トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/7/17  3:14

「実際にあり得る」と「あったら面白いな」は違うでしょう  その他の雑学本 間違い探し編

『ブンカザツロン』 P.65
ウィリアム・ブルテンに、密室殺人小説にハマリ過ぎた故に、自分でその
可能性を試してみたくなった男の話 『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』
というのがある。

資産家の叔父が、遺言書から自分の名前を外そうとしているという立派な動機がある
犯人のことを、「可能性を試してみたくなった男」と言い表すのはおかしい――というのは、
2ちゃんねるのスレへの指摘書き込みにもあった通り (Read More 参照)。

http://members.jcom.home.ne.jp/4054323601/read/ronsousya3/carr.html
>両親のいないエドガーは叔父と暮らしていましたが、叔父が自分の名前を遺言書から
>外そうとしていることを知って、叔父殺害を計画します。エドガーは書斎で叔父を殺した
>あと、煙突から抜け出して、密室にするつもりでしたが…。


http://blog.goo.ne.jp/issatsu/e/bad38a8bbabb6703d20c7606358397a7
>「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」
>エドガー・ゴールドの人生は、12歳のとき近所の貸本屋で「テニスコートの謎」を手に
>とったとき決定づけられる。
>ひと晩で読みふけり、翌日は「アラビアンナイトの殺人」へ。
>以後、カー作品を耽読。
>エドガーは資産家の叔父とふたりで暮らしているのだが、叔父のダニエルは、エドガー
>の独立心をやしなうためにと、遺言書からエドガーの名前をはぶくつもりでいた。その
>まえに、叔父を始末することをエドガーはたくらむのだが…。


読者の共感を得るのは、人々が、そういうことは実際にあり得る、と認識
しているからである。

密室殺人小説にハマリ過ぎた故に、自分でその可能性を試してみたくなった」話とする
なら、「実際にあり得る」と思うから「共感」する読者は、あまりいないはず。

何だか、上の唐沢俊一の理屈では、「読者の共感を得る」話はどれも、「実際にあり得る、
と認識
」されるような話ということになりかねないけど、では多くのミステリー、ホラー、SF
の人気作品を、多くの読者は「実際にあり得る、と認識」しているとでもいうのだろうか。



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1215619596/84

84 :無名草子さん:2008/07/10(木) 06:22:05
『ブンカザツロン』P65

>ウィリアム・ブルテンに、密室殺人小説にハマリ過ぎた故に、
>自分でその可能性を試してみたくなった男の話
>『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』というのがある。

確かにハヤカワミステリの伊東守男訳では、著者はウイリアム・ブルテンになっている。
しかし、William Brittainなのだから「ウィリアム・ブリテン」が正しい音だろう。
『ジョン・ディクスン・カーを読んだ男』の主人公、エドガー・ゴールドは12歳のときに
カーの『ワイヤ・ケイジの問題』を読んで以来虜になり、その後10年で、カーとカーター・ディクスンの
あらゆる密室殺人小説を読んだ。そして、いつの日か、カーもお手上げになるようなトリックで密室殺人を
やってのけようと思うようになる。「可能性を試してみたくなった」なんて半端な思いではないのだ。
しかも、被害者は自分に遺産を残すまいと、遺書の書き替えを目論んでいる叔父で、動機も充分にある。

>読者の共感を得るのは、人々が、そういうことは実際にあり得る、と認識しているからである。

こんな特殊な話が、実際にあり得るわきゃねーだろっての。
唐沢はこれまた「読まずに」題名を挙げているとしか思えない。
この後、宮崎勤の犯罪も「ホラービデオ」の見過ぎだと結論するのだが。



   
 
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