トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/3/3  8:49

「フジ」は長いスロープの美しい地形を表す倭語説が現在有力  『トンデモ一行知識の世界』間違い探し編

『トンデモ一行知識の世界』 P.212 欄外
・富士の名はアイヌ語で火を表す「フンチ」が起こり。昔、火を噴く
 富士山を見て、ふもとに住むアイヌ人が名づけたもの。
「アイヌ語で火」を語源とする説は、イギリス人宣教師ジョン・バチェラーのもの。
それを受けてアイヌ語説が支配的な時期もあったが、あくまで「フチ」を語源だと
する説であって、「フンチ」説をとなえた者はいなかったわけだが。

そのアイヌ語の huchi というのは、火ではなくお婆さんの意味という話もあるが。

アイヌ語の huchi が語源という説は、金田一京助が、「ハ行音でフジとなる為
には、その語頭音は必ずやpかf
」でならなければいけないとし、「国語の音韻史
を無視した失考
」であると、1932 年の時点で否定している。

現在は、「富士」の語源はアイヌ語ではなく倭語というのが定説になっている。

http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/e-museum/fujiyama/furufuji4.htm
>明治十年に来日したイギリス人宣教師ジョン・バチェラーは、『アイヌ語より
>見たる日本地名の研究』を表し、「富士」はアイヌ語の火を意味する「フチ」が
>語源だとしました。それ以来、「富士」の語源として、アイヌ語説が支配的と
>なってきました。 その後、言語学者金田一博士によってアイヌ語説は誤りだ
>とされ、「フジ」を倭語としてとらえるようになってきました。また、地名分布の
>上からも「フジ」の地名が大和中心の周圏構造を持ち北海道には関係ない
>ことが分かりました。


http://www.asahi-net.or.jp/%7EHI5K-STU/aynu/huji.htm
>アイヌ語の「フチ」は「おばあさん」という意味で、「火」という意味はありません。
>「アペフチカムイ」(火のおばあさんの神)の「フチ」を「火」と勘違いした? 
>むりやりこじつけた?

>「「フチ(火)」が語源だとする説が有力だ」
>全然、有力じゃありません。(笑)

>「フチ」の発音に関して、金田一京助は次のように書いています。
>(「北奥地名考」1932年)
>「若し語原が、説者のいう如くアイヌ語のhuchiであったならば、国語にクヂ(または
>クジ)となっていた筈で、国語にハ行音でフジとなる為には、その語頭音は必ずや
>pかfでなけれだならない。それは上代の国語の音には[h]音がなく、外国の[h]音は
>これが為にみな[k]音に取り込まれる例であったからである。現今のフジであるから
>とて、huchiをその語原に見立てたのは、国語の音韻史を無視した失考だった。」

>金田一京助がこれを書いてから67年もたっているのに、いまだに「「富士」もアイヌ
>語の「フチ(火)」が語源だとする説が有力だ。」と書く人がいるんですねぇ。


その他参考 URL:
- http://ja.wikipedia.org/wiki/富士山
- http://www.dai3gen.net/chimei_jikai.htm



   
 
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