トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/5/6  22:51

ちなみにゴダイゴは Go Die Go または God I Ego だそうだ  その他の雑学本 間違い探し編

『ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様』 P. 99
神●なにしろ日本という国は乳製品の名前を皇帝の名にしているような
国じゃからな。
唐●へ?なんです、そりゃ。
神●知らんのか。醍醐天皇、後醍醐天皇という方々がおられるじゃろ。
あの醍醐というのは、牛乳を練り固めて作った、チーズとコンデンスミルク
の中間のような製品じゃ。あまりに素晴らしい味だったので天皇の名前に
すらなり、ものごとの最も素晴らしい部分を表すのに“醍醐味”というような
日本語もできた。
唐●……チーズ皇帝陛下ですか。うーん、そう言えば不思議な名前だな。

醍醐天皇の号は、醍醐寺が天皇の祈願寺であったこと、御陵が醍醐にあることがその
由来とされる。後醍醐天皇は醍醐天皇の「延喜の治」を理想として自らの号を決めた。

http://ja.wikipedia.org/wiki/醍醐天皇
>勅願寺醍醐寺の近辺にあり、御陵のある醍醐に因んで「醍醐天皇」と追号。

http://ja.wikipedia.org/wiki/後醍醐天皇
>後醍醐天皇は、延喜の治と称され天皇親政の時代とされた醍醐天皇の治世を理想
>としていた。天皇の諡号や追号は通常死後におくられるものであるが、醍醐天皇に
>あやかって生前自ら後醍醐の号を定めていた。


そして、醍醐寺の名前の由来は、ここの山に登った理源大師が老人に出会い、その老人
が湧き水を飲んで「醍醐味なるかな」と賞賛し、ここに寺を建てることをすすめたことから
きているという。

http://www.saikoku33.gr.jp/dai11/
>◆寺名の由来ともなった「醍醐水」
>准胝堂(じゅんていどう)の近くにある「醍醐水」は、寺の創建から、千年余り経た今も
>清水が湧き出る霊泉である。聖宝・理源大師が初めてこの山に登山された折、老翁が
>現れてこの湧き水を飲み、「ああ、醍醐味なるかな」と賞賛。伽藍の創建をすすめたと
>され、寺名の由来ともなった。


ということで、確かに「醍醐」は涅槃経の記述にしたがえば乳製品であろうし、醍醐味と
いう言葉も、涅槃経に「醍醐最上にして」「味は乳酪酥の中で微妙第一にして」とある、
その乳製品からきているとして間違いないと思うが、前述したような経緯から考え、醍醐
という乳製品が「あまりに素晴らしい味だったので天皇の名前にすらなり」というのは
少々無理がある。

「醍醐」の製法は現在不明で実際はどのようなものであったかは諸説ある。日本では、
製造できたのは「酪」「酥」までで、「醍醐」は当時の人たちにとって幻の味である可能性
が高いとされている。実際に口にして美味しかったから天皇の名前になったということは
考えにくいのだ。

また、醍醐が具体的にどのようなものだったか不明といっても、唐沢俊一の主張する、
牛乳を練り固めて作った、チーズとコンデンスミルクの中間のような製品」は、これまた
考えにくい。練乳ならば煮つめる必要があるだろうし、実際に乳を弱火で煎じるというのは
「酪」「酥」の製法として伝わっている。そして、「熟酥より 醍醐 を出す」と涅槃経にあり、
酥がチーズという説と、醍醐がチーズという説はそれぞれあることから、「酪」「酥」なら
ともかく、「醍醐」がチーズになる手前、練乳とチーズの中間のものという可能性は低い。

http://milk.asm.ne.jp/rekishi/wakeru.htm
>また『涅槃経』には、「牛より乳を出し、乳より 酪を出し、酪より 生酥を出し、生酥より
>熟酥を出し、熟酥より 醍醐 を出す、醍醐最上にして…仏の如く。」とありますが、これら
>の『酪』『生酥』『熟酥』『醍醐』とはなにか?。これについては今日までいろいろな説が
>あります。
>『酪』はヨーグルト(乳酸発酵乳)とか練乳、またはバター、『酥』はクリームとかバター
>とか練乳、またはチーズ、『醍醐』はバターオイルとかチーズ、というように解釈が一定
>しません。
〈略〉
>『涅槃経』も、仏の道をきわめる段階を乳製品にたとえて、修行によりだんだんと高い
>地位に上がった最上の仏を『醍醐』としています。また別の経典に「醍醐の味は乳酪酥
>の中で微妙第一にしてよく諸病を除き諸々の有情身心を安楽なしむ」とあり、和仁皓明
>氏によれば、これから美味の極をあらわす言葉として「醍醐味」が生まれたといいます。
>また延喜の治世を賛えられる天皇のお名前が「醍醐」となっているのも興味深いが、
>醍醐はわが国では文献にあっても、実際に味わったことのない幻の食品であったよう
>です。日本では『酥』まて゜(それも日本式の酥)しかつくられなかった、または、つくる
>ことができなかったと思われます。


http://www.kitora.com/nehannesetto.htm
>『醍醐』というのは『乳、酪、生酥、熟酥、醍醐という五味の第五。乳を精製して得られる
>最上の美味なるもの』の意で、同時に仏教の最高真理に例えられています。 今日いわ
>れる『醍醐味』も、ここに由来しています。 ですので 醍醐という食品自体は過去も現在も
>実在はしていません。


おまけ: 唐沢俊一によるダメな乳製品トリビアのリンク集

スジャータ関係:
- http://tondemonai2.web.fc2.com/386.html
- http://tondemonai2.web.fc2.com/397.html
カルピス関係:
- http://tondemonai2.web.fc2.com/330.html
- http://tondemonai2.web.fc2.com/339.html
その他:
- http://tondemonai2.web.fc2.com/219.html
- http://tondemonai2.web.fc2.com/253.html
- http://tondemonai2.web.fc2.com/389.html




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1208837414/931-

931 :無名草子さん:2008/05/06(火) 17:48:27
「ウラグラ! ベスト・オブ・裏モノの神様」P.99

>なにしろ日本という国は乳製品の名前を皇帝の名にしているような国じゃからな。

>へ?なんです、そりゃ。

>知らんのか。醍醐天皇、後醍醐天皇という方々がおられるじゃろ。
>あの醍醐というのは、牛乳を練り固めて作った、チーズとコンデンスミルクの中間のような製品じゃ。
>あまりに素晴らしい味だったので天皇の名前にすらなり、ものごとの最も素晴らしい部分を表すのに“醍醐味”というような日本語もできた。

>……チーズ皇帝陛下ですか。うーん、そう言えば不思議な名前だな。

もうどこから突っ込めばいいのか。とりあえずわかりやすいところからいくか。
まず、後醍醐天皇が醍醐天皇の行った「延喜の治」を理想として自らの諡号を決めていたことについてはよく知られている。
次に、醍醐天皇の諡号については、醍醐寺が天皇の祈願寺であったこと、御陵が醍醐にあることがその由来とされている。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%8D%E9%86%90%E5%A4%A9%E7%9A%87
ttp://inoues.net/tenno/daigotenno.html
さらに、醍醐寺については、聖宝理源大師がこの地を訪れた際に出会った老人が湧き水を飲み
「醍醐味なるかな」と言い、その老人に寺の創建を勧められたことが名前の由来とされている。
ttp://www.saikoku33.gr.jp/dai11/
ttp://www.y-morimoto.com/kyoto_isan/kamidaigo.html
で、醍醐味というのは、仏教用語で最上級の味を意味している。
醍醐味という言葉が醍醐に由来が有るとしても、醍醐味=醍醐の味とならないのは当たり前のことだ。
よって、醍醐天皇も後醍醐天皇も「醍醐」という食品自体に関係はないのだ。加えて、
>あの醍醐というのは、牛乳を練り固めて作った、チーズとコンデンスミルクの中間のような製品じゃ。
これもずいぶんトンデモないことを言っている。チーズとコンデンスミルクって全然別物だろう。
よくもまあここまでデタラメを、と思う。「チーズ皇帝陛下」って言いたかっただけなんじゃないか。
なお、醍醐については他にもガセビアがある。
ttp://tondemonai2.web.fc2.com/339.html

933 :無名草子さん:2008/05/06(火) 18:05:53
>>931
醍醐それ自体については、http://tondemonai2.web.fc2.com/339.html
からリンクされている http://milk.asm.ne.jp/rekishi/wakeru.htm では
チーズまたはバターオイルかといっている。

さらに、このサイトの人の説では、
>また延喜の治世を賛えられる天皇のお名前が「醍醐」となっているのも興味深いが、醍醐は
>わが国では文献にあっても、実際に味わったことのない幻の食品であったようです。日本では
>『酥』まて゜(それも日本式の酥)しかつくられなかった、または、つくることができなかった
>と思われます。



   
 
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