トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/5/20  23:23

「諸君、彼は禿頭である」。それが遺言。  その他の雑学本 間違い探し編

『キッチュワールド案内』 P.190
「諸君、彼は禿頭である」
 というのは言うまでもなく、坂口安吾のデビュー作『風博士』の冒頭の
文句である。

×坂口安吾のデビュー作『風博士』 ○坂口安吾の 3 作目の小説『風博士』
×『風博士』の冒頭の文句 ○『風博士』に書かれた「風博士の遺書」の冒頭の言葉

坂口安吾の『風博士』は、同人誌『言葉』に発表した処女小説『木枯の酒倉から』、
岩波書店の『青い馬』に発表した『ふるさとに寄する賛歌』に続いて 3 作目の小説。
それ以外にも、『風博士』より前に、翻訳や評論を発表している。

『風博士』は、下に引用したように青空文庫で読めるが、冒頭の言葉は「諸君は、東京市
某町某番地なる風博士の邸宅を御存じであろう乎(か)?
」。

諸君、彼は禿頭である」 は、「言うまでもなく」、小説中の「風博士の遺書」の冒頭の言
である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/坂口安吾
>アテネ・フランセの友人葛巻義敏、江口清らと同人誌『言葉』を創刊。創刊号にマリイ・
>シエイケビツチ「プルウストに就てのクロツキ」の翻訳を掲載。第2号に処女小説「木枯
>の酒倉から」を書き、小説家としての資質に自身を持つようになる。『言葉』は2号で
>廃刊となり、5月に後継誌『青い馬』が岩波書店から創刊、創刊号に小説「ふるさとに
>寄する賛歌」、評論「ピエロ伝道者」、翻訳ヴァレリー「ステファヌ・マラルメ」、コクトー
>「エリック・サティ」を発表。続いて2号に散文ファルスとも言うべき「風博士」、編集責任
>者となった3号に「黒谷村」を発表する。


http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42616_21000.html
> 諸君は、東京市某町某番地なる風博士の邸宅を御存じであろう乎(か)? 御存じ
>ない。それは大変残念である。そして諸君は偉大なる風博士を御存知であろうか?
> ない。嗚呼(ああ)。
〈略〉
>では諸君は、まず悲痛なる風博士の遺書を一読しなければなるまい。
>    風博士の遺書
> 諸君、彼は禿頭である。然り、彼は禿頭である。禿頭以外の何物でも、断じてこれ
>ある筈(はず)はない。




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1211202322/21-

21 :無名草子さん:2008/05/20(火) 12:16:47
『キッチュワールド案内』 P190

>「諸君、彼は禿頭である」
>というのは言うまでもなく、坂口安吾のデビュー作『風博士』の冒頭の文句である。

「言うまでもなく」と書くほどこの言葉(“文句”じゃないだろうよ)は有名なのか。いかにも、こんなこと常識じゃん
というポーズに見えるんだが、そこは置いておいて。
坂口安吾の処女作は同人誌『言葉』の第二号に掲載された『木枯の酒倉から』(1931年1月)。『言葉』はこの号で廃刊、
岩波書店から刊行された後継誌『青い馬』同年5月創刊号に『ふるさとに寄する讃歌』、6月の2号に「風博士」、7月の3号に「黒谷村」発表する。

26 :無名草子さん:2008/05/20(火) 13:12:31
>>21
↓『風博士』は、青空文庫にはいっているが、「諸君、彼は禿頭である」は
 作品冒頭の文句ではないようで。

http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42616_21000.html

27 :無名草子さん:2008/05/20(火) 13:15:02
『キッチュワールド案内』では、ナボコフの『ロリータ』についても
変なこと書いてたな。

28 :無名草子さん:2008/05/20(火) 13:22:22
>諸君は、東京市某町某番地なる風博士の邸宅を御存じであろう乎(か)? 
>御存じない。それは大変残念である。そして諸君は偉大なる風博士を御存知で
>あろうか? ない。嗚呼(ああ)。

この『風博士』(本当の)冒頭の文句は、マンガなんかでよくパロディのネタに
されてるのに。




   
 
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