トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/3/17  23:09

バクもマクも似たようなもの  その他の雑学本 間違い探し編

『唐沢先生の雑学授業』 P.130
お●砂漠って水がないのに、どうして漠の字にさんずいがついて
いるんですか?
唐●漠の字の“莫”の部分が、“無し”という意味なんだな。それに
さんずいがつくから、要するに“水がない”という意味になるわけだ。

確かに“莫”には“無し”という意味があり、和文では「驚く莫れ」「疑う莫れ」など
禁止・制止を意味する使い方をして、それに「水」 (サンズイ) をつけた漢字が「漠」
ではあるんだけど。

「漠」単体では、「すなはら」の意味はあるけども、水がないとか乾いているとか
“水がない”という意味」の字とはされていない。砂漠の漠は漠然の漠でもあって、
つかみどころがない、ぼんやりとしていてはっきりしない、何もなくうつろ、広々と
している、むなしいなどの意味で使われ、これらの意味は「莫」単体とも共通。

で、角川『字源』の XML 版 http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/を発見した
ので引いてみると、昔は「漠」や「莫」を「幕」「膜」といっしょくたにして使っていた (?)
みたいで、「砂漠」を「沙漠」「沙幕」と書くこともあったし、「幕府」を「莫府」と書くこと
もあったと。「幕」にも「“水がない”という意味」はないけど。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%e8%8e%ab&stype=1&dtype=0
>まな【×勿/×莫】
>[副]漢文訓読で「…することまな」の形で、…するな、…してはならぬ、の意を表す。
>和文では単独で「いけない」と制止する意を表す。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%e6%bc%a0&dtype=0&stype=1&dname=0ss
>ばく1 【漠】
>(ト|タル) [文]形動タリ
>1. 広すぎて、つかみどころのないさま。ぼんやりして、はっきりしないさま。
> ・ ―とした不安
>2. (名) 数の単位。渺(びよう)の一〇分の一、すなわち一〇のマイナス一二乗。


http://ja.wiktionary.org/wiki/漠
>・会意形声。「水」+音符「莫」、「莫」は「~が見えない」を意味する語。
>意義
>1. すなはら。砂漠、沙漠
>2. 広々としうつろな様。漠然

http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/085.xml
>漠  バク [藥]
>○すなはら「沙─」「磧─」古、幕と通ず。○ひろし(廣莫)廣くしてはてなし。ばっと
>してとりとめなし「空─」○きよし(淸)○しげる(茂)○さびし「寂─」=寞。○淡─・恬
>─はしづかなる貌。○──は布き列る貌。○くらし、ぼんやり「濛─」
>【漠然】 バクゼン ぼんやりとして明かならざる貌。淮南子「聖人内修其本、而不
>外飾其末、──無爲而無不爲也」


http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/140.xml
>【沙漠】 サバク すなはら。魏志、任城王彰傳「丈夫一爲衞霍、將十萬騎、馳──
>驅戎狄」【沙幕】 サバク 沙漠に同じ。史記・漢書皆──に作る。
>【沙幕】 サバク 沙漠に同じ。史記・漢書皆──に作る。


http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/140.xml
>莫
>【①バク・マク [藥]②バク [陌]③ボ [遇]③は暮に通ず
>①なし(無)否定する辭。孟、梁惠王「晉國─?焉」○むなし(虚)ひろし「廣─」
>○なかれ(勿)魏志、鐘會傳「─多飮酒」○くらし(闇)○つとむ(勉)○さだまる(定)
>詩、大雅「求民之─」○はかる(謨)詩、小雅「聖人─之」○やむ。やます。古、?に
>通ず。○けづる(削)○──は草木の密に茂る貌。又、風塵の起る貌。○うすか
>は、膜に通ず。○おほいなり(大)○まく。古、幕に通ず。○遮─ サモアラバアレ
>はままよ。=任他。②──はしづか(靜)なる貌。又、きよし(淨)
>③くれ。=暮「─春」「歳─」○な、菜の一種。詩、魏風「言采其─」(言はここに)

>同訓異義 ナシ 莫・無・靡・无・罔・亡・勿・母・沒・微の別は無(一一七六頁四段)の
>條を見よ。


http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/zigen/086.xml
>○莫は勿也、無也、不可也と註し、又定也とも註すれば、確と決定して無しといふ
>義にて、意?し、孟子に不祥莫レ大レ焉」とある如し、後世にては、詩と俗語とに
>限りて、なかれと訓す。



   
 
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