トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/8/2  20:59

妄想と劣化の花火  その他の雑学本 間違い探し編

『唐沢俊一の雑学王』 P.34 花火のトリビア
 火薬はもともと媚薬だったという説がある。8世紀頃、中国の皇帝が学者
に命じて作らせていたという惚れ薬が、実験中にたまたま爆発した結果、
今の使用法が発見されたのだとか。怪しげな説で、ちょっと信用しかねるが、
しかし黒色火薬は硝石(硝酸カリウム)、硫黄などを原料としており、硝石は
神経に作用して麻薬的な効果があることが知られているし、硫黄化合物の
中には精力剤として有名なものも多い。あながち、まったく根拠のない話でも
ないかも。
 左ページの四コマにもあるように、花火大会がアベックたちの格好のデート
コースになっているのは、その爆発音と火薬の匂いに、男女が奇妙に性的
興奮を覚えるからだろう。あれは媚薬を爆発させているのだ、と思えば、その
興奮の理由も理解できるかもしれない。また火薬というのは皮膚を荒れさせ
るものだそうだ。浴衣姿で薄着の女性の肌に染みついた火薬の煙が、肌を
微妙に刺激する。かすかなかゆみ(イッチ感)は、女性にとり催淫効果がある。
こうなると花火見物は、男女にとってかなり濃厚な前戯といえると思う。

あるいは彼すらもバロウズのフォロワー」に引用しているが、『唐沢先生の雑学授業』
P.155 では「硝酸カリウムは今でも皮膚病のクスリに入っているし、イオウも殺菌能力が
あるから皮膚病に効果がある
」ということだった。これが今度は「硝石は神経に作用して
麻薬的な効果
」となり、硫黄は殺菌作用から精力剤の有力成分 (?) に変身である。

しかし、硝石と硫黄の薬効については、2005 年の『唐沢先生の雑学授業』と比べても、
2007 年のこの『唐沢俊一の雑学王』の記述の方が劣化している感じである。

硝石は神経に作用して麻薬的な効果がある」といっているが、ググった限りでは、神経
に作用して知覚過敏を防ぐ (なので歯ミガキ粉に使われる) という話なら多数ヒットする
が、麻薬的な効果について言及している資料は見つからなかった。長期間吸入により
神経系に影響を与え」る [1] と書いているところはあるが……。朝鮮朝顔のように、成分
に硝石を含み、かつ、麻薬的作用のある (硝石によるものとはされていない) 植物 [2] の
存在からの混同の可能性もある。

硫黄の方も、「硫黄化合物」となると範囲が広くなり過ぎる [3] し、精力剤の成分になる
ことがたまにある [4] からといって、媚薬効果をうんぬんするのもどうかと思う。

[1] - http://dominoweb.dojindo.co.jp/MSDS-Pab.nsf/view_display/D58C4CF733842D6D49256B80001D465C/$File/PK04.pdf
>粉塵を長期間吸入すると肺が冒されることがある。神経系に影響を与え神経疾患、
>神経精神障害を生じることがある。4)


[2] - http://www.drugsinfo.jp/2007/08/17-205700
>洋種朝鮮朝顔の成分:葉にはtropane alkaloidsのhyoscyamine、アトロピン、スコポラ
>ミン、アポアトロピン、メテロイジンの他、硝石を含む。

[3] - http://kwne.jp/%7Echanggum_ijutsu/magazine/040.htm
>今挙げた硫黄化合物の中には、猛毒として知られる物質もあれば、むしろ体内には
>欠かせない成分として活躍する成分もあるのです。
 

[4] - http://seiryoku.moshimo-istore.com/
>タマネギやニンニクに含まれている硫化アリルなどの硫黄化合物は、抗菌性があると
>ともにビタミンB1の吸収を高め疲労を回復する効果も期待できます。



まあ、火薬は媚薬説の真偽や、「とりあえず、エロ話にすればいい」 (Read More 参照) と
いうポリシーの有無とか是非はともかくとしても、「あれは媚薬を爆発させているのだ、と
思えば、その興奮の理由も理解できるかも
」となると、爆発しているのは媚薬ではなくて
唐沢俊一の妄想の方だという立派なトンデモになる。どこのカップルが、火薬は媚薬だと
頭に思い浮かべながら花火見物を楽しむというのか。

また、花火に使われている火薬が、どこをどうすれば「かすかなかゆみ(イッチ感)」を
女性に感じさせるまでに、肌を荒れさせる成分を空中に蔓延させられるというのだろうか。
女性がかゆみを感じるためには、花火見物の最中に蚊にさされるだけで充分であるし。

なお、2ちゃんねるの指摘書き込み (Read More 参照) 中の「正月のトリビア」については、
唐沢俊一のいう「神社の構造は 〈略〉 女体が足を広げた形にそっくり」は単なる妄想で
あるということを、「女体そっくりの神社があったら、もってきなさい」の方に以前書いた
ので、そちらもよろしく。




http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1203820731/

671 :無名草子さん:2008/02/28(木) 16:04:42
『唐沢俊一の雑学王』またかよ。
 とりあえず、エロ話にすればいいという手抜きの山

>女性にとって、晴れ着で着飾るのは、恋人に自分の肉体を誇示したいという願望の表れであり、
>また、二人で拍手を打つのは、男女の体が触れ合う行為、すなわち性行為を連想させる。
>さらに仮説をふくらませれば、神社の構造は左右に社殿が広がり中央に本殿が置かれる形式が
>一般的だが、これは女体が足を広げた形にそっくり。
P18「正月のトリビア」

>雨の日はラブホテルが満員になるという。まあ、雨の日には観光地に行ってもつまらないし、
>他にすることがないからとりあえず……というのが理由だろうが、果たしてそれだけか。
>雨で気圧が乱れている日は、女性はことに、体調が大きく変化しがちである。心理状態が
>混乱して、普通ならガードが堅い女のコも「もうどうにでもしてよ」といってしまう場合が、
>よくあるのだ。
P28「梅雨のトリビア」

>花火大会がアベックたちの格好のデートコースになっているのは、その爆発音と火薬の匂いに、
>男女が奇妙に性的興奮を覚えるからだろう。あれは媚薬を爆発させているのだ、と思えば、
>その興奮の理由も理解できるかもしれない。また火薬というのは皮膚を荒れさせるものだそうだ。
>浴衣姿で薄着の女性の肌に染みついた火薬の煙が、肌を微妙に刺激する。
>かすかなかゆみ(イッチ感)は、女性にとり催淫効果がある。
P34「花火のトリビア」



   
 
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