トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/7/28  1:54

セイントと青銅の雄牛といっても宇宙 (コスモ) とは無関係  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編

『トンデモ一行知識の世界』 P.151
 青銅製の、大きな牛の形をした器具も有名だ。この牛は内部が空洞に
なっており、そのおなかの部分の中に囚人を押し込める。不自然な格好で
押し込められるだけでも苦しいが、さらに、この牛の腹の下で火を焚くので
ある。
 青銅の牛は次第に熱せられ、中の囚人は蒸し焼きとなる。あまり熱を
あげてはすぐに死んでしまうため、ゆっくりと、低めの温度で焼かれ、さらに
焦げつかないように、内部にはときどき油が流し込まれるというから、ホントウ
に痒いところに手が届く(?)神経のこまやかさである。中の囚人の悲鳴が
青銅製の牛の中で反響し、あたかも本物の牛のような鳴き声をあげたという
ことである。

唐沢俊一による上記の文章では、青銅の牛という拷問器具は、スペインの異端審問所
長官トマス・デ・トルケマダ (唐沢俊一のいう「初代宗教裁判所長、トルケマダ」) が、
異端者とみなされた囚人の拷問に使用したことになっている。

しかし、調べてみた限りでは、聖エウスタキウス (188 年死亡) など、ローマ帝国時代に
キリスト教の聖人の拷問・処刑に使用されたという話はあっても、トルケマダが魔女狩りに
使用したという話は見つからなかった。

Wikipedia によると、使われ方としては、「ゆっくりと、低めの温度で焼」いたりするのでは
なく、青銅の牛が熱さで黄色くなるまで焚き火で熱してから、犠牲者を丸焼きにするため
牛の中に入れたとのこと。「内部にはときどき油が流し込まれる」ことはないが、もうもうと
立ちこめる香が、匂いのよい煙となって上昇するように設計されていた。

処刑が済んだ後、牛の腹を開けたときに見つかる犠牲者の骨は、宝石のように輝いて
綺麗だからということで、ブレスレットにしたそうだ。

また、唐沢俊一のいう「あたかも本物の牛のような鳴き声をあげた」の部分だけは他の
資料とも一致するが、Wikipedia によると、「青銅製の牛の中で反響」するからというより、
牛の鳴き声に聞こえるように牛の頭部が設計されていて、叫び声は頭部の複雑なチューブ
を通って変換される構造だったとのことである。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q109663970?fr=rcmd_chie_detail
>シラクサの王様が、ある芸術家に拷問処刑用の道具を作らせました。それは、青銅の
>牛。青銅製の中空の牛の像で、中に罪人を閉じ込め、焚き火で炙るのです。すると、
>猛烈な熱さに、中の罪人が絶叫をあげます。が、青銅製の牛の中から聞こえる叫びの
>ため、はっきりと聞こえず、「モーモー」と、まるで牛が鳴いているように聞こえる、という
>代物。これに喜んだ王様、「では、最初の被験者はお前だ」と、その芸術家を犠牲者第
>1号にした・・・。という話。多少、脚色されているのかもしれませんが、有名な話ですよ。


http://blogs.yahoo.co.jp/pryph641/13139964.html
>聖エウスタキウス
>〈略〉初めは、プラキドゥスというローマの軍人だった。狩りにでかけたある日、獲物の
>白鹿の角の間に、十字架が光まばゆく輝き、その中にキリストの姿が浮かぶのをみた。
>すぐさま彼は、キリスト教に改宗し、名前もエウスタキウスと改めた。〈略〉最後は迫害
>にあって青銅の牛の中で焼き殺されるという波瀾の生涯であった。狩人の守護聖人


http://saints.sqpn.com/sainte17.htm
> Died
> cooked to death in a bronze bull in 188


http://en.wikipedia.org/wiki/Brazen_bull
> The brazen bull, or the Sicilian bull, is an execution/torture device designed in
> ancient Greece.
> Perillos of Athens, a brass-founder[1], proposed to Phalaris, Tyrant of Agrigentum,
> the invention of a new means for executing criminals; accordingly, he cast a
> brazen bull, made totally of brass, hollow, with a door in the side. The condemned
> was shut up in the bull and a fire was set under it, heating the metal until it
> became "yellow hot" and causing the person inside to roast to death. So that
> 'nothing unseemly might spoil his feasting', Phalaris commanded that the bull be
> designed in such a way that its smoke rose in spicy clouds of incense. The head of
> the ox was designed with a complex system of tubes and stops so that the
> prisoner's screams were converted into sounds like the bellowing of an infuriated
> bull. It is also said that when the bull was reopened, the scorched bones of the
> remains shone like jewels and were made into bracelets.
> The Romans were recorded as having used this torture device to kill some
> Christian martyrs, notably Saint Eustace, who, according to Christian tradition,
> was roasted in a brazen bull with his wife and children by the Emperor Hadrian, and
> Saint Antipas, Bishop of Pergamum during the persecutions of Emperor Domitian,
> and the first martyr in Asia Minor, roasted to death in a brazen bull in c.92; his
> tomb became a site of supposed miracles.Another Christian martyr, Saint Pelagia
> of Tarsus, is said to have been burned in a brazen bull in 287 by the Emperor
> Diocletian.


その他参考 URL:
- http://www.nndb.com/people/837/000097546/




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