トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/8/15  11:06

赤丹と青丹だって、赤短と青短だって、どれもそれぞれ違うのだし  その他の雑学本 間違い探し編

『キッチュワールド案内』 P.103 ~ P.104
もっとも、これだけの大事業を完成させた朝廷は、この大仏開眼のわずか
二十三年後に、青丹よしと歌われた(ちなみに青丹とは水銀を含んだ土の
ことである)奈良を捨てて、平安京へと遷都を行う。

×青丹とは水銀を含んだ土 ○青丹とは緑色の顔料の土 (岩緑青) または 青黒い土

青丹は、青黒い土、岩絵の具の岩緑青を含んだ土、濃い青に黄色の混じった染め色、
襲の色の名をさす。「水銀を含んだ土」という定義はない。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=青丹&dtype=0&stype=1&dname=0ss&index=100102700000
>あおに[あを―] 1 【青▽丹】
>〔補説〕 「に」は赤い土の意
>[1] 青黒い土。
> ・有らゆる土は色青き紺(はなだ)の如く、画に用ゐて麗し。俗(くにひと)―といひ
>〔出典: 常陸風土記〕
>[2] 岩緑青(いわろくしよう)のこと。
>[3] 染め色の名。濃い青に黄をおびた色。青緑色。
>[4] 襲(かさね)の色目の名。表裏ともに青丹[3] 。または、表は香(こう)色、裏は薄青。


岩緑青というのは、孔雀石からとれる顔料。銅の錆と同じ緑青の名前がついているが、
成分は炭酸水酸化銅」。水銀とは関係ない。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=岩緑青&dtype=0&stype=2&dname=0ss
>いわろくしょう[いはろくしやう] 3 【岩 緑青】
>岩絵の具の一。孔雀石(くじやくいし)から製した顔料。暗緑色。成分は炭酸水酸化銅。


想像するに、緑青も水銀も毒といわれていたこと (緑青の毒性は現在否定されている
そうだ) と、水銀がとれる鉱石が「丹」とも呼ばれていたことによる混同ではないか。
上に引用した大辞林の補説にある「『に』は赤い土の意」というのは、水銀のとれる辰砂
(朱、丹) のことをさすのだろう。

http://metalcraft.jp/talk/index.html
>銅が錆びると青い「緑青(ろくしょう)」を生じてきます。この緑青は古くから有毒だと
>信じられてきました。実際、古い辞典を見てみると「毒」「人体に有害」と書かれている
>ものがあります。
>現在では無毒性は証明されていますが、過去に緑青が毒物とされてきたのは、日本
>の銅製品に猛毒のヒ素が混入していたから、銅板の接合に有毒な鉛が多量に使われ
>ていたからだと言われています。

>水銀は、辰砂という鉱石(砂)から採れます。辰砂は別名「朱、(もしくは丹)」として、
>大変希少な素材として丁重に扱われました。高貴な色の一つの朱は、もともと金属を
>支配する特権階級の象徴でもありました。「辰」=「朱」=「丹」で、全国各地にある
>「丹生」は、「金属を支配するための水銀産地」を意味し、権力者から保護されてきた
>歴史があります。水銀産地を護るための「丹生(にう、にぶ)」神社も全国各地に多数
>存在します。


2ちゃんねるのスレへの最初の指摘書き込みには、広辞苑の定義の方が引用されて
いる。奈良で「顔料の青丹を産出」していたと文献には残っているが真偽は不明、
顔料にするために青丹を馴熟(なら)す」ことから、「青丹よし」に「奈良」が続くという
説もあるとのこと。この説をとるとすると、駄洒落ですな。

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1217648157/831
>831 :無名草子さん:2008/08/15(金) 00:56:58
>『キッチュワールド案内』P104

>>青丹によしと歌われた(ちなみに青丹とは水銀を含んだ土のことである)奈良を捨てて、
>>平安京へと遷都を行う。

>青丹て「水銀を含んだ土」のことなのか?

>違うよ、唐沢。

>『広辞苑』
>あおに‐よし【青丹よし】アヲ‥〔枕〕(ヨもシもともに間投助詞)「奈良」「国内(くぬち)」に
>かかる。
>奈良に顔料の青丹を産出したことが秘府本万葉集抄にみえるが、
>事実か伝説の記録か不明。
>一説に、「なら」に続けたのは顔料にするために青丹を馴熟(なら)すによるという。

>唐沢っていちいちウンチクが間違ってるからすごいね。




   
 
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