トンデモない一行知識の世界 OLD - 唐沢俊一の「雑学」とは -

一部で有名な唐沢俊一の一行知識に、ツッコミを入れたり派生トリビアを書いたり。
「愚かで分別のない人と思われたいなら、唐沢俊一のトリビアを引用しなさい。」

 
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2008/2/28  8:50

無断引用という奇妙な言葉への奇妙な執着  その他の雑学本 間違い探し編

まあ FLASH の袋とじ記事も、雑学本の一種ということでの第二弾。

FLASH 2008年3月11日号
「盗用によって絶版になった本」のコーナーのキャプションより
大江秀房「早すぎた発見、忘られし論文」「科学史から消された女性たち」
唐沢「問題を指摘したのは書名にもある、女性たちというオチが。
科学分野での無断引用の問題はあまりなかったパターンだといえます」

引用は無断でするものという原則からすれば、「無断引用」というのは奇妙かつ矛盾した
言葉であるという指摘は、ネット上で盗作が話題になっているときなどに頻繁に目にする。
盗作・盗用を「無断引用」とぼかした表現にすることを好む (?) 者たちが多いからこそ、
それはおかしな表現だという訂正の意見を目にすることが多いともいえる。

田口ランディ その「盗作=万引き」の研究』(鹿砦社)収録の栗原裕一郎『「盗作」は
いかに報じられてきたか』では、「無断引用」の起源を、1972 年の朝日新聞が「丹羽氏
の“無断引用”で論争」という題で丹羽文雄の無断使用事件を報じたものとしている。
(その後の調査で、1968 年に東京新聞が五味康祐の盗用事件報道に使用していたこと
が分かったとのこと)。
http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20070718#1184695735
>記事中に「盗用」と「無断引用」が混在しており、たんなる言い換えにすぎないことが
>確認できます。が、何を意図しての使い分けかはよくわからない。


なお、上記ブログは、唐沢俊一の盗作の被害にあった漫棚通信ブログの中で、「『無断
引用』というまちがった言葉がいつごろから使われ出したのか
」について言及しているのを
受けたもの。
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_4ea2.html

この「漫棚通信ブログ版: これは盗作とちゃうんかいっ・無断引用篇」ではさらに、唐沢俊一
自身による「無断引用」の使用例を挙げ、「無断引用なんて言葉はない」と指摘し、こう結ぶ。

>これらを読むと、唐沢俊一氏は週刊新潮のインタビューで主張されたように、今回の
>唐沢氏の行為を今でも「無断引用」と思われているのかもしれません。わたしとしては、
>ここであらためて、今回の事件は「引用」の問題ではない、と主張しておきます。


FLASH の記事のキャプションについては、大江秀房による無断使用を出版元の講談社や
新聞が「無断引用」と表現していたならば、まだ理解の余地はあるのだが、講談社の告知や
朝日新聞の記事には、「著作権上の問題」「不適切な引用」とはあっても「無断引用」の
文字はない。唐沢俊一がなぜ、わざわざ「無断引用」と言い換えてまで、この言葉の使用
に執着しているのかはわからない。

http://shop.kodansha.jp/bc/books/bluebacks/oshirase.html
>二〇〇六年三月八日付で回収・絶版の措置をとった講談社ブルーバックス『科学史から
>消された女性たち』『早すぎた発見、忘られし論文』(いずれも大江秀房著)につきまして、
>調査の結果、最終的に内外の著作物に対する著作権上の問題を確認いたしました。
>著作権者の方、読者の皆様にお詫び申し上げます。なお、図書館等で継続して閲覧に
>供されているものに関しましては、その旨御了解ください。出版部としても真摯に反省
>し、このようなことが二度とないよう精進してまいります
>講談社ブルーバックス出版部

http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY200603090252.html (webarchive)
>講談社、ブルーバックス2点を回収・絶版2006年03月09日15時52分
> 講談社は9日、「科学史から消された女性たち」「早すぎた発見、忘られし論文」
>(いずれも大江秀房著)のブルーバックス2冊を、著作権上の問題のため、回収・絶版と
>することを決めた。
> アメリカで出版された2冊の本からの不適切な引用があったという。巻末に参考文献と
>して挙げてはいたが、本文中に引用個所の明示がなかった。
> このほか、国内の出版物と酷似する個所があるという指摘も寄せられており、講談社
>はさらに調査を進めている。



   
 
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