トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/5/17  18:08

催淫作用って、そんな甘いもんじゃないんだよ  その他の雑学本 間違い探し編

『裏モノの神様』 チョコのはなし P.55
薬学的に言うと、テオブロミンという物質がチョコレートには含まれており、
これが女性の心に催淫作用をもたらす。

薬学的に言うと」なのに、体ではなく「心に催淫作用」というのも意味不明だが。

テオプロミンは利尿効果を示すため利尿薬として用いられ、血圧を下げる効果もある
ため降圧薬としても用いられる。中枢興奮作用もあるが、カフェインより弱い。催淫作用
は期待できそうもない。

http://www2.odn.ne.jp/%7Ehad26900/constituents/theobromine.htm
>カカオ豆などに含まれるプリン誘導体。強心作用、腎血管の拡張、尿細管の再吸収
>抑制などで利尿効果を示す。利尿効果はテオフィリンより弱いが持続性があるので
>利尿薬として用いられる。また抹消血管拡張により血圧を下げる効果もあり、降圧薬
>としても用いる。中枢興奮作用もあるが、カフェインより弱い。


そもそも、「女性」に「催淫作用」をもたらす薬というのが、「薬学的」には難しいようだ。
本人の意思にかかわらず、性的興奮状態にさせるような化学物質」は、「向精神薬や
麻薬、覚せい剤になってしまう
」し、男性の ED (勃起不全) に効果があるとされる薬は
あっても、それを女性に投与して効果があったという報告もない。

http://www.daito-p.co.jp/essay/philtra.htm
>3.健康で、性欲や性感もあるが、それをさらに高めたい人
>  本人の意思にかかわらず、性的興奮状態にさせるような化学物質
>「合法的で安全なもの」は、ありません。なぜなら、そのような化学物質は向精神薬
>や麻薬、覚せい剤になってしまうからです。
〈略〉
>なお、女性に対する催淫作用を期待して、バイアグラやヨヒンビンを女性に投与する
>試みは、いつの時代にもあったようですが、作用機序の合理性に疑問がありますし、
>実際、学術的には期待通りに成功した話はなさそうです。少なくとも私が学術文献を
>検索して来た限り、「女性の性機能障害に効果が無かった」という報告こそあります
>が、「効果がある」という報告はありません。


また、19 世紀以前には、「チョコレートには、催淫剤の働きがある」と「一部では信じら
れていたようだ
」が、それが経験則に基づく皆の共通認識であったなら、断食をまじめ
に実行するような、敬虔なカトリック信者の「栄養補給にも活躍」したりはしなかった
だろう。

http://www12.ocn.ne.jp/%7Eminaduki/cocoa.html
>その主成分にカフェインはなく、テオブロミンをわずかに含むだけで、その作用も
>カフェインに似てはいるが、遥かに弱い。チョコレートは、中枢神経組織に対して
>明白な刺激作用を引き起こさないのである。その一方で、高い栄養価をたたえられ、
>「液体は断食を破らない(Liquidum non frangit jejunum)」という原則に従って、
>チョコレートは断食期間の栄養補給にも活躍した。これにより、二つのカトリック教国
>において、生命の飲料とみなされた。
〈略〉
>また、チョコレートには、催淫剤の働きがあると19世紀に入っても、一部では信じら
>れていたようだ。


まあ、2ちゃんねるのスレでの指摘 (Read More 参照) の通り、「薬物と聞いたら、まず
疑ってかからねばならないのが『唐沢雑学』
」ではある。



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1210096847/238-

238 :無名草子さん:2008/05/11(日) 10:18:42
『裏モノの神様』チョコの話 P55

>薬学的に言うと、テオブロミンという物質がチョコレートには含まれており、
>これが女性の心に催淫作用をもたらす。

薬物と聞いたら、まず疑ってかからねばならないのが「唐沢雑学」。
テオブロミンはカカオ豆などに含まれるプリン誘導体。強心作用、腎血管の拡張、尿細管の再吸収抑制などで利尿効果を示す。
利尿効果はテオフィリンより弱いが持続性があるので利尿薬として用いられる。
また抹消血管拡張により血圧を下げる効果もあり、降圧薬としても用いる。
中枢興奮作用もあるが、カフェインより弱い。
http://www2.odn.ne.jp/~had26900/constituents/theobromine.htm
帝京大学薬学部のサイトから。

チョコの興奮作用ならカフェインだろうに、それはポピュラー過ぎて知ったかぶりには物足りない。
そこでテオブロミンなんてものを持ち出してきたが、上記のように全くのガセ。
因みに犬にチョコを食べさせると死ぬが(これは本当)、これはテオブロミンによる、
消化不良、脱水症状、過度の興奮、心拍数の低下などが原因。人間は代謝速度が速いので
チョコレートに含有されているくらいの量なら無害。

239 :無名草子さん:2008/05/11(日) 11:17:34
>>238
>薬物と聞いたら、まず疑ってかからねばならないのが「唐沢雑学」。

ここ数年は、薬物関係の話は必ずといっていいほどエロに結びつける傾向があるようだけど、
ナントカには催淫作用があるというシリーズ、デタラメだガセだという問題以前に、そもそも
需要があるのかなという気がする。
書き方にもよるだろうけど、唐沢俊一の文章なんかだと、何だかゴチャゴチャ書いているなと、
読み飛ばされて終わりになるんじゃないかと思うんだけど。
この人、小学生の頃、イジメから逃れるために一生懸命、ガキ大将にエロ話を聞かせて機嫌を
とっていたとか自分で書いているけど……そのころのまんま、これなら受けると信じて
小学生の心のままエロ話を乱発しているのかなあ。哀れだね。



   
 
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