トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/4/17  1:11

夕日の陰のピンクの豹  その他の雑学本 間違い探し編

『唐沢俊一のカルト王』 P.234
たとえば、高校生のころ、古レコード屋でヘンリー・マンシーニのLPレコード
を買った。映画『ピンクの豹』(ピンク・パンサー・シリーズの第一作)の
サントラ盤である。そのジャケットの裏面(解説は日野康一氏だったと記憶
する)に、曲名が書いてあるのだが、その中に、
「夕日の陰に」
 という曲があった。なかなかロマンチックな曲名である。ところが、これが
聞いてみると、完全なコメディ・タッチの曲で、それも道理、あの映画の、
クライマックスの仮装舞踏会での大追いかけっこシーンで流れる曲であった。
 一体なんで、そんな曲に「夕日の陰に」なんぞという似合わない名前が
ついているのか。そもそも「夕日の陰」というのは言葉としてもおかしくないか。
これが気になった。
 で、原曲を調べてみると、これが
「SHADE ON SENNETT」
 となっているのですね。
SENNETT とは、アメリカにおけるスラプスティック・コメディ(ドタバタ喜劇)の
元祖、マック・セネットのことである。つまり、この曲はセネット喜劇タッチを
ねらったものなのであって、曲名の SHADE は陰ではなく影響、つまり翻訳
すれば、
「セネット風」
 とでもなるものなのだ。
 たぶん、この訳者(日野氏?)は、マック・セネットという名前をご存じなかっ
た。それは当然で、どんな辞書を引いたって、マック・セネットなんて人名は
載っていない。それで、窮するあまり、SENNETT を、エイとばかり強引に、
SUNSET (入り日)と故意に“誤読”してしまい、「夕日の陰に」というタイトルを
デッチ上げた、という次第なのだろう。
この結論に達したときの僕のウレシサを分かっていただけるだろうか。
このくらいの論理探求力を、もっとマットウな学問に向けていたら……とは
よく言われる。

×「SHADE ON SENNETT」 ○「SHADES OF SENNETT」
×「SHADE は陰ではなく影響」 ○「SHADES OF」には「…を思い出させるもの」という
意味もある。

また、「『夕日の陰』というのは言葉としてもおかしくないか」といわれても、おかしいと思う
唐沢俊一の方がおかしいのではないかと思ってしまうのだが。

2ちゃんのスレでの指摘 (Read More 参照) にもあったように、shade 単独では「影響」の
意味はない。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=shade&stype=1&dtype=1
>7(意味などの)微妙なあや, ニュアンス((of ...))
>・shades of meaning意味の微妙なあや.
>8 ((時にthe ~s))((文))夕やみ, 宵(よい)やみ
>・shades of evening夜のとばり.
〈略〉
>shades of ...((略式))…を思い出させるもの
>・Shades of the seventies! Long skirts are back in style.
>70年代を思い出すね, ロングスカートがまたはやっている.

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?p=shade&enc=UTF-8&stype=1&dtype=1&dname=1ss
>Shdes of..!話(これを見ると[聞くと])私は昔の..を思い出す.
>・Shades of the late premier! He would have known what to do!
>こうなると前総理のことが思い出される. あの人ならどうすべきか分かっていただろう.

「論理探求力」を自画自賛するくらいだから、高校時代の唐沢俊一は、英和辞書を引き、
shades of が「…を思い出させるもの」などと書いてあるのを見て、「セネット風」と訳した
ものと想像する (その手のことをやらなかったとすると、原題を見てマック・セネットのこと
だと思っただけ、探求するという程のことは何もしなかったということになるので)。30 年も
経つと、「SHADE ON SENNETT」と間違えて書くようになるのだから、年月の経過という
のは惨いものなのかもしれない。

http://www.musicfromthemovies.com/review.asp?ID=820
> 'Shades of Sennett' is really the only one cue that features pure slapstick with
>it's hilarious and frantic rhythm and makes for a great ending before entering
>The Return Of The Pink Panther (1975).


それと気になるのは、「夕日の陰」というのは唐沢俊一説のように、「窮するあまり」に
SENNETT を、エイとばかり強引に、SUNSET (入り日)と故意に“誤読”」したものなのか
どうか。

SENNETT が「どんな辞書を引いたって」「載っていない」ものだったとして、また訳者が
マック・セネットという名前をご存じなかった」として、何も「窮する」ことはない、人名か
地名か、とにかく固有名詞だろうと推測して、「セネットの陰」とでもすればよいこと。
shades of が「…を思い出させるもの」であろうと、「…のニュアンス」「…風」「…の影響」
であろうと、間違いにも大きくハズすことにもならない。

そこをあえて「夕日の陰」としたのは、翻訳者の意図がはたらいていたのではないかと
推測するのは、訳者に肩入れし過ぎだろうか。SENNETT を SUNSET と見間違えたと
するのは少し無理があるし、Shades of Sunnett は Shades of Sunset のもじりでもあると
思われるし、Shades of sunset pink ということもあるからピンクつながりで――などと想像
してみたりするんだけど。

(でも、まあ、昔はヒドい邦題が、いろいろあったという話もまたあるけど)。



http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1207310657/

783 :無名草子さん:2008/04/08(火) 09:21:14
『唐沢俊一のカルト王』大和書房 P234

 高校生時代『ピンクの豹』のサントラLPを購入した唐沢少年は、その中の「夕日の陰」という
曲名に首を捻る。原曲名は「SHADE ON SENNETT」。

>SENNETTとは、アメリカにおけるスラプスティック・コメディ(ドタバタ喜劇)の元祖、マック・セネットのことである。
>つまり、この曲はセネット喜劇タッチをねらったものなのであって、曲名のSHADEは陰ではなく影響、つまり翻訳すれば、
>「セネット風」
>とでもなるものなのだ。

 なんで「SHADE」が「影響」になるの? 陰 → 影 → 影響という連想かいな。「SHADE」には影響なんて意味は全く無い。
原曲名は「SHADE ON SUNSET」のもじりだろう(唐沢の裏モノ日記のタイトルの類)。本当に“洒落”の分からん男だなあ。

 そして、さらに日本語題名を付けた人間はマック・セネットなどという特殊な人物のことを知らなかったので
SENNETTを無理矢理SUNSETと読んで、苦し紛れの題名をデッチ上げたと推理する。

>この結論に達したときの僕のウレシサを分かっていただけるだろうか。
>このくらいの論理探求力を、もっとマットウな学問に向けていたら……
>とはよく言われる。しかし、世の中は分業制である。

「論理探求力」って、アンタw。そんなこた、映画ファンなら、瞬間的に理解できることじゃないのかね。
「雑学王」とか「カルト王」の「王」は洒落じゃなくて本気で名乗ってるのかw



   
 
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