トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/3/14  4:11


『トンデモ一行知識の世界』 P.78 (表題)
カンヅメはナポレオンが考案させた。

『トンデモ一行知識の世界』 P.78 ~ P.79
カンヅメの発明者、というか発案者はかのナポレオンで、ロシア遠征を
ひかえて彼は、 行軍用の保存食料の開発を命じ、その結果採用された
のが、「ニコラ・アペール (フランソワ・アペールという説もあり)」という
菓子屋が考案した、食品を密閉したカン (初期にはビンが使われた) に
保存するというアイデアだった。

唐沢俊一本人が書いている通り、ニコラ・アペールが考案したのは、あくまでも “瓶詰”。
密閉容器は彼のアイデアのため、缶詰の原理の発案者とはいえるかもしれないが、
缶詰の発明者はピーター・デュランド。

http://ja.wikipedia.org/wiki/缶詰
>遠征における食料補給の問題に悩まされていたナポレオン・ボナパルトによる懸賞に
>こたえ、1804年にフランスのニコラ・アペールにより長期保存可能な瓶詰めが発明
>されたが、 ガラス瓶は重くて破損しやすいという欠点があった事から、1810年に
>イギリスのピーター・デュランド(Peter Durand)が、金属製容器に食品を入れる缶詰
>を発明した


まあ、アペールを、缶詰の発明者と表現している資料もある。

http://www.betsukai.gr.jp/homepage/yakuba/510_kyoudo/kanzume/kaisetsu.html
>1-1 アペールによる缶詰の発明
> 1804年、フランス人ニコラ・アペール(1750-1841)は、缶詰製造原理を発見しました。
>その40年前の1765年、イタリア人牧師スパランツァニは牛肉をビンの中に密閉して1時間
>過熱すれば数週間腐らないことを発見していましたが、アペールは試行錯誤の末、それを
>実用化したのです。広口ビンに食品を詰め、コルク栓をゆるくはめて湯煎鍋に入れて過熱
>し、ビン内の空気を駆除した後、コルク栓で密封した結果、長期の保存が可能になりました。
> その後、壊れやすいビンに代わって金属が用いられるようになり、製造方法も次第に
>洗練化されて、ヨーロッパやアメリカに広まっていきました。


しかし、続く唐沢俊一の文章では、製造原理だけではなく缶に保存するアイデアもアペール
のものだとしてしまっているので、間違いにカウントしてよいだろう。

また、唐沢俊一による表題の「ナポレオンが考案させた」はいいとして、「カンヅメの発明者、
というか発案者はかのナポレオン
」や「せっかくのナポレオンの名案」にも違和感が。ナポレ
オンは懸賞金を出して保存食のアイデアを募集しただけで、具体的な案をもって製作を指示
したわけではないだろうに。



   
 
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