工」の構造になっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/野坂昭如
>1973年2月21日、編集長を務めていた月刊誌「面白半分」に掲載した「四畳半襖の
>下張」につき、刑法175条「猥褻文書の販売」違反に問われ、起訴される。
それと、「高校時代の古文の時間を思い出す」もので、「コウフンするとか欲情をきたす
とかいった感覚とはまるでかけはなれたもの」というのはよいとして、それを説明する
ための引用箇所が、現代文で書かれていようがどうしようが、「コウフンするとか欲情を
きたすとか」いう場面ではないだろうというのには、どうしたものかといいたい。まあ、
摘発が恐かったからという話かもしれないけど。
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/%7Esuga/hanrei/31-2.html
>『四畳半襖の下張』事件 控訴審
>「奇麗な擬古文で書いてあつて現代に生きる我々は、猥せつの感じをもち得ないもの
>であるし、擬古文であるためこの文章を読む若い人達は外国語を読んでいるように
>感じ、到底猥せつ感というようなものはもよおさないと考えられました」
追記: 今読み直してみたら「大正四年の作」とあるけど、多分これも間違い。春本版
自体に記述されている「関東大震災の翌年」ならば大正 13 年だし、春本版ではない
方が、『文明』に掲載されたという大正 6 年より前とは考えにくい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/四畳半襖の下張
>荷風作『四畳半襖の下張』 荷風が雑誌『文明』(大正6年)に発表した短編小説。
〈略〉
>伝荷風作・春本版『四畳半襖の下張』 冒頭に「金阜山人戯作」とあり、関東大震
>災の翌年に記した旨の記述がある。
たとえば、『四畳半襖の下張』という日本で最も有名なポルノがある。雑誌
『面白半分』が二十年ほど前、これを再録して訴えられたものだ。これは、
大正四年の作なのだが、正直いって、これを読み通したときの私の感想は、
高校時代の古文の時間を思い出す、といったものであり、コウフンするとか
欲情をきたすとかいった感覚とはまるでかけはなれたものだった。なにしろ、
その文章たるや、
「さるところ久しく売家の札斜に張りたる待合。固より横町なれども、其後
往来の片側取りひろげになり、表通の見ゆるやうになりしかば、待合家業
当節の御規制にて、代がかはれば二度御許可になるまじとの噂に、普請は
申分なき家なれど、買手なかなかつかざりしを、こゝに金阜山人といふ馬鹿
の親玉、通りがゝりに何心もなく内をのぞき、家づくり小庭の様子一目見る
なり無暗とほれ込み、早速買取りこゝかしこ手を入れる所から母屋から濡縁
つたひの四畳半、その襖の下張何やら一面にこまかく書きつゝる文反古……」
といった具合で、戦後教育しか受けていない身にはこの擬古文は意味を
追うだけでせいいっぱいなのである。
「『面白半分』が二十年ほど前、これを再録して」って……『トンデモ一行知識の逆襲』
の出版が 2000 年、『面白半分』に『四畳半襖の下張』が掲載されたのが 1972 年、
28 年前のことを「二十年ほど前」とはいわない (起訴されたのは 1973 年)。
雑誌掲載時の表記を修正するのをサボったのだろうが、初出は「UtaN」1996 年 8 月号
とのことで、それでも 24 年前。もうこの時点で「二十年ほど前」が適切かどうか微妙。
http://ja.wikipedia.org/wiki/四畳半襖の下張
>1972年、雑誌『面白半分』に掲載されて摘発を受け(四畳半襖の下張事件)、その後
>の裁判において特に有名になった。
〈略〉
>作者「金阜山人」がたまたま買った古家の四畳半で、襖の下張から古人の手になる
>春本を見つけ、それを浄書して読者に紹介するという説明が導入部にあり、いわゆる
>「入れ子細工」の構造になっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/野坂昭如
>1973年2月21日、編集長を務めていた月刊誌「面白半分」に掲載した「四畳半襖の
>下張」につき、刑法175条「猥褻文書の販売」違反に問われ、起訴される。
それと、「高校時代の古文の時間を思い出す」もので、「コウフンするとか欲情をきたす
とかいった感覚とはまるでかけはなれたもの」というのはよいとして、それを説明する
ための引用箇所が、現代文で書かれていようがどうしようが、「コウフンするとか欲情を
きたすとか」いう場面ではないだろうというのには、どうしたものかといいたい。まあ、
摘発が恐かったからという話かもしれないけど。
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/%7Esuga/hanrei/31-2.html
>『四畳半襖の下張』事件 控訴審
>「奇麗な擬古文で書いてあつて現代に生きる我々は、猥せつの感じをもち得ないもの
>であるし、擬古文であるためこの文章を読む若い人達は外国語を読んでいるように
>感じ、到底猥せつ感というようなものはもよおさないと考えられました」
追記: 今読み直してみたら「大正四年の作」とあるけど、多分これも間違い。春本版
自体に記述されている「関東大震災の翌年」ならば大正 13 年だし、春本版ではない
方が、『文明』に掲載されたという大正 6 年より前とは考えにくい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/四畳半襖の下張
>荷風作『四畳半襖の下張』 荷風が雑誌『文明』(大正6年)に発表した短編小説。
〈略〉
>伝荷風作・春本版『四畳半襖の下張』 冒頭に「金阜山人戯作」とあり、関東大震
>災の翌年に記した旨の記述がある。