トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/6/8  22:12

1974 年オランダ代表は「機械仕掛けのオレンジ」とか  その他の雑学本 間違い探し編

『唐沢俊一のカルト王』 P.25
それでも、社長に対して「神様のご指示があったから」という一言ですべてを
片付けてしまう。この先生にとって「神のお言い付け」という言葉はデウス・
エクス・マキナ(万能解決策)であったわけである。

デウス・エクス・マキナ (deus ex machina) は、ラテン語で「機械仕掛けの神」の意味。
古代ギリシャの演劇の終幕では、伏線も必然性もなく神を登場させ、もつれあった事態
を解決させる技法がしばしば使われた (エウリピデスが多用)。この神の役がクレーン
のような機械で舞台に降り立つことから、デウス・エクス・マキナ (機械仕掛けの神) と
いう言葉が、物語を作為的な大団円にみちびく便宜的な役柄、またはそのような技法、
転じて安易な解決策をさすようになった。

で、上に引用した唐沢俊一の語る話では、2ちゃんねるのスレの書き込み (Read More
参照) の指摘にあるように「神のお言い付け」がすべてを解決することをデウス・エクス・
マキナと呼ぶか、そうでなければ、都合のよいお告げをしてくれる神をさしてデウス・エク
ス・マキナ (機械仕掛けの神) とするのならば、わかるんだけど。

デウス・エクス・マキナ(万能解決策)」の「万能解決策」は、デウス・エクス・マキナと
いう言葉の訳語としても説明としても適切ではない。「『神様のご指示があったから』と
いう一言ですべてを片付けてしまう
」「この先生にとって」、神様は本物の神様だろうし、
万能解決策かもしれないが、機械仕掛けのデウス・エクス・マキナではない。言い訳に
つきあわされる「社長」など他の人にとっては、機械仕掛けの神であり、ご都合主義の
安易な解決策、つまりデウス・エクス・マキナであるかもしれないが、万能解決策どころ
か何も解決してくれない。

まあ要するに、「デウス・エクス・マキナ」などと書かないで、

  この先生にとって「神のお言い付け」という言葉は万能解決策であったわけである。

とかにしといた方が、まだマシだっただろうというオチではないか。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=でうすえくすまきな&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>デウスエクスマキナ7 【 deus ex machina】
>(ラテン)〔補説〕 「機械仕掛けの神」の意
>演劇・文芸で、行き詰まった状況やむずかしい結末を必然性なく登場して解決する
>便宜的な役柄。また、そのような技法。エウリピデスが多用したもので、クレーンの
>ような機械で神の役を登場させたことからいう。転じて、安易な解決策。


http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=でうすえくすまきな&dtype=0&stype=1
>デウス‐エクス‐マキナ【(ラテン)deus ex machina】
>《機械仕掛けの神の意》古代ギリシア劇の終幕で、上方から機械仕掛けで舞台に
>降り、紛糾した事態を円満に収拾する神の役割。転じて、作為的な大団円。


http://ja.wikipedia.org/wiki/デウス・エクス・マキナ
>古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な
>局面に陥った時、いきなり絶対的な力を持つ神が現れ、混乱した状況に解決を下して
>物語を収束させるという手法を指した。〈略〉
>エクス・マキーナ(機械による)とは、この場面において神を演じる役者がクレーンの
>ような仕掛けで舞台(オルケストラ)上に登場し、このからくりが「機械仕掛け」と呼ば
>れたことによる。由来は、「機械仕掛けで登場する神」ないし、舞台装置としての解決
>に導く神そのものが機械仕掛けであることとも解される。
>転じて、演劇に限らず、十分な伏線や世界観との整合無しに、いきなり都合のいい
>ものを持ち出して安易に解決するという御都合主義や、大風呂敷を広げて収拾が
>つかなくなった挙句、問題の解決を放棄した無理な結末などを意味するようになった。


その他参考 URL:
- http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411374869
- http://sketch.txt-nifty.com/blog/2003/11/post_3.html

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1211615504/793-

793 :無名草子さん:2008/06/04(水) 09:19:19
『唐沢俊一のカルト王』P25

>それでも、社長に対して「神様のご指示があったから」という一言ですべてを片付けてしまう。
>この先生にとって「神のお言い付け」という言葉はデウス・エクス・マキナ(万能解決策)であったわけである。

うーん。憶えたての言葉を、無理にでも使いたかったのね。この文章が変なのは、
>デウス・エクス・マキナ(万能解決策)
というところ。デウス・エクス・マキナとはギリシア演劇の「機械仕掛けの神」のこと。
いわゆる機械仕掛け(ワイヤーアクション)で登場し、総てを解決してしまうという
ご都合主義の存在を指す。日本なら「水戸黄門」というところか。
つまり、「神のお言い付け」で総てが解決することをデウス・エクス・マキナと言うんであって、
それを「万能解決策」と説明するのは無意味と言うことだ。「水戸黄門の印籠」と考えれば
お分かりいただけると思うが、たとえば
「最後に助さんが取り出す印籠(万能解決物)」
なんて、変ですよねえ。




   
 
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