トンデモない一行知識の世界 OLD　- 唐沢俊一の「雑学」とは -

『トンデモ一行知識の世界』 P.201

・人間は一日に六億のことを覚えることができるが、その六十パーセントは
　すぐに忘れてしまう。

「六億のこと」が何をどう数えて「六億」なのかは不明。また、具体的な期間を設定する
ことなく「六十パーセント」と書いても、情報としては意味がないだろう。どの時点でか、
忘却率が 60% のときは来るのだから。

「すぐに忘れる」というのが、短期記憶のことを指すならば、保持できる情報は視覚で
7±2 （5 から 9） チャンク (chunk)、触覚で 5±1 チャンク程度。忘れてしまうのは、
そのうちの 60% ならぬ 90%。

長期記憶の方ならば、エビングハウスの忘却曲線というものがあるが、こちらは 20 分後
に 42% の忘却で、1 時間後に 56%、1 日後では 74% とされる。「六十パーセント」に近い
数値は、この中では 20 分後の (忘却率でなく、その逆の) 保持率の 58% か。

http://www21.ocn.ne.jp/%7Esmart/workingmemory0816.html
＞人間の記憶のしくみは、短期記憶と長期記憶のシステムからなる、二重貯蔵モデルと
＞して説明できる。短期記憶は、約15秒以内にその90％が忘却される特性をもつ。
〈略〉
＞◆『脳のメモ帳 ワーキングメモリ』 苧阪満里子著、新曜社、2002/7

http://www.barrierfree.gr.jp/cogsci/note2007/10.pdf
＞短期記憶（short-term memory）
＞－ 一度見ただけで記憶でき、短い間は覚えておけるが、時間が経つと忘れてしまう記憶
〈略〉
＞－ 記憶の範囲（memory span）
＞・Miller, G. A. 1956 The Magical Number 7 ± 2
＞　－ 大人の場合、視覚で7±2チャンク（chunk）程度
＞・Kwok, M. G. 2003 The Magical Number 5 ± 1
＞　－ 大人の場合、触覚で5±1チャンク程度

＞エビングハウスの忘却曲線
〈略〉
＞1系列13個からなる無意味つづりのリストを覚え、ある一定時間経過後にどれくらい思い
＞出せるかを自分自身を被験者として測定。その結果、20分後には58％、1時間後には
＞44％、1日後には26％、31日後には21％の保持率をしめした。

その他:
http://ja.wikipedia.org/wiki/記憶
http://ja.wikipedia.org/wiki/忘却曲線