トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
旧 URL は、http://diary.aol.com/yzuc9ww/360.html
文字列の一括置換をかけた都合上、旧ブログのコメント欄および2ちゃんねるのスレからの引用の中の URL も全部新 URL に置き換わっていますことを、あらかじめご了承ください
http://tondemonai2.blog114.fc2.com/ で続きの Blog をやっています
   
 

2008/4/16  22:44

あるいは彼すらもバロウズのフォロワー  その他の雑学本 間違い探し編

『唐沢先生の雑学授業』 P.155
エプロンは火薬を発明した?

お●火薬って他にもお好み焼きとかに入れたりしますよね!
唐●いや、それは“かやく”だ。火薬は火をつけると爆発するヤツだ。
お●ええっ、水虫を爆破するんですか!
唐●そうじゃないって。黒色火薬は硝酸カリウムという物質とイオウと木炭を
混ぜてつくるんだけど、硝酸カリウムは今でも皮膚病のクスリに入っているし、
イオウも殺菌能力があるから皮膚病に効果がある。明代というと五百年くらい
前だけど、そのころの火薬というのは爆発力が小さかったから、兵器に使うより、
こうしたクスリの方が注目されたんだ。
お●平和でいいですね、水虫治療なら。

……2ちゃんでこれについて書き込んだ人も、「さて、どこから突っ込むか」といっていた
(Read More 参照) わけだが。

エプロンは火薬を発明した?」という表題と、「火薬って他にもお好み焼きとかに入れ
たり
」というセリフとの間には何もない。前のページに書かれているのは、「千と千尋の
神隠し」についてのネタ (これは、「『千と千尋の神隠し』は姓名判断では凶運……って
姓名じゃないし
」で取り上げたけど) であり、この章へと話が続いているわけではない。

でも、なぜか、「火薬って他にも」で始まる。で、ボケるのはよいんだが、かやく (加薬)
ご飯でもなく、インスタントラーメンとか焼きそばとかに入っている小袋ですらなくて、
お好み焼き」。なぜそれで、「いや、それは“かやく”だ」と返すことが可能なんだろう。

そして、「火薬は火をつけると爆発するヤツだ」にこたえて、いきなり「ええっ、水虫を爆破
するんですか!
」……。この唐突な発言に動じる様子もなく「そうじゃないって。黒色火薬
」と話を続け、皮膚病に効く成分がどうのこうのといいながら、「こうしたクスリの方が
注目されたんだ
」で話を区切る唐沢俊一。「クスリ」と、いきなりいわれても……。

このインパクトの前では、13 世紀後半の元寇の頃には立派に火薬が武器として使われて
いたって Wikipedia にも書いてあったぞ [1] というツッコミも虚しい。

どうか信じていただきたいのだが、上の文章は本当に『唐沢先生の雑学授業』に書かれて
いる通りの引用なのだ。悪意をもって途中の行を削除したものではないし、ここここ
見て刺激を受け、テキストをカットアップしてみたものでもない。

[1] - http://ja.wikipedia.org/wiki/火薬
>日本人が初めて火薬を用いた兵器に遭遇したのは13世紀後半の元寇においてである。
>当時の様子を描いた『蒙古襲来絵詞』(竹崎季長 永仁元年2月9日(1293年)和暦は
>改元前のため実際は正応6年か。)の写本の図には、元軍が用いた「てつはう」と呼ば
>れる兵器が描かれている。(なお、佐藤鉄太郎 『蒙古襲来絵詞と竹崎季長の研究』
>(2005年)によればこの「てつはう」(とモンゴル兵)は江戸時代の加筆であるとする。)
>「てつはう」は鉄球に火薬をつめた炸裂弾で、強力な弓の先端につけて発射された。




http://www.23ch.info/test/read.cgi/books/1204420325/

536 :無名草子さん:2008/03/06(木) 14:34:17
『唐沢先生の雑学授業』P155 「エプロンは火薬を発明した?」

>お●火薬って他にもお好み焼きとかに入れたりしますよね!

さて、どこから突っ込むか。この台詞は「千と千尋―」のガセビアに続く「エプロンは火薬を発明した?」の
一行目。「他にも」って何の他なの。書き下ろしのようだから収録の順番を間違えたのでもないだろうし。
しかし、お好み焼きの具を「加薬」いいますか? それに答えて唐沢先生―

>唐●いや、それは“かやく”だ。火薬は火をつけると爆発するヤツだ。
>お●ええっ、水虫を爆破するんですか!

派生トリビアとかぬかすなら、“かやく”じゃなくて“加薬”という話題になるはずだが、
“かやく”と流したところを見ると“加薬”という言葉を知らんのだろう。そこからさらに
“薬味”という話題になって―
いや、それは脱線だというなら仕方ないが、なんでいきなり水虫の話が出てくるねんな?
さらに―

>唐●そうじゃないって。黒色火薬は硝酸カリウムという物質とイオウと木炭を混ぜてつくるんだけど、
>硝酸カリウムは今でも皮膚病のクスリに入っているし、イオウも殺菌能力があるから皮膚病に効果がある。
>明代というと五百年くらい前だけど、そのころの火薬というのは爆発力が小さかったから、
>兵器に使うより、こうしたクスリの方が注目されたんだ。

どうやら、ここでは「古代中国では火薬が水虫の治療に使われた」というトレビアを披露しているらしい。
さらにドイツのシェーンバインという学者がエプロンに付いた硝酸から綿火薬を偶然に作ったというトリビアに
なって、やっと章題の「エプロンは火薬を発明した?」という意味が分かるという次第。

しかし、1回読めば意味不明な展開になっていることなど直ぐに分かるはず。これは編集者にも責任があるよな。
630円返せ!



   
 
HOME

 

 

inserted by FC2 system