トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/4/26  21:35

つまり死亡率 300% を捨て、睾丸切除を選んだ  その他の雑学本 間違い探し編

19世紀半ばの医師、ロバート・リストンについて。麻酔のない時代、手術時間短縮が
必須であった。

『笑うクスリ指』 P.213
もっとも、この先生はあまりにメスさばきが速すぎて自分でも制御できない
らしく、患者の足を切断したのはいいが一緒に睾丸まで切除してしまったり、
助手の指や見学している人の陰茎まで切除してしまうこともあったそうである。

まあ、2 分半で大腿切断手術を済ませたのはよいが、患者は後日感染症で死亡、その
手術の途中で誤って助手の指を切断してしまい、助手も後日感染症で死亡、さらに同じ
手術の最中には見学者の上着のすそに切り付けショック死させた、つまり一回の手術で
死亡率 300% ――という話 [1][2] も、怪しげな話ではあるんだけど。

ロバート・リストンが手術時間の早さを誇ったのは本当らしい [3] が、そのためにいろいろ
と笑い話の種にされていた [4] ようだ。

しかし、唐沢俊一のいう「足を切断したのはいいが一緒に睾丸まで切除」とか、「見学して
いる人の陰茎まで切除
」とかいう変形のさせ方は、もっともらしさの方も面白さの方も半減
させるだけだろう。

[1] - http://www.rin2.info/index0207a.html
> 麻酔登場以前は、外科手術は早く切るのが唯一の救いだったんで、速さを競っていた
>わけだけど、1840年代にロンドンで活躍していた外科医ロバート・リストンは、観客の学
>生に時間を測らせて、一瞬で切るのを得意にしてたのね。
> それで、ある患者の大腿切断をわずか2分半で行ったんだけど、当時は消毒法もな
>かったから、患者は後日、感染で死亡。このとき、リストン先生は手がすべって、若い
>助手の指も切断、助手も感染で後日死亡。さらに、見学中の別の医師の上着のすそに
>切りつけて、メスが医師の急所に刺さったため、ショック死。
> これが空前絶後のトリプルプレイ、死亡率300%の手術である、とのこと。詳しくは、
>映画にもなった「わたしのお医者さま」の著者、リチャード・ゴードン博士が『世界病気
>博物誌』に書いてるので興味のある方は読んでみてね。


[2] - http://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Liston
>Popbitch, not a reliable source for any information on anything, records that
>"Dr Robert Liston, the fastest saw in the west. In one two-and-a-half minute
>operation he amputated the leg of his patient (who later died from gangrene),
>sliced the fingers off his assistant (who later died from blood poisoning) and
>slashed through the coat-tails of a spectator (who dropped dead from fright).
>The only operation in surgical history to have a 300% mortality rate."


[3] - http://mail2.nara-edu.ac.jp/%7Emorimoto/com131.htm
>_19世紀前半のロンドンの有名な外科医、ロバート・リストンRobert Listonは、脚の
>切断手術を2分以内で行うことを誇りにしていた。この頃までは、手術に伴う患者の
>痛みは、神が与えた試練であり、耐えるべきだとされていたからである。手術を早く
>終わらせる外科医は、優秀だとされたのである。


[4] - http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/limedio/dlam/M22/M225891/3.pdf
>  ロバート・リストン氏は
>  鋸使い ピストンのように
>  得意満面 意気軒昂
>  人の手足を切り取った。
>[Robert Liston(17941847),英国の解剖学の教授で,執刀の巧みさで令名を馳せた
>外科医。麻酔の知られていない時代には,素早い手術が必要だった。piston/elated,
>amputated]




http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1208837414/453-

453 :無名草子さん:2008/04/26(土) 06:00:50
『笑うクスリ指』 P213

 19世紀半ばの医師、ロバート・リストンについて。麻酔のない時代、手術時間短縮が
必須であった。

>もっとも、この先生はあまりにメスさばきが速すぎて自分でも制御できないらしく、
>患者の足を切断したのはいいが一緒に睾丸まで切除してしまったり、助手の指や
>見学している人の陰茎まで切除してしまうこともあったそうである。

 凄え! この話、元ネタはリチャード・ゴードン『世界病気博物誌』という本だということなんだが。
 Wikipediaで“Robert Liston”を調べてみたら―

 http://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Liston

 信憑性は明らかではないとしながら、脚を切断された患者は壊疽で死に、このとき指を切断された助手は
敗血症で死に、上着の後ろすそを切られた見学者はショックで死に、死亡率300%を誇ったようだ。
 つまり、これ一つの手術の話なのね。


487 :無名草子さん:2008/04/26(土) 19:22:39
>>453
『世界病気博物誌』の内容がこの通りだとすると、患者の睾丸切除という余計なガセを加え、
おもしろさ半減という見事な劣化コピーをしたということに。

http://www.rin2.info/index0207a.html
> それはともかく、世界最大、空前絶後の医療ミスというのがあります。まあ、薬害の
>ように大量にばらまいちゃって大量に被害者が出たというのは別なんだけど、手術での
>死亡率の最大は何パーセントか?というので……。答え、300%。
> 麻酔登場以前は、外科手術は早く切るのが唯一の救いだったんで、速さを競っていた
>わけだけど、1840年代にロンドンで活躍していた外科医ロバート・リストンは、観客の学
>生に時間を測らせて、一瞬で切るのを得意にしてたのね。
> それで、ある患者の大腿切断をわずか2分半で行ったんだけど、当時は消毒法もな
>かったから、患者は後日、感染で死亡。このとき、リストン先生は手がすべって、若い
>助手の指も切断、助手も感染で後日死亡。さらに、見学中の別の医師の上着のすそに
>切りつけて、メスが医師の急所に刺さったため、ショック死。
> これが空前絶後のトリプルプレイ、死亡率300%の手術である、とのこと。詳しくは、
>映画にもなった「わたしのお医者さま」の著者、リチャード・ゴードン博士が『世界病気
>博物誌』に書いてるので興味のある方は読んでみてね。



   
 
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