トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/4/??  ??:??

イモリの黒焼きよりもゴールド、これ最強 その他の雑学本 間違い探し編

『東大オタク学講座』第十二講 愛と誠の変態講座
http://netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/books/otakusemi/No12.html

イモリの黒焼きが精力増強の薬に用いられるのも、水中で腹と腹を向かい
合わせて、人間と同じように正常位で交尾する動物だからなんです。

×精力増強の薬 ○媚薬 または 惚れ薬

×水中で腹と腹を向かい合わせて、人間と同じように正常位で交尾する動物だから
○ヤモリの血を身体に塗られた女性が浮気をすると塗られた血の色が消えるという中国の
 話が、日本に伝わったときに「イモリの血=イモリのしるし(印)」が媚薬と変化したから
  または
 イモリは淫らで、よく交尾する動物と信じられていたから
  または
 イモリの求愛行動が激しいものだから

やはり、イモリの黒焼きといえば、惚れ薬だろう。媚薬と表現されることも多いが、使用法
としては相手に振りかけたり飲ませたりするもの [1][3][4][5]。自分で服用することにより、
「精力増強」をもくろむ薬とはされていない。

そして、「正常位で交尾」どころか、イモリのオスには交尾するための交接器自体がない。
オスが落とした精子の袋をメスが体内に取り入れて保管し、水温が 25℃ 以上になった
時点で、メスの体内で袋の精子と卵が受精される。この性質が買われて、宇宙空間で
脊椎動物の受精が可能かどうかの実験 (スペースシャトル内) にも使用されたのだ [2]。

まあ、「アメリカやヨーロッパにはカエルのように交接する種も多い」という話もある [4] が、
その場合も正常位ではないし、俗説としても正常位うんぬんはあまり見かけない。

で、イモリの黒焼きについては、[1] の参考文献にもなっている『世界大博物図鑑〈第3巻〉
/両生・爬虫類』 (荒俣宏著) や『イモリと山椒魚の博物誌』 (碓井益雄著) を参照している
資料がネット上でもいくつか見つかる。

それによると、「中国では、守宮(ヤモリ)の血を身体に塗られた女性が浮気をすると、
血の色が消えると言われていた」のが、日本では「守宮」はイモリと解釈され (混同され?)、
「『イモリの血=イモリのしるし(印)』が媚薬として言い伝えられたのが始まり」だそうだ [1]。

また、「『和漢三才図会』によるとイモリは淫らな性質を持ち、良く交尾をする」ことにされて
いるとのこと [4]。とにかく「淫欲が強い」ものとされた [5] のは、イモリの求愛行動が派手
なため [3] か。
[1] - http://www.kenkobunka.jp/kenbun/kb41/onita41.html
> イモリという名を知らなくても「お腹が赤く水の中に棲んでいるトカゲのような動物」と
>いえば、大方の人は分かってくれる。また、イモリの黒焼=惚れ薬という話しも、想像
>以上に多くの人が知っている。明治、大正時代はイモリの黒焼が媚薬として新聞広告
>に掲載され、また、大正時代に発刊された百科事典にはイモリの黒焼の製法が記載
>されている。今は、特別の本を除けば、惚れ薬については殆ど記載されていない。にも
>かかわらず、イモリの黒焼=惚れ薬は現代でも広く知られおり、文化の伝承のたくまし
>さを感じざるを得ない。
> 平安時代、中国では、守宮(ヤモリ)の血を身体に塗られた女性が浮気をすると、
>血の色が消えると言われていたのが日本に伝わり、ヤモリ(守宮)をイモリ(守宮)と
>解釈して「イモリの血=イモリのしるし(印)」が媚薬として言い伝えられたのが始まりと
>いわれている(文献1、2)。また、田沼意次に嫌われていた家来の黒澤一郎右衛門が、
>密かに手に入れたイモリの黒焼を主人に振りかけたところ、気に入られるようになり、
>イモリの効果絶大と黒澤に媚びる者が多くなったとか(文献1)。江戸時代の川柳には、
>「いもりより佐渡から出るがいっちょよし」とか「黒焼きにせずとも小判は惚れ薬」と歌わ
>れているので、イモリの黒焼の効果については、民衆は懐疑的であったに違いない。
〈略〉
>文献1:世界大博物図鑑〈第3巻〉/両生・爬虫類  荒俣 宏著 平凡社 (1990年)
>文献2:イモリと山椒魚の博物誌 碓井益雄著 工作舎(1993年)

[2] - http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/05/04/0410.html
>イモリのオスには交接器がなく、直接交尾ができません。その代わりに、イモリのオス
>は精子の入った袋を落として、それをメスが総排出腔という部分から体内に取り入れる
>のです。そしてメスは、その精子が入った袋を体内で保管し、水温が25℃以上になった
>ときに、その精子と自分の卵を受精させるのです。オスの精子は最大5ヶ月間、メスの
>体内で保管されることが出来ます。
> つまり、宇宙にいる限られた時間の中で動物のオスとメスを交尾させるのは難しいの
>で、メスの体内で精子を保管し水温を調節すれば受精が行われるイモリが宇宙に行く
>ことになったのです。
> 結果は、見事受精が行われ、産卵や細胞分裂も観察されました。

[3] - http://nature-sanbe.jp/sahimel/rensai/sankei/2006/04/post_84.html
>オスは水底を歩き回ってメスを探し、メスと出会うとその進路をふさぐ位置に居座って、
>しっぽをさかんに震わせてメスに熱烈に自己アピールします。
> イモリと聞くと、「イモリの黒焼き」が頭に浮かぶ方もいるかもしれません。イモリの
>黒焼きとは、オスとメスのアカハライモリを黒焼きにして粉末にしたもので、江戸時代に
>はいわゆる「ほれ薬」として知られていました。実際に当時はこの粉を想いを寄せる人に
>飲ませたり振りかけたりして、恋愛成就のまじないをかけたとのこと。さて、実際の効き
>目はどうだったのでしょう?このようにほれ薬として使われたのも、このオスの熱烈な
>求愛行動にちなんだものだったと言われています。

[4] - http://www.geocities.co.jp/HeartLand/3108/herpetarium/japan-amph.html
>「和漢三才図会」によるとイモリは淫らな性質を持ち、良く交尾をする(実際にはもちろん
>外部交接器を持たないので、有尾類は交尾はしない。アメリカやヨーロッパにはカエル
>のように交接する種も多いが、ニホンイモリは交接もしない。)。

[5] - http://kawausotei.cocolog-nifty.com/easy/2005/08/post_0ea9.html
>「これは交尾しているいもりを使うねん。その最中のヤツを、無理やり左右に引き離し
>て、別々に素焼きのつぼに入れて、これを蒸し焼きにする。焼き上げてからふたを取る
>と、山一つ越えてでも、その煙が一緒になるというぐらい、いもりというのは淫欲の強い
>もんや。その焼き上げたオスのいもりの粉を、自分につけて、メスのを相手にふりかけ
>る。そうした時に、初めて効くねん。ただのいもりの黒焼きをふりかけたかて、効くもん
>ちゃうねん」

その他参考 URL:
- http://www.htokai.com/imori/noroi.html
- http://www.htokai.com/imori/hansyoku.html
- http://ja.wikipedia.org/wiki/イモリ
- http://www.geocities.jp/itoukuroyakiten/info/kuroyaki-info.html
- http://blog.mag2.com/m/log/0000193357/109060421.html

2ちゃんねるのスレでの元の指摘は Read More を参照。





http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1208837414/226

226 :無名草子さん:2008/04/23(水) 21:23:04
>>224
あと、このときの講義の中でも唐沢さんがガセを話しているから、それを指摘したレスを過去スレより再掲。
なお、ちょっとした誤りがあったので一部訂正してあることをお断りしておく。

【半端仕事と】盗作屋 唐沢俊一32【芝居が本業】
ttp://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1208355813/678
678 名前:無名草子さん[sage] 投稿日:2008/04/21(月) 17:29:53
> >>672
> 東大でもガセをしゃべってるのを発見してしまったよ。
> >イモリの黒焼きが精力増強の薬に用いられるのも、水中で腹と腹を向かい合わせて、
> >人間と同じように正常位で交尾する動物だからなんです。
> >人間と同じ形でセックスするからそれにあやかろうって発想ですね。
> ガセその1。イモリの黒焼きは「精力増強の薬」ではなく「惚れ薬」である。
> 自分で飲むのではなく、意中の相手に振りかけるのが正しい使用法らしい。
> 以下参照。
> ttp://www.htokai.com/imori/noroi.html
> ttp://www.kenkobunka.jp/kenbun/kb41/onita41.html
> ttp://nature-sanbe.jp/sahimel/rensai/sankei/2006/04/post_84.html
> なお、東京には今でも黒焼き専門店があって、イモリの黒焼きも売られている。
> ただし、「惚れ薬」ではなく「滋養強壮」の薬らしいが。効き目はあるのかなあ。
> ttp://www.geocities.jp/itoukuroyakiten/info/kuroyaki-info.html
> ガセその2。イモリは正常位で交尾しない。それどころか交尾自体行わない。
> じゃあ、どうやって繁殖しているのかというと、オスが落とした精子の入った袋を
> メスが総排出腔から取り込み、自分の体内で受精させた後、産卵を行うのである。
> 以下参照。
> ttp://www.htokai.com/imori/hansyoku.html
> ttp://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/05/04/0410.html
> ちなみに、どうしてイモリの黒焼きが惚れ薬になったかというと、求愛行動が激しかったためだと思われる。
> しかし、唐沢さんは薬に詳しいはずなんだけどなあ。一気に二つも間違えなくても。
> 「薬局通」も調べてみるべきなのか?一応ウィキペディアも参考に。
> http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%83%AA




   
 
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