トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/6/22  2:12

広東住血線虫は発見報告の時点でマダガスカル限定ではなかった  その他の雑学本 間違い探し編

唐沢俊一「知らなきゃ良かった!」 (MouRa)
第一回「ただいま寄生虫!」
http://moura.jp/liter/karasawa/001/index.html#001
子供のペットとして人気のカタツムリだが、あれには恐ろしい“広東住血線虫”
が寄生している可能性がある。これはもともと、マダガスカル島に棲息して
いたアフリカマイマイの体内に住む寄生虫であった(なんでマダガスカル
住血線虫でなく広東住血線虫なのかは知らないけど)。

ギニア虫もよいけどサナダ虫を無視しないでください」のコメント欄も参照のこと。
そこにも指摘があるけど、別にカタツムリは「子供のペットとして人気」ではないのでは。

これはもともと、マダガスカル島に棲息していたアフリカマイマイの体内に住む寄生虫
であった
」といわれても、広東住血線虫 (Angiostrongylus cantonensis) は、もっぱら
アフリカマイマイの体内に寄生するわけではない。感染を広める動物としては、むしろ
ネズミの方が貢献 (?) していた。

極東、東南アジア諸国、太平洋諸島をはじめとして広く全世界に分布。別にマダガスカ
ル島のみが生息地ではない。広東住血線虫がなぜ「広東住」かというと、「1933年に
中国の広州(旧広東Canton)
」で、ネズミの寄生虫として、最初に報告されたから。

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_25.html
>広東住血線虫症
>広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis )に起因する疾病で、好酸球性髄膜
>脳炎、あるいは好酸球性髄膜炎を惹起し、髄液の好酸球増多が特徴である。本虫は
>東南アジア、太平洋諸島を初めとしてほぼ全世界に分布しているが、ヨーロッパ、南米
>からは未だ報告がない。本邦では沖縄に症例が多いが、本土における症例も増加しつ
>つある。感染は第3期感染幼虫の経口摂取による。
>広東住血線虫は極東、東南アジア諸国、オーストラリア、太平洋諸島、アフリカ、
>インド、インド洋の島々、カリブ海の島々、北米などに広く分布しており、主として、
>感染ネズミが積み荷などとともに船舶によって運ばれることにより、分布が拡大する。


http://www.forth.go.jp/official/080111_01.html
>広東住血線虫Angiostrongylus cantonensisは、1933年に中国の広州(旧広東Canton)
>で、ドブネズミ(Rattus norvegicus) と クマネズミ (R. rattus)の寄生虫として最初に
>報告された。最初のヒト感染患者は1945年に台湾で報告された。


マダガスカル島にしか生息していなかった広東住血線虫――といっている資料はネット上
でそこそこ見つかるが、真偽は不明。下記に引用する「特命リサーチ 200X II」のレポート
もそのひとつで、アフリカマイマイの輸出の感染拡大への影響を強調しているところを
含めて、唐沢俊一のコラムと似た論調になっている。さすがにこちらは、感染動物として
のネズミを無視していないところが相違点ではあるが。

http://www.ntv.co.jp/FERC/research/19990627/f1337.html
>本来、広東住血線虫は、アフリカ南東部のマダガスカル島にしか生息しておらず、
>島に生息するネズミとアフリカマイマイの間でライフサイクルを行っていた。しかし、
>20世紀に入り、アフリカマイマイは世界中に食用として輸出され、日本でも沖縄に
>輸入されている。


その他参考 URL :
- http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/5f/kanton.html



   
 
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