トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/5/3  9:47

「間」をとるのがよいのでは  『トンデモ一行知識の逆襲』間違い探し編

『トンデモ一行知識の逆襲』 P.41 欄外
・盆と正月の十六日間は閻魔大王の休息日である。

×盆と正月の十六日間 ○盆と正月の十六日

十六日間」とは何月何日から何日までのことなのだろうかと疑問に思って調べてみたら、
閻魔大王の休息日 (閻魔斎日) は 1 月 16 日と 7 月 16 日。地獄の釜が開く日とされる。

http://indoor-mama.cocolog-nifty.com/turedure/2007/07/post_0bec.html
>1月16日と、7月16日は『閻魔斎日』と言って、地獄の釜の蓋が開いてエンマ様も地獄の
>鬼もお休み・・・で、「地獄の釜開き」と呼ばれたり「亡者の骨休み」と呼ばれる地獄の
>定休日なのです。


どこかに「盆と正月の十六日」と書かれていたのを、「盆と正月の十六日間」にしてしまった
のではないかと推測。



2008/5/10  1:29

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

お返事が遅くなりましたが、

>提婆達多がお釈迦様を殺そうとしたというのは根拠のない創作

そちらの方が有力な説のようですね。まあ前回書いたのは、あくまで
手塚の『ブッダ』のお話ということで。殺そうとするにしても、自分
の爪に毒を塗るなんてなあとは思いましたが。いやそういう伝承は
あるそうですが。

ちなみに、この漫画の「あとがきにかえて[ゴータマ・ブッダ実伝]
手塚治虫」より。

> ダイバダッタとアナンダ(正しくはデーヴァダッタとアーナン
>ダ)については、作者は、もっとも極端な物語の改変を行った。
>そのために、正しい仏典がゆがめられたのではないかと悔やんで
>いる。

> ダイバダッタの性格を現代青年のマキャベリズムにおきかえた
>競っては、成功だったと思っている。しかし、アナンダを人殺し
>の小悪党にしたてた改変は、すこし度が過ぎていたかもしれない。
>原典では二人とも上流階級の出で、ブッダの従弟に当たる人間
>なのだ。

2008/5/8  7:14


>しまいには、何を考えたか毒を爪に塗って
>ブッダを殺そうとして、自滅して死んじゃった
>人ですね。

提婆達多がお釈迦様を殺そうとしたというのは根拠のない創作らしいです。
実際のところはお釈迦様の教団の戒律をもっと厳しくしようとしたが、受け入れられなかったので離反して新しい教団を作った人物ということらしいです。
あとレインボーマンのお師匠様がダイバ・ダッタですね。
たまにネットで「何であんな悪人の名前をレインボーマンの師匠につけたんだろう」という意見を読みますが、あれは原作者の川内康範先生が法華経(日蓮宗)信者で、法華経ではダイバ・ダッタは過去世のお釈迦様を教えた師匠ということになっているので、それにちなんでつけたらしいです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E3%81%AE%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%86%85%E5%BA%B7%E7%AF%84


2008/5/8  1:40

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

さらに本題 (って何でしたっけ) からはずれるかもしれませんが、

>お釈迦様の教団から離反した提婆達多の教説まで仏教に含めていい

提婆達多といえば、手塚治虫の『ブッダ』に出てきた睫毛多めの
にーちゃんを真っ先に思い出す (というか、それしかしらない) 者から
すると、「ああ、そういうのもアリなのか」( ・∀・)つ〃∩ です。
しまいには、何を考えたか毒を爪に塗ってブッダを殺そうとして、
自滅して死んじゃった人ですね。

2008/5/6  7:04


>まあとりあえずは、中国でつくられたお経は偽経または
>疑経とされ、盂蘭盆経もその一つという認識でよいでし
>ょうか。今、泥縄でググったら、般若心経も偽経説があ
>るのだなあと感心したり。

偽経は、中国でつくられたお経でインドや中央アジアの原典から翻訳されたのではないものをいうらしいです。
ただインドで作られたものだから釈迦の直説とは必ずしも言えませんし、これはあくまで「いつどこで成立したか」という学問的な分類ですね。

本題からははずれますが、実のところ「仏教=お釈迦様の教え」と定義されるわけでは必ずしもないようです。仏教学の権威中村元先生はお釈迦様の教団から離反した提婆達多の教説まで仏教に含めていいんだと言っております。(中村元選集『原始仏教の成立』より)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E7%B5%8C

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8F%90%E5%A9%86%E9%81%94%E5%A4%9A

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%85%83_%28%E5%93%B2%E5%AD%A6%E8%80%85%29

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E6%9C%9F%E4%BB%8F%E6%95%99


2008/5/5  13:47

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

>出家自体が家族及びそこに連なる祖先を捨てることになり

原始キリスト教でも同じようなものだけど、それに忠実なままずっと
いくと、世間との共存が難しくなりますから、メジャーな宗教には
なかなかなれないでしょうね。オウムみたいなカルトになるしかない
のでは。 いやサリンとかは作らないものとして、家族が何といおうが
生活および財産すべてを教団側にシフトさせるとなると、あれこれ
紛糾するのは必至でしょう。

仏教の偽経については、キリスト経の偽典認定より、難しくもややこ
しい話なんじゃないかということくらいしかわかりません。お釈迦様
の遺した言葉に対してお経の数とか量とかが膨大なのは、後世の人が
お釈迦様からテレバシー受信して書き残したお経も混じっているから
とかいうのはどこかで読んだ覚えがありますが (トンデモ本かも)。

まあとりあえずは、中国でつくられたお経は偽経または疑経とされ、
盂蘭盆経もその一つという認識でよいでしょうか。今、泥縄でググっ
たら、般若心経も偽経説があるのだなあと感心したり。

2008/5/5  10:50


「お盆に地獄がお休み」というのは中国で作られた『盂蘭盆経』という偽経がもとになった話でしょうね。お釈迦様の弟子の母親が地獄(正確には餓鬼道)に落ちたのを助けるために、お盆の風習がはじまったという。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%82%E8%98%AD%E7%9B%86

>祖先うんぬんとのつながりは、インド神話まで遡れるかも
>しれません。まあ、それと、祖先崇拝は別問題かもしれま
>せんが。

祖先崇拝自体はもともとインドにもある思想ですが、原始仏教ではいったん否定(少なくとも軽視)されていると考えるのが正しいように思えます。出家自体が家族及びそこに連なる祖先を捨てることになり祖先崇拝とは相容れないことになりますので。

2008/5/4  13:07

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

トラックバックしていただいている
http://fueiku.cocolog-nifty.com/kura/2008/05/post_7f62.html
経由で
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e9%96%bb%e9%ad%94
に飛んでみると、

>インドでは、古くは生前によい行いをした人は天界にあるヤマの国
>に行くとされた。彼は時として“死”と同一視される向きもあった
>が、死者の楽園の王、死んで天界にある祖先を支配する神と考えら
>れていた。

と書いているので、祖先うんぬんとのつながりは、インド神話まで
遡れるかもしれません。まあ、それと、祖先崇拝は別問題かもしれ
ませんが。


以下、全然レスになっていない独り言↓

「ヤマ」で「死神」ときたら、ゼラズニイの『光の王』じゃないです
か。うわあ、どうして、せっかくの閻魔ネタなのに、即座にこれを
思い出さなかったんだろう。

2008/5/4  11:45

投稿者:金平糖

結局はどちらも正解、どちらも間違いなのです
地獄の蓋の開く日

藪入りというのは奉公人が年2回だけ休みをもらって帰る日のことで
田舎に戻ったものが近所の閻魔堂にお参りすることから
この日に祭りを開催するようになったという話
実際には祭りに休みをあわせたか、休みに祭りをあわせたかなんとも言えないけども
古い風習と新しい宗教との融合で生まれた習慣

結局、地獄の蓋の開く日もあの世の正月も祭りを開く口実でしかない

もともと仏教は仏になるための教えで個人救済の宗教、祖先を信奉は含まれてない
これに日本古来の土着信仰が混じって生まれたのが現在の仏教

だからお盆、彼岸などの祖先の里帰りなどは日本独特の教え
初七日、七七日、四十九日、といわれたら多くの人がわかるのに
十王といわれてもピンとこないのも
日本人には地獄や冥王よりも祖先の霊の方が大切だからなのかもしれない

2008/5/3  16:54

投稿者:トンデモない一行知識
http://tondemonai2.web.fc2.com/

うーん、私は地獄の釜が開くのは年 2 回派 (本文に引用したページや
http://www.city.kawasaki.jp/61/61kusei/kigyoshimin/pdf/
01-07.pdf
に書いてあることから何となく) ですが、旧暦 7 月のみとしていいる
ところもあれば、逆に 1 月のみとしているところもあるようですね。

>地獄の休日で閻魔以外の王も鬼もみんな休みです

これはおっしゃる通り。

唐沢の間違え方は何だかユニーク。これが十六日ではなく六日なら、
正月の三が日とお盆の三日を足して六日間とか、まだ原因を推測
しやすんですけど。

2008/5/3  15:07

投稿者:金平糖

地獄の釜の蓋が開くのは1年に1度で7月16日
1月16日(旧暦)は、あの世の正月

どちらも確かに閻魔様も休みでしょうが
別に「閻魔大王の休息日」というものではなく
地獄の休日で閻魔以外の王も鬼もみんな休みです

十王のうち閻魔王だけなんでこんなに有名なのか不思議ですが
まあ、唐沢の間違え方から見ても内容一切知らずにどっかから写しただけなんでしょうね

   
 
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