トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
旧 URL は、http://diary.aol.com/yzuc9ww/395.html
文字列の一括置換をかけた都合上、旧ブログのコメント欄および2ちゃんねるのスレからの引用の中の URL も全部新 URL に置き換わっていますことを、あらかじめご了承ください
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/ で続きの Blog をやっています
   
 

2008/4/27  23:19

唐沢俊一 (非専門家) のご利用も控えた方がいいのでは  その他の雑学本 間違い探し編

『笑うクスリ指』 P.28
「女房が妊娠中なのだが、こないだアロエ入りヨーグルトを食べてしまった。
アロエというのは堕胎薬と聞いていたが、流産の危険性はないのか」という
電話が友人からあった。そのときは「……たしか、ヨーグルトに入っている
アロエは、医薬用のアロエとは種類が違うから大丈夫じゃないかなあ」程度
の返答しかできなかったが、調べてみると、やはり薬局方に記載されている
アロエと民間薬のアロエは別物ということがわかり、さっそく電話で教えて
やった。

種類が違うから大丈夫」とか「民間薬のアロエは別物」とかは、「大丈夫じゃないかなあ
という根拠にはならない。少なくとも、原料種だけの問題ではない。

おそらく唐沢俊一の主張していることは、日本で昔から「民間薬」として使われてきたのは
キダチアロエであり [2] 、これは日本薬局方に収載されている品種には含まれない [1]、
食品として利用できるキダチアロエ [3] がヨーグルトに入っているだろうから「大丈夫じゃ
ないかなあ
」という理屈ではないかと推測する。

しかし、「葉汁及び外皮」を食品として利用してはいけないとされる原料種でも「果肉部分
は,食品として利用できる
」[3]。「医薬品として用いられる部分を除去」すれば食品として
取り扱えるのだ[4]。実際、アロエベラの葉肉を原材料とするアロエヨーグルトも市販されて
いる [5]。唐沢俊一のいう、「種類が違う」「別物」というのは、間違いなのだ。

さらに、利用する部分のみが問題とはかぎらず、厚生省 (当時名称) の特別用途食品評価
検討会では、アロエ自体の作用や、食品にアロインが含まれるかも問題にしている [6]。

しかし、食品とついているなら大丈夫かというと微妙。国民生活センターがキダチアロエを
使用した「健康食品」の下剤成分を中心に調査したところによると、バルバロイン (アロイン
を濃縮した成分) の量にはバラツキが多く、下剤として作用してしまう可能性もあるが、
お腹が緩くなる可能性について注意書きのない銘柄が 1/3 とのこと [7]。

……これは、下剤としての話だろう、堕胎薬としてはどうなんだ、といわれるかもしれない
が、子宮収縮作用とか通経をうながすとかはネットのそこここで見られる ([1] の Wikipedia
にも書かれている) が、その作用がどれだけ公に認められているのか不明だし (たとえば
[8] に列挙の薬効には含まれていない)、成分についてもアロインかアロエエモジンかは、
ググっただけでははっきりしない。

まあアロエを“医者いらず”と持ち上げている [8] にすら、「妊娠中の方は控えてください
と書かれているくらいなので、それに従うか、最初に指摘の書き込みをした人の言う通り
(Read More 参照)、まず担当医に相談するのがよいのではないか。


(なお、興味のある人は、[1] の Wikipedia の脚注や外部リンクから資料をあたるのもよい
かもしれない。国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報は引用禁止の
ため、ここでは使用しなかったけど)。

[1] - http://ja.wikipedia.org/wiki/アロエ
>日本薬局方に基原植物として収載されているアロエはアロエフェロックス (A. ferox)
>(ケープアロエともいう)、およびこれとアロエアフリカーナ (A. africana) 又はアロエ
>スピカータ (A. spicata) との雑種とされている。これらの葉の汁を濃縮乾燥させたものが
>日本薬局方でいう「アロエ」である。なお、キダチアロエ、ケープアロエ以外の、観葉
>植物として出回っているほとんどのアロエには薬効となる成分は含まれていないので、
>誤った使用をすべきではない。

[2] - http://www.jica.go.jp/hiroba/educator/kyozai/mono/22/index.html
>日本にアロエが伝えられたのは鎌倉時代から室町時代のころ。園芸店などで一般的に
>売られているキダチアロエがそれで、“医者いらず”として便秘や胃腸病、やけどなどに
>用いられてきた。
〈略〉
>薬事法の日本薬局方に医薬品として定められているアロエは、特定の品種のアロエの
>葉の液汁を煮詰めて乾燥したものを指す。胃腸薬や便秘薬に用いられている


[3] - http://www.tokyo-eiken.go.jp/issue/journal/2003/pdf/54-16.pdf
>そして現在,食品と医薬品とで使用してよい植物種が異なるため,薬事法1-3)上,
>食品原料種の判別が必要になっている.食品として利用してはいけないアロエは,
>Aloe vera, A.ferox,及び A. africana の葉汁及び外皮である.これら3 種も果肉部分は,
>食品として利用できる.一方,アロエの茶剤や全葉の粉末他として日本で市販されて
>いるものは,主にキダチアロエA. arborescens を原料としたものである.


[4] -http://www5.cao.go.jp/otodb/japanese/kujyou/kobetu/OTO098.html
>アロエ・ドリンクの食品としての取扱い希望処理内容
> アロエの医薬品として用いられる部分を除去して製造するとともに、医薬品であるとの
>誤解を与えない適正な表示等がなされていれば、食品として取扱えること及び本品の
>輸入には、ワシントン条約に基づく相手国の輸出許可書が必要なことを申立者に説明
>し、申立者は了解。


[5] -http://www.morinagamilk.co.jp/products/yoghurt/detail.php?brand_id=126
>【アロエヨーグルト】〈略〉原材料名 生乳、アロエベラ(葉内部位使用)、〈略〉

[6] - http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9903/s0304-1_13.html
>○「ピュアラ アロエ」のアロエについては、前回の検討会でも議論となったがアロエ
>自体の作用が問題である。
>→アロエベラのアロインが含まれる外皮の部分は使用せず、葉肉の部分を使用し、
>葉肉にはアロインが含まれていないことを確認している。
〈略〉
>○いわゆる健康食品にはアロエ等添加の制限がある成分が基準を越えて含まれて
>いるものがあり問題である。


[7] - http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20050805_1.html
>キダチアロエを使った「健康食品」-下剤成分を中心に-
〈略〉
>バルバロイン量は銘柄ごとの差が非常に大きいが、1日当たりで摂取する量は錠剤
>より飲料の方が多い傾向にあり、下剤成分としての生理作用を及ぼす可能性があると
>思われた
〈略〉
>お腹が緩くなる可能性があることへの注意は、3分の1の銘柄でみられなかった


[8] - http://www.jica.go.jp/hiroba/educator/kyozai/mono/22/index.html
>現在、解明されているキダチアロエの有効成分は、アロイン、アロエエモジン(ともに健
>胃、消炎)、アロエチン(殺菌、菌毒素中和)、アロミチン(抗ウイルス、抗がん)、アロエ
>ウルシン(抗腫瘍)、多糖体(保湿)など。
>また、医学的に確認されないまでも、経験的に効くと報告されている効用は、二日酔
>い、高コレステロール、花粉症、ぜんそく、アトピー性皮膚炎など、実に幅広い。
〈略〉
>量が多すぎると、内服の場合は下痢や腹痛、外服の場合はかゆみを生じることがあり
>ますので少量から始めてください。また、妊娠中の方は控えてください。



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1208837414/451-

451 :無名草子さん:2008/04/26(土) 05:30:42
『笑うクスリ指』 P28

>「女房が妊娠中なのだが、こないだアロエ入りヨーグルトを食べてしまった。
>アロエというのは堕胎薬と聞いていたが、流産の危険性はないのか」という電話が
>友人からあった。そのときは「……たしか、ヨーグルトに入っているアロエは、
>医薬用のアロエとは種類が違うから大丈夫ないかなあ」程度の返答しかできなかったが、
>調べてみると、やはり薬局方に記載されているアロエと民間薬のアロエは別物いうことが
>わかり、さっそく電話で教えてやった。

至極当たり前という風に書いているが、唐沢は薬大中退の学歴を掲げて、こんな医師法違反、薬事法違反みたいなことを
しゅっちゅうやっているのではないか。唐沢に訊く方も訊く方だが、「流産の危険性」なんて重要な問題に対して、素人が
「大丈夫じゃないかなあ」と答え、なにか事故があったらどう責任をとるつもりなんだろう。
まあ、唐沢のことだから責任なんかとらないだろうけど。
こうした場合、「おれは素人だから、無責任なことは言えない。今かかっている産科のお医者さんに訊いてくれ」と答えるのが、
まともな人間だと思うのだが。


452 :無名草子さん:2008/04/26(土) 05:32:14
失礼。

○ >大丈夫じゃないかなあ
× >大丈夫ないかなあ

でした。

464 :無名草子さん:2008/04/26(土) 11:49:06
>>451
>「女房が妊娠中なのだが、こないだアロエ入りヨーグルトを食べてしまった。
>アロエというのは堕胎薬と聞いていたが、流産の危険性はないのか」という電話が
>友人からあった。そのときは「……たしか、ヨーグルトに入っているアロエは、
>医薬用のアロエとは種類が違うから大丈夫ないかなあ」程度の返答しかできなかったが、
>調べてみると、やはり薬局方に記載されているアロエと民間薬のアロエは別物いうことが
>わかり、さっそく電話で教えてやった。

>薬局方に記載されているアロエと民間薬のアロエは別物
という事が解ったが、ヨーグルトに入っているアロエはどっちのアロエなんだ?


484 :無名草子さん:2008/04/26(土) 18:15:10
>>451
それ、病気の子どもはいなかったんだ、というアレと同じで、
電話してきた友人はいなかったんじゃないかという気も。
今食べたばかりというなら、身近な知人に電話するのもわからないでもないが、
「こないだ」食べたのを、わざわざ唐沢に電話して聞くってのは不自然過ぎでは?


495 :無名草子さん:2008/04/26(土) 23:09:37
>>464
アロエが堕胎薬ってのがマジなのか迷信なのかも、よくわかんないんだけど……。

507 :無名草子さん:2008/04/27(日) 01:39:08
>>451
>>調べてみると、やはり薬局方に記載されているアロエと民間薬のアロエは別物いうことが
>>わかり、さっそく電話で教えてやった。

「別物いうことが」は原文ママ?
それはさておき、「医薬用のアロエとは種類が違う」とか「別物」とか、何か違うのでは。

http://www.aloe-seiyaku.co.jp/aloe/a01b.html
>・医薬品で日本薬局方に起源植物として収載されているのは、アロエフェロックス(A.ferox Mill)
>又はこれとアロエアフリカーナ(A.africana Mill)又はアロエスピカータ(A.spicata)との雑種となって
>います。これらはアロエの起源種で、雑種を作りやすい種類です。

とはあるけど、重要なのは成分じゃないかと。

http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9903/s0304-1_13.html
>○「ピュアラ アロエ」のアロエについては、前回の検討会でも議論となったがアロエ自体の
>作用が問題である。
>→アロエベラのアロインが含まれる外皮の部分は使用せず、葉肉の部分を使用し、葉肉には
>アロインが含まれていないことを確認している。

http://www5.cao.go.jp/otodb/japanese/kujyou/kobetu/OTO098.html
>アロエ・ドリンクの食品としての取扱い希望処理内容
> アロエの医薬品として用いられる部分を除去して製造するとともに、医薬品であるとの誤解を
>与えない適正な表示等がなされていれば、食品として取扱えること及び本品の輸入には、ワシン
>トン条約に基づく相手国の輸出許可書が必要なことを申立者に説明し、申立者は了解。

http://archive.mag2.com/0000110541/20060611101547000.html
>摂取する量に注意が必要なのは「アロイン」です。「アロエ」ではありません。そして、先ほど
>ご紹介しましたように、アロインは食品には使えないことが法律に定められています。
>ですから、市販されているアロエベラジュースなどにはアロインは含まれていません。


508 :無名草子さん:2008/04/27(日) 01:54:02
>>507 続き。
唐沢のいう「民間薬」の方だったらわからないや。それと、もし健康食品だったらどうなんだろう
かなっていうのも……。

http://archive.mag2.com/0000110541/20060611101547000.html
>ただ、アロインやアロインを更に凝縮・抽出したバルバロインを含むサプリメントや薬品もあります
>ので、必ず事前に確認して下さい。 

http://www.tokyo-eiken.go.jp/issue/journal/2003/pdf/54-16.pdf
>そして現在,食品と医薬品とで使用してよい植物種が異なるため,薬事法1-3)上,食品原料種
>の判別が必要になっている.食品として利用してはいけないアロエは,Aloe vera, A.ferox,及び
> A. africana の葉汁及び外皮である.これら3 種も果肉部分は,食品として利用できる.一方,
>アロエの茶剤や全葉の粉末他として日本で市販されているものは,主にキダチアロエA.
>arborescens を原料としたものである.アロエの加工品の成分については,様々な報告があり
>4,5)キダチアロエの指標成分として,アロエニンが報告されている6).しかしアロエニン
>のみの確認では,他のアロエが混合されているか否か確認できず,前述3 種のアロエの存在を
>確認できる指標が必要となる.アロエの成分についての分析は広く行われているが,食品に
>使用してはいけないA. vera, A. ferox,及び A. Africana の外皮とA. arborescens とを識別する
>報告がない.


509 :無名草子さん:2008/04/27(日) 02:01:59
>>508 続き

胃腸薬などには使われていても、子宮収縮だの堕胎だのの薬効は認められていないのでは?

http://www.jica.go.jp/hiroba/educator/kyozai/mono/22/index.html
>現在、解明されているキダチアロエの有効成分は、アロイン、アロエエモジン(ともに健胃、消炎)、
>アロエチン(殺菌、菌毒素中和)、アロミチン(抗ウイルス、抗がん)、アロエウルシン(抗腫瘍)、
>多糖体(保湿)など。

>医薬品
>薬事法の日本薬局方に医薬品として定められているアロエは、特定の品種のアロエの葉の液汁を
>煮詰めて乾燥したものを指す。胃腸薬や便秘薬に用いられている




   
 
HOME

 

 

inserted by FC2 system