トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/6/18  2:42

「カラスの頭を煮しめたもの」というのもスゴ過ぎ  その他の雑学本 間違い探し編

唐沢俊一「知らなきゃ良かった!」 (MouRa)
第四回「ヒトは何でも食べてきた」
http://moura.jp/liter/karasawa/004/index.html#004
 ザーメンに戻ると、ゲテモノ食いの本場とも言うべき中国では、清の時代
に、狼のザーメンを飲んだ、という。狼のザーメンなんて、どうやって採集する
んだか知らないが、これとカラスの頭を煮しめたものを酒で割って飲むと、
味も絶品なばかりか、精力剤としても(やはりゲテモノは精力剤としての
ニーズで口にされるものが多い)効能あなどるべからざるものがあるとの
ことで、清朝の高位高官、たぶんラスト・エンペラー溥儀も、これを愛飲して
いたようだ。ちなみに、この酒のことを『蒙汗酒』と言うという。蒙汗とは
中国語で“睡眠薬”という意味だ。たぶん、狼のザーメンだのカラスの頭だ
のに加え、アヘンかチョウセンアサガオあたりの、当時の向精神ドラッグが
使われていたんだろう。

そもそも「精力剤」になったり「睡眠薬」になったりする酒だか薬だかというのが、わけの
わからない意味不明な存在だと思うけど。

蒙汗薬」は、「中国語辞典をみると『睡眠薬』」と書いてあるそうで、『水滸伝』などの
中国の小説その他の中で、睡眠薬、しびれ薬、麻酔薬や毒薬として使用されている。
蒙汗薬」にしても「蒙汗酒」にしても、「精力剤」との話は見つからなかった。

蒙汗薬の成分は不明で諸説ある。そのひとつに、烏頭 (トリカブトの母根) を乾燥させた
漢方生薬との説がある。「狼のザーメンなんて、どうやって採集するんだか知らないが、
これとカラスの頭を煮しめたものを酒で割って
」の「カラスの頭」は多分、このトリカブト
の母根をさす「烏頭(うず)」の間違い。

また、蒙汗薬の成分については、他に「曼陀羅花説」がある。別名、「朝鮮朝顔」。
これと同じ有毒成分をもつヒヨスは、「中国では『人をして狂狼の如く放宕せしめる』と
いう中毒症状から「莨?」(ロウトウ)
」と呼ばれているとのこと。これらの情報が恐ろしく
変形されたことによって、唐沢俊一による文章の中の「チョウセンアサガオあたりの」や
狼のザーメン」になったのではないだろうか。

http://www.okinawa.med.or.jp/old/kaihou/k9711/yakusou.htm
> 「蒙汗薬」;中国語辞典をみると「睡眠薬」とだけ書いてある。
> 蒙汗薬とは「水滸伝」や「醒世姻緑伝」など中国の古典小説の中で,禄林の好漢が
>この薬を使って人を眠らせたり,全身を麻痺させて,金銭をかすめたりする物語に出て
>くる薬物であるが,その構成薬物や成分については現在のところ不詳であり,次の様
>な説がある。
〈略〉
>(2) 草烏末説
> 烏頭はトリカブト(鳥兜)(キンポウゲ科)の母根を乾燥させた漢方生薬である。母根
>の形がカラスの頭に似ているところから烏頭(うず)と呼び,子根を附子(ぶし)と呼ん
>でおり多数の漢方薬方の中に配合されていて,中医(漢方医)の常用薬物であるが,
>毒性が強く,使用法をまちがうと人命にかかわる生薬なので,素人療法で使用しては
>いけない。北烏頭の野生の母根をそのまま乾燥させた生薬を特に「草烏頭または草
>烏」と呼ぶ。
〈略〉
>(3) 曼陀羅花説
〈略〉
> 「曼陀羅」とは仏教からきた言葉であり,曼陀羅花が何故「朝鮮朝顔」と命名される
>ようになったかは不詳だが,朝鮮原産の植物ではない。曼陀羅花は有毒成分として
>ヒヨスチアミン,スコポラミン,アトロピンを含有している。ベラドンナやヒヨスも同じ成分
>を含有している植物である。ヒヨスは中国では「人をして狂狼の如く放宕せしめる」と
>いう中毒症状から「莨?」(ロウトウ)と呼んでいる。日本にハシリドコロという植物が
>あり,同じ有毒成分をもっているが,誤って莨?根と名づけられてしまっている。


その他参考 URL:
- http://ja.wikipedia.org/wiki/トリカブト
- http://www.zdrbs.com/japanese/book/suikoden/17suikoden.htm
- http://vschool.scu.edu.tw/teacher/shihuei/topic/topic2/T7-1.pdf



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1212823815/418-

418 :無名草子さん:2008/06/17(火) 07:02:05
http://moura.jp/liter/karasawa/004/index.html#004
第4回「ヒトは何でも食べてきた」

>ザーメンに戻ると、ゲテモノ食いの本場とも言うべき中国では、清の時代に、狼のザーメンを飲んだ、という。
>狼のザーメンなんて、どうやって採集するんだか知らないが、これとカラスの頭を煮しめたものを酒で割って飲むと、
>味も絶品なばかりか、精力剤としても(やはりゲテモノは精力剤としてのニーズで口にされるものが多い)
>効能あなどるべからざるものがあるとのことで、清朝の高位高官、たぶんラスト・エンペラー溥儀も、
>これを愛飲していたようだ。ちなみに、この酒のことを『蒙汗酒』と言うという。
>蒙汗とは中国語で“睡眠薬”という意味だ。たぶん、狼のザーメンだのカラスの頭だのに加え、
>アヘンかチョウセンアサガオあたりの、当時の向精神ドラッグが使われていたんだろう。

滅茶苦茶。「狼のザーメンと烏の頭を煮しめたものを酒でわったもの」が『蒙汗酒』なら、
「狼のザーメンと烏の頭を煮しめたもの」が『蒙汗』ということになるんじゃないのか。
『蒙汗』は『水滸伝』に出てくる不明の劇薬で、『蒙汗薬』を溶かした酒(蒙汗酒だな)を
一口飲んだ楊志は、起きあがれず、身動きできず、話すこともできなくなる。『水滸伝』の
研究家、清の程穆衡は『水滸伝釈略』で「蒙汗薬とは莨?花の実にして、猛毒あり。
これを食えば、人をして狂乱させる」と述べている。莨?(ヒヨス)は
主に鎮痙薬・散瞳薬・局部麻酔薬として利用される。また、何心は水滸研究』で、
「曼陀羅華」説を唱えている。
>蒙汗とは中国語で“睡眠薬”という意味だ。
というのはガセ。況や、狼のザーメン、烏の頭などもともと麻酔成分でない唐沢版『蒙汗』が
なんで、睡眠薬と言えるのか。無理矢理
>アヘンかチョウセンアサガオあたりの、当時の向精神ドラッグが使われていた
とする酷さ。

469 :無名草子さん:2008/06/18(水) 00:37:23
>>418
コラムの最後に、

>・今回の原稿は手塚正夫『肉刑の書』(光源社・1960年)を参考にしました。

と書いてあるね。どんな本だったんだ『肉刑の書』。

470 :無名草子さん:2008/06/18(水) 01:10:39
>>418

http://www.okinawa.med.or.jp/old/kaihou/k9711/yakusou.htm
> 「蒙汗薬」;中国語辞典をみると「睡眠薬」とだけ書いてある。

とあるので、「睡眠薬」というのはよいのでは。
それより、精力剤にもなって睡眠薬にもなってという方が、無理があるというか、
どういう薬だ?という話になりそう。

471 :無名草子さん:2008/06/18(水) 01:15:26
http://www.okinawa.med.or.jp/old/kaihou/k9711/yakusou.htm
> 蒙汗薬とは「水滸伝」や「醒世姻緑伝」など中国の古典小説の中で,禄林の好漢がこの薬を
>使って人を眠らせたり,全身を麻痺させて,金銭をかすめたりする物語に出てくる薬物であるが,
>その構成薬物や成分については現在のところ不詳であり,次の様な説がある。
〈略〉
>(2) 草烏末説
> 烏頭はトリカブト(鳥兜)(キンポウゲ科)の母根を乾燥させた漢方生薬である。母根の形が
>カラスの頭に似ているところから烏頭(うず)と呼び,子根を附子(ぶし)と呼んでおり多数の
>漢方薬方の中に配合されていて,中医(漢方医)の常用薬物であるが,毒性が強く,使用法を
>まちがうと人命にかかわる生薬なので,素人療法で使用してはいけない。北烏頭の野生の母根を
>そのまま乾燥させた生薬を特に「草烏頭または草烏」と呼ぶ。

「狼のザーメンなんて、どうやって採集するんだか知らないが、これとカラスの頭を煮しめた
ものを酒で割って」の「カラスの頭」って、もしかしたら、トリカブトの母根を乾燥させた
という「烏頭(うず)」を間違えたのか? いかん、腹が痛い。



472 :無名草子さん:2008/06/18(水) 01:21:20
さらに、http://www.okinawa.med.or.jp/old/kaihou/k9711/yakusou.htm
>(3) 曼陀羅花説
〈略〉
> 「曼陀羅」とは仏教からきた言葉であり,曼陀羅花が何故「朝鮮朝顔」と命名されるように
>なったかは不詳だが,朝鮮原産の植物ではない。曼陀羅花は有毒成分としてヒヨスチアミン,
>スコポラミン,アトロピンを含有している。ベラドンナやヒヨスも同じ成分を含有している
>植物である。ヒヨスは中国では「人をして狂狼の如く放宕せしめる」という中毒症状から
>「莨 」(ロウトウ)と呼んでいる。日本にハシリドコロという植物があり,同じ有毒成分を
>もっているが,誤って莨 根と名づけられてしまっている。またシーボルトは江戸で眼の手術
>をやってみせた際,ハシリドコロをベラドンナとして使ったのではないかと云われている。

チョウセンアサガオだの狼だのは、これがトンデモ変形したのでは。




   
 
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